品質表示の指導は6割が繊維製品です|令和5年度247件の内訳と、つまずく型

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結論:指導を受けた製品の6割が繊維製品で、ズボンとシャツが上位です

家庭用品品質表示法(昭和37年法律第104号)は、繊維製品・合成樹脂加工品・電気機械器具・雑貨工業品の4区分について、品目ごとに表示すべき事項を定めています。

消費者庁が公表した令和5年度の運用状況を見ると、どこでつまずいているかがはっきり分かります。指導を受けた78事業者の不適正表示は247製品で、内訳は次のとおりです。

区分 件数 内訳(主なもの)
繊維製品 150件 ズボン54件、シャツ41件、ドレス・ホームドレス12件等
雑貨工業品 75件 靴18件、魔法瓶15件、漆又はカシュー樹脂塗料を塗った食卓用器具等8件等
合成樹脂加工品 21件 ポリ袋9件、水筒5件等
電気機械器具 1件 パネルヒーター
合計 247件

繊維製品が150件で全体の約6割です。電気機械器具は1件だけでした。

1. 実際に指摘された違反の型

運用状況には具体的な指導事案が挙げられています。

区分 指摘された内容
繊維製品 商品に表示された混用率が、実際の混用率とは異なっていた
繊維製品 旧洗濯表示が付けられた商品を販売していた
繊維製品 品質表示に表示業者が連絡先として付記されていたにも関わらず、消費者等からの問合せに対して十分に対応できていなかった
合成樹脂加工品 水筒の容量表示について、規定された許容範囲の+5%を超えた容量を表示していた
合成樹脂加工品 食事用の器具等について、耐熱温度の表示が欠落していた
合成樹脂加工品 可搬型便器について、耐熱温度の表示が本体に刻印されていたが、包装で隠れてしまい表示を確認することができなかった

3つめと6つめが見落としやすい型です。連絡先を書いたなら応答できる体制が要ること、刻印してあっても包装で隠れていれば表示したことにならないことが分かります。

2. 4区分の定義

法第2条は家庭用品を次のように定めています。

一般消費者が通常生活の用に供する繊維製品、合成樹脂加工品、電気機械器具及び雑貨工業品のうち、一般消費者がその購入に際し品質を識別することが著しく困難であり、かつ、その品質を識別することが特に必要であると認められるものであって政令で定めるもの

区分 範囲
繊維製品 糸、織物、ニット生地などの一次製品および上衣、ズボンなどの二次製品。繊維そのもの(綿、毛、ナイロンなど)は対象外
合成樹脂加工品 合成樹脂型成形加工品
電気機械器具 照明器具、熱器具、映像機器、電動機器等あらゆる家庭電気機械器具
雑貨工業品 上記3つ以外の家庭用品。魔法瓶、かばん、洋傘、合成洗剤、家具など

医薬品は薬機法、食料品は食品衛生法でそれぞれ表示の適正化が図られているため、この法律からは除かれています。

3. 表示事項と遵守事項の2本立て

法第3条により、品目ごとに2種類のことが定められています。

  • 表示事項:成分、性能、用途、取扱い上の注意など、品質に関して表示すべき事項
  • 遵守事項:その表示事項を表示する上で、表示を行う者が守らなければならない事項

水筒の容量の許容範囲+5%は遵守事項の側の話です。書けばよいのではなく、書き方にも決まりがあります。

表示を行うのは、法第2条第2項により製造業者、販売業者、またはこれらから表示の委託を受けて行う表示業者のいずれかです。

4. 誰が検査しているか

法第24条により、立入検査等の一部の事務は地方自治体(都道府県および市)に委任されています。

項目 令和5年度
地方自治体による立入検査 2,916店舗
うち違反の被疑が生じて消費者庁に移送 43件

違反被疑事案として消費者庁が処理した128件(延べ事業者数)の入口は次のとおりです。

  • 地方自治体による立入検査 43件
  • 事業者からの自主申告 28件
  • 消費者等からの情報提供(法第10条第1項に基づく申出を含む) 26件
  • 前年度からの繰越 31件

