この記事には広告はありません。当サイトの他の記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれています。
結論:クーリング・オフ期間中は、品物を渡さなくてよい
訪問購入(自宅に来て貴金属などを買い取る取引)には、通常の売買にない権利があります。消費者庁の記載です。
物品の引渡しの拒絶(法第58条の15)
そして事業者には、そのことを告げる義務があります。
事業者は、クーリング・オフ期間内に売買契約の相手方から直接物品の引渡しを受ける時は、相手方に対して当該物品の引渡しを拒むことができる旨を告げなければなりません。(法第58条の9)
その場で渡す必要はありません。渡してしまうと、転売されて戻らなくなることがあります。
訪問販売(売りに来る側)のクーリング・オフはクーリング・オフの記事にまとめました。この記事は買いに来る側の話です。
1. そもそも、頼んでいない訪問は禁止です
不招請勧誘の禁止(法第58条の6第1項)
事業者は、訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘の要請をしていない者に対し、相手方の自宅等で売買契約の締結について勧誘をし、又は勧誘を受ける意思の有無を確認してはいけません。いわゆる飛込み勧誘や、単に相手方から査定の依頼があった場合に、査定を超えて勧誘を行うことは、法に抵触することになります。
2つ押さえてください。
- 飛び込みは違法
- 「査定だけ」と呼んだのに買取りを勧誘するのも違法
「査定に来ただけ」という入り方は、実際の相談で多い型です。
2. 断ったら、もう勧誘できません
再勧誘の禁止等(法第58条の6第2項、第3項)
事業者は、訪問購入をしようとするときは、勧誘に先立って相手方に勧誘を受ける意思があることを確認しなければなりません。
また、相手方が契約締結の意思がないことを示したときには、その訪問時においてそのまま勧誘を継続することや、その後改めて勧誘することが禁止されています。
「いりません」と言った時点で、その場の勧誘も、後日の勧誘も止まります。
3. 勧誘の前に名乗る義務があります
事業者の氏名等の明示(法第58条の5)
事業者は、訪問購入をしようとするときは、勧誘に先立って、相手方に対して以下のことを告げなければなりません。
・事業者の氏名(名称)
・契約の締結について勧誘をする目的であること
・購入しようとする物品の種類
「近くまで来たので」という入り方は、この義務を満たしていません。
4. 書面は赤枠・赤字で書かれます
渡される書面には、形式まで決まりがあります。
相手方に対する注意事項として、書面をよく読むべきことを、赤枠の中に赤字で記載しなければなりません。また、クーリング・オフに事項と物品の引渡しの拒絶(法第58条の15)に関する事項についても赤枠の中に赤字で記載しなければなりません。さらに、書面の字及び数字の大きさは8ポイント(官報の字の大きさ)以上であることが必要です。
赤枠・赤字がない書面は、その時点でおかしいという判断材料になります。
5. 書面に書かれること
・物品の種類/物品の購入価格/代金の支払時期、方法/物品の引渡時期、方法
・契約の申込みの撤回(契約の解除)に関する事項
・物品の引渡しの拒絶(法第58条の15)に関する事項
・事業者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人にあっては代表者の氏名
・契約の申込み又は締結を担当した者の氏名/契約の申込み又は締結の年月日
・物品名/物品の特徴
・物品又はその附属品に商標、製造者名若しくは販売者名の記載があるとき又は型式があるときは、当該商標、製造者名若しくは販売者名又は型式
・契約の解除に関する定めがあるときには、その内容/そのほか特約があるときには、その内容
物品名・特徴・型式まで書かせるのは、後から「その品は預かっていない」と言わせないためです。
6. 渡した後に転売されたら、通知が来ます
第三者への物品の引渡しについての契約の相手方に対する通知(法第58条の11)
事業者は、契約の相手方から物品の引渡しを受けた後、クーリング・オフ期間内に第三者に当該物品を引き渡したときは、(中略)遅滞なく、相手方に通知しなければなりません。
通知される内容には「その他相手方が第三者への物品の引渡しの状況を知るために参考となるべき事項」が含まれます。
