泊まれる宿は許可か届出のどちらかです|旅館業の3種別と、民泊の180日

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結論:泊まれる施設は「旅館業法の許可」か「民泊の届出」のどちらかです

人を有料で泊める事業には、大きく2つの枠組みがあります。

旅館業法住宅宿泊事業法(民泊新法)
必要なもの営業許可(保健所に申請)届出(都道府県知事等へ)
日数の上限なし年間180日を超えない
対象施設「住宅」(設備要件・居住要件あり)

観光庁の民泊制度ポータルサイトは、原則をこう書いています。

宿泊営業の実施に当たっては、原則、旅館業法に基づく許可が必要となりますが、住宅宿泊事業法第3条第1項の届出をした者は、旅館業法第3条第1項の規定にかかわらず、住宅宿泊事業を営むことができます。

そして、こうも明記されています。

住宅を利用する場合であっても、有償で繰り返し、宿泊所として提供する「民泊サービス」を行うことは基本的に旅館業にあたるため、旅館業法に基づく許可を得ることが必要となります。

許可も届出もない宿泊施設は、この2つのどちらにも当てはまっていない状態です。

1. 旅館業の種別は3つです

平成30年6月15日より、ホテル営業と旅館営業は「旅館・ホテル営業」に一本化されました。

種別定義
旅館・ホテル営業施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの
簡易宿所営業宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業(ペンション、ユースホステルなど)
下宿営業施設を設け、1月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業

前提となる定義も押さえておきます。

旅館業とは「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義されており、「宿泊」とは「寝具を使用して施設を利用すること」とされています。

アパート等の貸室業との違いも示されています。

  1. 施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあると社会通念上認められること
  2. 施設を利用する宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないこと

なお、住宅宿泊事業の届出をせずに民泊サービスを行う場合は、簡易宿所営業で許可を取得するのが一般的とされています(平成28年4月に最低床面積の基準が緩和されています)。

2. 民泊新法の「180日」の数え方

年間の提供日数の上限は180日です。算定方法まで決まっています。

1年間 = 毎年4月1日正午から翌年4月1日正午まで
1日 = 正午から翌日の正午まで

暦年でも年度でもなく、4月1日の正午が起点です。算定は届出住宅ごとに行われます。

また、都道府県等は条例で住宅宿泊事業の実施を制限できます。地域によっては、平日は営業できないといった制限がかかります。

3. 「住宅」の定義に当てはまらないと届出できません

要件内容
設備要件「台所」「浴室」「便所」「洗面設備」
居住要件次のいずれか:
・現に人の生活の本拠として使用されている家屋
・入居者の募集が行われている家屋
・随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋

「空き家を買って民泊にする」がそのままでは通らないのは、この居住要件があるためです。

4. 民泊には3種類の事業者が出てきます

事業者必要な手続監督
住宅宿泊事業者(部屋を出す人)都道府県知事等への届出都道府県知事等
住宅宿泊管理業者(管理を受託する人)国土交通大臣の登録国土交通大臣
住宅宿泊仲介業者(予約サイト等)観光庁長官の登録観光庁長官

住宅宿泊事業者に義務付けられる措置は次のとおりです。

  • 衛生確保措置
  • 宿泊者に対する騒音防止のための説明
  • 近隣からの苦情への対応
  • 宿泊者名簿の作成・備付け
  • 標識の掲示

家主不在型の場合は、標識の掲示を除く上記の措置を、住宅宿泊管理業者に委託することが義務付けられます。

逆に言うと、届出をした民泊には標識が掲示されているということです。泊まる側が確認できる手がかりになります。

5. 旅館業法が適用されないケースもあります

ポータルサイトが挙げている例です。

ケース概要
イベント民泊多数の集客が見込まれるイベント開催時に宿泊施設が不足する地域で、自治体の要請に基づき自宅等を提供する場合
移住希望者への短期居住売買・賃貸を前提とする空き家物件への短期居住で、地方公共団体による対象施設の特定など3つの措置すべてが講じられている場合
体験学習の指導料のみを受ける場合地方公共団体から依頼を受けた地域協議会等が、宿泊料に相当する対価を受けず、体験学習の指導の対価のみを受ける場合

ポータルサイトは、最後にこう書いています。

旅館業法が適用されるか否かはお近くの保健所へお問い合わせください。

このほか、国家戦略特区における特区民泊(旅館業法の特例)という枠組みもあります。

6. 泊まる側が見るところ

  1. 予約サイトに許可番号または届出番号が載っているか
  2. 民泊なら、現地に標識が掲示されている
  3. 家主不在型なら、管理業者の連絡先がわかるか
  4. 騒音・ごみ出しなど近隣に関する説明があるか
  5. 宿泊者名簿への記入を求められるか(作成・備付けは事業者の義務です)

宿が宿泊を拒める場合については旅館業法の宿泊拒否の記事、トラブルの窓口については旅行業協会の記事にまとめています。

当サイトでは個別の施設が適法かどうかを判断しません。疑問がある場合は、施設の所在地を管轄する保健所または都道府県にご確認ください。

宿を探す場合

以下は広告です。当サイトでは、掲載施設の許可・届出の状況を検証していません。掲載内容・料金・条件は変更されることがあるため、必ず公式サイトと施設の表示で最新の内容をご確認ください。優劣を示すものではなく、選択肢として並べています。

宿泊施設を探す場合:【ヤフートラベル】

FAQ

民泊と旅館・ホテルは何が違いますか。

根拠となる法律が違います。旅館業法は営業許可が必要で日数の上限はありません。住宅宿泊事業法(民泊新法)は届出で営めますが、人を宿泊させる日数が年間180日を超えないことが条件です。

180日はいつからいつまでの1年ですか。

毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までです。1日は正午から翌日の正午までと数え、届出住宅ごとに算定します。

空き家を民泊にできますか。

民泊新法の「住宅」には居住要件があります。現に生活の本拠として使用されている、入居者の募集が行われている、随時所有者等の居住の用に供されている、のいずれかに当たる必要があります。個別の判断は自治体にご確認ください。

自宅の一室を有料で貸すのは民泊ですか、旅館業ですか。

ポータルサイトは、有償で繰り返し宿泊所として提供することは基本的に旅館業にあたるとしたうえで、住宅宿泊事業法の届出をした者は届出により営めるとしています。適用の有無はお近くの保健所にお問い合わせください。

届出をした民泊かどうか、泊まる側にわかりますか。

住宅宿泊事業者には標識の掲示が義務付けられています(家主不在型でも標識の掲示は委託できない措置とされています)。

参照した一次情報

  • 観光庁 民泊制度ポータルサイト「住宅宿泊事業法(民泊新法)とは?」 mlit.go.jp
    2026年9月19日確認。3種類の事業者と必要な手続・監督、住宅宿泊事業者の義務(衛生確保措置、騒音防止の説明、苦情対応、宿泊者名簿、標識の掲示)、家主不在型の委託義務、180日の算定方法、住宅の設備要件・居住要件、条例による制限に関する記述はこのページに基づきます。
  • 観光庁 民泊制度ポータルサイト「旅館業法について」 mlit.go.jp
    2026年9月19日確認。旅館業・宿泊の定義、貸室業との違い、旅館業の種別(旅館・ホテル営業/簡易宿所営業/下宿営業)と平成30年6月15日の一本化、簡易宿所の基準緩和、旅館業法の適用とならない3つのケースに関する記述はこのページに基づきます。特区民泊の要件、および各自治体の条例による制限の内容は本記事では扱っていません。

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