自主申告が28件あります。社内点検で見つけて申告する経路が実際に使われています。

5. 指示は0件、指導が78事業者

年度 指示 指導 違反無し 対象外 打切り 翌年度繰越 処理件数合計
令和元年度 1 91 4 13 7 11 127
令和2年度 2 48 5 4 13 23 95
令和3年度 3 91 16 9 20 13 152
令和4年度 4 71 12 7 8 32 134
令和5年度 0 78 12 8 11 19 128

指示(法第4条第1項に基づくもの)は令和5年度は0件でした。実務で起きているのはほぼ指導です。

6. 相談は年4,448件

令和5年度の相談件数は4,448件でした。

相談の種類 件数
対象製品に関する相談 3,062件
対象外製品に関する相談 1,356件
その他全般的な相談 30件

対象製品の内訳は繊維製品1,661件、雑貨工業品988件、合成樹脂加工品356件、電気機械器具57件です。繊維製品の品目別では、シャツ125件、帽子100件、タオル及び手拭い88件、上衣79件、靴下67件、マフラー・スカーフ及びショール65件が多くなっています(品目を限定しない繊維製品全般の相談554件を除く)。

対象外製品の相談が1,356件あることも特徴です。この法律の対象かどうかの判断自体が分かりにくい、ということでもあります。

実務としてやること

  1. 扱っている商品が4区分のどれかに当たるか、消費者庁の対象品目一覧で確認する。対象外なら表示義務は生じません。
  2. 繊維製品を扱っているなら、混用率が実際と合っているかを確認する。指導件数の最多はここです。
  3. 洗濯表示が現行のものかを確認する。旧表示のまま販売していると指摘されます。
  4. 品質表示に自社の連絡先を書いているなら、その連絡先で問合せに応答できる体制があるかを確認する。
  5. 容量や耐熱温度など数値を書く品目は、許容範囲の決まりがあるかを品質表示規程で確認する。
  6. 表示が包装やラベルで隠れないかを、実際の出荷形態で目視確認する。
  7. 問題が見つかった場合、自主申告という経路があります(令和5年度は28件)。

よくある質問

対象品目は全部で何品目ですか

今回参照した資料には合計品目数の記載がなかったため未確認です。品目名は消費者庁の「対象品目一覧」で確認できます。

ハンドメイド品も対象ですか

今回参照した資料からは確認できませんでした。対象は政令で定める品目であり、その品目に当たるかどうかで判断されます。判断に迷う場合は消費者庁の相談窓口にご確認ください。

輸入品も対象ですか

対象は政令で定める家庭用品であり、国内で販売されるものが対象になります。表示義務を負うのは製造業者・販売業者・表示業者です。個別の判断は消費者庁にご確認ください。

指示を受けるとどうなりますか

法第4条から第6条、第19条に指示・公表・適正表示命令・強制表示命令が規定されています。罰則の金額は今回参照した資料に記載がなかったため未確認です。

参照した一次情報

  • 消費者庁表示対策課「令和5年度における家庭用品品質表示法の運用状況」(令和6年6月27日) caa.go.jp(PDF)
    2026年9月27日確認。指導78事業者・不適正表示247件とその区分別内訳、具体的な指導事案(混用率、旧洗濯表示、連絡先の応答、水筒容量+5%、耐熱温度の欠落・包装で隠れる)、立入検査2,916店舗と移送43件、違反被疑事案128件の入口の内訳、年度別処理状況の表、相談4,448件とその内訳はこの資料に基づきます。
  • 消費者庁「家庭用品品質表示法の対象範囲」 caa.go.jp
    2026年9月27日確認。法第2条の家庭用品の定義、4区分それぞれの範囲、繊維そのものが対象外であること、医薬品・食料品が他法令で規制されるため除かれていることはこのページに基づきます。
  • 消費者庁「家庭用品品質表示法のしくみ」 caa.go.jp
    2026年9月27日確認。法第3条の表示事項・遵守事項、法第2条第2項の表示を行う者、法第4条〜第6条・第19条の措置に関する記述はこのページに基づきます。

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この記事は公開されている運用状況と消費者庁のウェブページの記述を整理したものです。個別の商品に必要な表示事項は、品目ごとの品質表示規程および消費者庁の相談窓口にご確認ください。

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