さらに、第三者に対しても通知が必要です。
事業者は、(中略)クーリング・オフ期間内に第三者に当該物品を引き渡すときは、(中略)施行規則の様式第5又は様式第6による書面にて、第三者に通知しなければなりません。
・第三者に引き渡した物品が訪問購入の契約の相手方から引渡しを受けた物品であること
「これはクーリング・オフされる可能性がある品だ」と買い手側にも伝わる仕組みです。
7. 嘘をついて引き渡させることも禁止です
契約の対象となる物品の引渡しを受けるため、引渡し時期その他物品の引渡しに関する重要な事項について、故意に事実を告げない、事実と違うことを告げる、又は相手を威迫して困惑させること(が禁止されています)。
「今渡さないと契約できない」「すぐ渡すのが決まりだ」といった説明は、この禁止に当たる可能性があります。
8. 訪問購入を受けるときの手順
- 頼んでいない訪問は、玄関で断る(不招請勧誘は禁止されています)
- 査定だけ頼んだ場合、勧誘が始まったら断る
- 断ったら、その後の勧誘は禁止です
- 契約するなら赤枠・赤字の書面を受け取る
- 品物はその場で渡さない(引渡しを拒めます)
- 迷ったら消費生活センターに相談する
当サイトでは、個別の取引が違法かどうかを判断できません。また、クーリング・オフの起算日や手続の方法について、この記事の一次情報では詳細を確認していません。消費者庁の特定商取引法ガイド、または消費生活センターにご確認ください。
9. 対象にならないものもあります
訪問購入の規制には適用除外があるとされています。どの物品が対象外かについて、当サイトでは確認していません。自動車や書籍などが挙げられることがありますが、推測では書きません。
FAQ
その場で品物を渡さないといけませんか。
いいえ。クーリング・オフ期間内は引渡しを拒むことができ、事業者にはその旨を告げる義務があります。
突然の訪問買取は違法ですか。
「勧誘の要請をしていない者に対し(中略)勧誘をし、又は勧誘を受ける意思の有無を確認してはいけません」とされ、飛込み勧誘は法に抵触するとされています。
査定だけ頼んだ場合はどうですか。
「単に相手方から査定の依頼があった場合に、査定を超えて勧誘を行うことは、法に抵触することになります」とされています。
一度断った後にまた来ました。
「その訪問時においてそのまま勧誘を継続することや、その後改めて勧誘することが禁止されています」。
渡してしまった後、転売されたら分かりますか。
クーリング・オフ期間内に第三者へ引き渡したときは、事業者は遅滞なく相手方に通知しなければならないとされています。
参照した一次情報
- 消費者庁「訪問購入」(特定商取引法ガイド) no-trouble.caa.go.jp
2026年9月19日確認。事業者の氏名等の明示(法第58条の5)、不招請勧誘の禁止(法第58条の6第1項)と飛込み勧誘・査定を超えた勧誘が法に抵触する旨、再勧誘の禁止等(法第58条の6第2項、第3項)、書面の交付(法第58条の7、第58条の8)の記載事項と赤枠・赤字・8ポイント以上という形式、物品の引渡しの拒絶に関する告知(法第58条の9)、引渡しに関する重要事項についての禁止行為、第三者への引渡しについての相手方および第三者への通知(法第58条の11)に関する引用はこのページに基づきます。クーリング・オフの起算日と手続の方法、適用除外となる物品については確認していません。
関連記事
- クーリング・オフの8日は契約日から数えません|訪問販売で戻せるもの、戻せないもの
- 電話を切ってから自分で申し込んでも「電話勧誘販売」です|折り返させる手口と再勧誘の禁止
- ネット通販に返品の権利はあります|8日ルールと、定期購入で見る最終確認画面
- 電気の契約を切り替える前に|検針票を見せない理由と、相談が多い3つの型
- 偽の警告画面は閉じれば解消します|サポート詐欺とワンクリック詐欺
- 60万円以下なら原則1回の審理で終わります|少額訴訟と、その前にある3つの手段
このテーマの記事一覧:住まい・手続き・消費生活
この記事は当サイト運営者が執筆しました。法律の専門家による記事ではありません。上記の確認日以降に記載が変わっている可能性があります。トラブルに遭った場合は、消費者ホットライン(188)または最寄りの消費生活センターへご相談ください。


コメント