警報は雨量ではなく「指数」で出ます|土壌雨量指数・表面雨量指数・流域雨量指数

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結論:「何ミリ降ったか」だけでは警報は決まりません

気象庁の記載です。

これらの3つの「指数」を用いることによって、災害リスクの高まりを「雨量」そのものよりも適切に評価・判断することができるようになり、より的確な警報発表につながります。

同じ50mmでも、乾いた土地に降るのと、3日間降り続いた後に降るのとでは危険度が違います。その違いを数値にしたのが指数です。

1. 3つの指数

降った雨は地中に浸み込んだり地表面を流れるなどして川に集まります。大雨時には、雨は地中に浸み込んで土砂災害を発生させたり、地表面に溜まって浸水害をもたらしたり、川に集まって増水することで洪水災害を引き起こしたりします。

指数何を表すか主に対応する災害
土壌雨量指数降った雨が地中に浸み込んで溜まっている量を数値化土砂災害
表面雨量指数雨の地表面での溜まりやすさを考慮浸水害
流域雨量指数雨が地表面や地中を通って川に集まり流れ下ってくるまでの時間差を考慮洪水災害

「時間差」を考慮しているのが流域雨量指数の要点です。上流で降った雨は、しばらく経ってから下流に来ます。

2. 平成29年度出水期からの変更

もともとは、土砂災害は土壌雨量指数、長さ15km以上の河川の洪水は流域雨量指数で判断し、浸水害と長さ15km未満の中小河川の洪水は「雨量」の基準で判断していました。

これを、平成29年度出水期からは、浸水害については、(中略)「雨量」そのものではなく、雨の地表面での溜まりやすさを考慮した表面雨量指数を用いる方法に変更しました。

また、長さ15km未満の中小河川で発生する洪水災害についても、流域雨量指数の対象河川を拡大して、流域雨量指数を用いて洪水警報の発表判断を行うよう変更しました。

3. 令和8年度出水期からの運用

さらに新しい変更があります。

令和8年度出水期からは、内水氾濫及び洪水予報河川以外の外水氾濫は大雨に関する情報で取り扱うこととし、表面雨量指数及び流域雨量指数を用いて大雨特別警報・危険警報・警報・注意報の発表判断を行う運用としています。

警報の名称に「危険警報」が入っている点は、令和8年5月からの新しい体系によるものです。

4. キキクルは4種類あります

特別警報・危険警報・警報・注意報が発表されたときに、実際にどこで「指数」の予測値が基準に到達すると予想されているのかが一目で分かる「キキクル」の提供を行っています。

気象庁が解説しているのは次の4つです。

  1. 土砂キキクル避難の基準はこちらで整理しています
  2. 大雨キキクル
  3. 浸水キキクル
  4. 洪水キキクル

「土砂だけ見て安心しない」ということです。浸水と洪水は別の色分けで表示されます。

5. プッシュ通知があります

キキクルに基づく危険度の高まりを、プッシュ型で通知するサービスを提供しています。

自分で見に行かなくても、危険度が上がった段階で通知を受け取れます。寝ている時間帯や営業中に気づけるかどうかは、この設定で変わります。

当サイトでは、通知サービスの提供事業者や設定方法を確認していません。気象庁の「キキクルの通知サービスについて」をご確認ください。

6. 色の区分は令和4年に変わっています

なお、令和4年6月30日からキキクルの危険度(色)に「災害切迫」(黒)が加わり、「非常に危険」(うす紫)と「極めて危険」(濃い紫)は「危険」(紫)に統合されています。

古い解説では「うす紫」「濃い紫」という表現が残っていることがあります。今は紫に統合され、その上に黒があります。

7. 過去の事例で練習できます

気象庁は、過去の実際の大雨事例における危険度分布の操作体験ができるページを公開しています。掲載されている事例です。

  • 平成30年7月豪雨
  • 令和元年8月26日から29日の大雨
  • 令和元年東日本台風(台風第19号)による大雨
  • 令和2年7月豪雨
  • 令和3年8月(12日〜15日)の大雨

令和4年以降の事例は「過去の主な災害時の情報発表状況」を参照とされています。

用途として「自治体の防災担当者による災害対応の振り返り、報道機関による解説等」が挙げられていますが、個人が自分の地域の過去事例を見ておくのにも使えます。

8. 実務としての使い方

  1. 自分の地域で起こり得るのは土砂・浸水・洪水のどれかハザードマップで確認する
  2. 該当するキキクルを見る(1つではありません)
  3. プッシュ通知を設定する
  4. 色の意味を覚える(黒はすでに発生している可能性
  5. 雨量の数字だけで判断しない(1時間30mmの意味はこちら

指数そのものの計算方法については、気象庁が土壌雨量指数・表面雨量指数・流域雨量指数それぞれの解説ページを用意しています。当サイトでは計算方法を確認していません。

停電と避難への備え

以下は広告です。当サイトでは、これらの製品を災害時に使用して検証したわけではありません。仕様・価格・在庫は変更されることがあるため、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。優劣を示すものではなく、選択肢として並べています。

停電時の電源を確保する場合:Jackery(ジャクリ)のポータブル電源

備蓄品をまとめて用意する場合:防災士監修の防災グッズ44点セット

FAQ

警報は雨量で決まらないのですか。

気象庁は3つの指数を用いることで「雨量」そのものよりも適切に評価・判断できるとしています。

指数は3つとも何が違いますか。

土壌雨量指数は地中に溜まった量、表面雨量指数は地表面での溜まりやすさ、流域雨量指数は川に集まるまでの時間差を考慮したものです。

キキクルは何種類ありますか。

気象庁が解説しているのは土砂・大雨・浸水・洪水の4つです。

「うす紫」は今もありますか。

いいえ。令和4年6月30日から「非常に危険」(うす紫)と「極めて危険」(濃い紫)は「危険」(紫)に統合され、「災害切迫」(黒)が加わりました。

通知を受け取れますか。

気象庁はプッシュ型で通知するサービスがあるとしています。詳細は気象庁のページをご確認ください。

参照した一次情報

  • 気象庁「キキクル」 jma.go.jp
    2026年9月17日確認。雨水の挙動と3つの指数(土壌雨量指数・表面雨量指数・流域雨量指数)の位置づけ、指数を用いることで雨量より適切に評価できる旨、平成29年度出水期からの変更と15km未満の中小河川への拡大、令和8年度出水期からの運用(内水氾濫および洪水予報河川以外の外水氾濫の取扱い、大雨特別警報・危険警報・警報・注意報の発表判断)、キキクル4種類とプッシュ通知、令和4年6月30日からの色の統合と「災害切迫」(黒)の追加、過去の災害事例のページに関する引用はこのページに基づきます。

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この記事は当サイト運営者が執筆しました。気象・防災の専門家による記事ではありません。上記の確認日以降に気象庁の記載が変わっている可能性があります。実際の避難行動は、そのときの気象庁および自治体の情報に従ってください。

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