アレルギー表示の義務は8品目だけ|「入っているかも」という書き方は禁止です

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結論:表示が義務なのは8品目だけです

加工食品のアレルギー表示には、義務のものと推奨(任意)のものがあります。消費者庁の整理です。

区分 品目 理由 表示
特定原材料
(食品表示基準)
えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(8品目) 特に発症数、重篤度から勘案して表示する必要性の高いもの 義務
特定原材料に準ずるもの
(消費者庁次長通知)
アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン(20品目) 症例数や重篤な症状を呈する者の数が継続して相当数みられるが、特定原材料に比べると少ないもの 推奨(任意)

20品目のほうは、書かれていなくても違反ではありません。ここが最も重要な点です。ごまやカシューナッツが心配な方は、「書いていない=入っていない」とは読めません。

1. 実際に多いのは何か

即時型症例の原因食物の内訳です(令和6年度の全国実態調査、N=6,033)。

順 原因食物 割合 表示
1 鶏卵 26.7% 義務
2 くるみ 15.2% 義務
3 牛乳 13.4% 義務
4 小麦 8.1% 義務
5 落花生 7.0% 義務
6 いくら 5.7% 推奨(任意)
7 カシューナッツ 4.6% 推奨(任意)
8 えび 3.0% 義務
9 大豆 1.3% 推奨(任意)
9 キウイ 1.3% 推奨(任意)
11 マカダミアナッツ 1.1% 推奨(任意)
11 そば 1.1% 義務
13 かに 0.4% 義務

くるみが2位(15.2%)です。くるみは以前「準ずるもの」で任意表示でしたが、義務表示に移りました。

一方で、いくら(5.7%)とカシューナッツ(4.6%)は、そば(1.1%)やかに(0.4%)より多いのに、表示は任意です。

この判断の根拠について、消費者庁はこう書いています。

健康危害の発生を防止する観点から、概ね3年毎に実施している全国のアレルギーを専門とする医師を対象として実施している全国実態調査における症例数や重篤度を踏まえ、特定原材料を定めています。

2. 表示の2つの方式

アレルギー表示は原則、個別表示です。例外として一括表示も認められています。

方式 書き方の例
個別表示 原材料名:じゃがいも、にんじん、ハム(卵・豚肉を含む)、マヨネーズ(卵・大豆を含む)、たんぱく加水分解物(牛肉・さけ・さば・ゼラチンを含む)/調味料(アミノ酸等)
一括表示 原材料名:じゃがいも、にんじん、ハム、マヨネーズ、たんぱく加水分解物/調味料(アミノ酸等)、(一部に卵・豚肉・大豆・牛肉・さけ・さば・ゼラチンを含む)

一括表示の場合、原材料名の最後にまとめて書かれます。途中まで読んで安心せず、括弧の最後まで読む必要があります。

3. 「たまご」「玉子」でも表示になります(代替表記)

特定原材料等と具体的な表示方法が異なるが、特定原材料等の表示と同一のものであると認められるものにあっては、その表示をもって特定原材料等の表示に代えることができます。例えば、「卵」であれば、「玉子」や「たまご」の表示をもって、「卵を含む」の表示を省略することができます。

つまり「(卵を含む)」と書いていなくても、原材料名に「たまご」とあれば、それが表示です。

4. 「入っているかもしれない」は書けません

ここは明確に禁止されています。

【可能性表示の禁止】
「入っているかもしれない」といった可能性表示は認められていません。

では、製造ラインで混入するおそれがある場合はどうするか。コンタミネーションの注意喚起表示です。

他の製品の特定原材料等が製造ライン上で混入しないよう十分に洗浄するなどの対策の実施を徹底することが原則ですが、これらの対策の徹底を図ってもなおコンタミネーションの可能性が排除できない場合については、注意喚起表示を推奨しています。
例:「本品製造工場では○○(特定原材料等の名称)を含む製品を生産しています。」

この注意喚起表示も推奨であって義務ではありません。書かれていないからといって、混入の可能性がないことにはなりません。

5. 症状の目安

消費者庁が挙げている症状です。

区分 症状
軽い症状 かゆみ、じんましん、唇や瞼の腫れ、嘔吐、喘鳴
重篤な症状 意識障害、血圧低下などのアナフィラキシーショック

食物アレルギーの定義は、

食物を摂取した際、身体が食物に含まれるたんぱく質等(アレルゲン)を異物として認識し、自分の体を過剰に防御することで不利益な症状を起こすこと

当サイトでは個別の症状や受診の判断をしません。症状が出た場合、とくに意識や呼吸、血圧に関わる症状がある場合は、ただちに医療機関を受診してください。

6. 対象は「容器包装された加工食品」です

義務表示の範囲について、

容器包装された加工食品について、当該特定原材料を含む旨の表示を義務付けています。

つまり、店頭で量り売りされるもの、その場で作って出される料理(飲食店の食事など)は、この義務表示の対象ではありません。外食では、自分から確認することになります。

7. 実務としてやること

買う側

  1. 義務は8品目だけと覚える(えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生)
  2. 一括表示なら原材料名の最後の括弧まで読む
  3. 「たまご」「玉子」も表示として扱われる
  4. 20品目(いくら、カシューナッツ、ごま等)は書かれていなくても入っていることがある
  5. 注意喚起表示(「本品製造工場では〜」)は推奨であって義務ではない
  6. 外食や量り売りは義務表示の対象外なので、必ず自分から確認する

食品を扱う事業者

  1. 原則は個別表示
  2. 可能性表示は禁止(「入っているかもしれない」は不可)
  3. コンタミネーションはまず洗浄等の対策を徹底し、それでも排除できない場合に注意喚起表示

当サイトでは個別の商品の表示の適否を判断しません。消費者庁の「加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック」をご確認ください。

FAQ

表示が義務の品目は何ですか。

えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生の8品目です(特定原材料)。

ごまやカシューナッツは義務ではないのですか。

義務ではありません。「特定原材料に準ずるもの」20品目に入っており、表示は推奨(任意)です。書かれていなくても違反にはなりません。

くるみはいつから義務になりましたか。

従来は「特定原材料に準ずるもの」でしたが、特定原材料に移行しています。即時型症例の原因食物としては15.2%で2位です。

「本品製造工場では○○を含む製品を生産しています」は義務ですか。

義務ではありません。コンタミネーションの可能性が排除できない場合の注意喚起表示(推奨)です。

「入っているかもしれません」という表示は見かけますか。

認められていません。消費者庁は可能性表示の禁止を明示しています。

飲食店のメニューにも表示義務はありますか。

義務表示の対象は容器包装された加工食品です。外食については、本記事では扱っていません。店に確認してください。

参照した一次情報

  • 消費者庁「アレルギー表示について」 caa.go.jp(PDF)
    2026年9月21日確認。特定原材料8品目と特定原材料に準ずるもの20品目の区分・理由・表示義務、即時型症例の原因食物の内訳(令和6年度全国実態調査 N=6,033)、個別表示と一括表示の例、代替表記、コンタミネーションの注意喚起表示、可能性表示の禁止、食物アレルギーの定義と症状、対象が容器包装された加工食品である旨に関する記述はこの資料に基づきます。
  • 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」 caa.go.jp
    2026年9月21日確認。関連資料(加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック等)の所在の確認に使用しました。くるみの義務表示化に係る経過措置の期日、外食におけるアレルギー情報の提供、および表示の詳細な運用ルールは本記事では扱っていません。

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