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結論:子供用特定製品には子供PSCマークが必要で、ないものは販売できません
消費生活用製品安全法(消安法)の令和6年改正で、子供用特定製品という区分と子供PSCマークが新しく設けられました。指定されているのは乳幼児用ベッドと乳幼児用玩具(3歳未満向け玩具)の2製品です。
経済産業省の法令業務実施ガイド(令和7年12月版)が、この改正に対応した内容になっています。
1. マークは4種類になりました
| 区分 | マーク | 指定製品 |
|---|---|---|
| 特別特定製品 | ◇PSC | 携帯用レーザー応用装置、浴槽用温水循環器、ライター |
| 特別特定製品以外の特定製品 | ○PSC | 家庭用の圧力なべ及び圧力がま、乗車用ヘルメット、登山用ロープ、石油給湯機、石油ふろがま、石油ストーブ、磁石製娯楽用品、吸水性合成樹脂製玩具 |
| 特別特定製品である子供用特定製品 | ◇子供PSC | 乳幼児用ベッド |
| 特別特定製品以外の子供用特定製品 | ○子供PSC | 乳幼児用玩具(3歳未満向け玩具) |
特別特定製品は全部で4製品です。乳幼児用ベッド、携帯用レーザー応用装置、浴槽用温水循環器、ライター。子供用特定製品は乳幼児用ベッドと乳幼児用玩具の2製品で、乳幼児用ベッドは両方に該当します。
2. 区分の定義
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 特別特定製品 | 特定製品のうち、製造または輸入の事業を行う者の中に、一般消費者の生命又は身体に対する危害の発生を防止するため必要な品質の確保が十分でない者がいると認められる製品 |
| 子供用特定製品 | 特定製品のうち、主として子供の生活の用に供される製品であって、その使用方法の表示その他の子供の生命又は身体に対する危害の発生を防止するための表示が必要であると認められるものとして政令で定めるもの(法第2条第4項、令第3条) |
ガイドは子供用特定製品について「子供PSCマークがなければ販売できない(法第4条第2項)」と明記しています。
3. 新しく加わった「使用年齢基準」
子供用特定製品には、技術基準とは別に使用年齢基準への適合義務があります(法第12条の2第1項、技術基準省令別表第1の2)。4つの要件です。
一 使用に適した年齢は、合理的な根拠に基づくものであること。
二 使用に適した年齢は、届出に係る型式の特定製品に係る広告において意図されている使用に適した年齢に矛盾しないこと。
三 使用に適した年齢の下限は、類似する他の製品に設定された使用に適した年齢の下限を上回らないこと。
四 使用に適した年齢の下限は、子供用特定製品の機能、寸法その他の特徴から、一般消費者が合理的に推測できる年齢の下限を上回らないこと。
二号が広告と表示をつないでいます。広告で意図している対象年齢と、製品に表示する対象年齢が矛盾してはいけないということです。
三号と四号は、対象年齢を実際より高く設定して逃げることを封じています。似た製品より高い下限を書いたり、見た目から推測できる年齢より高い下限を書いたりできません。
4. 使用上の注意等の表示義務
使用年齢基準に適合している子供用特定製品については、使用上の注意等を表示しなければなりません(法第12条の2第2項、技術基準省令第21条の2および別表第2の2)。
ガイドの例示はこうです。
例えば、乳幼児用玩具においては、使用年齢基準に適合する対象年齢の表示や保護者が見守る旨などの表示に加え、その製品の特徴に応じて省令上で定められる使用上の注意等の文言の表示が必要となります。
5. 乳幼児用玩具だけの「ブランド事業者」
乳幼児用玩具には、ほかの品目にない届出の道が用意されています。
自社のブランドを前面に出して商品を流通させている企業のうち、以下の要件を全て満たす事業者。製造又は輸入の届出を行うことが可能。その場合、各種義務を履行する必要がある。
・国内に所在する事業者であること。
・製造を委託する関係にあること。(間接委託を含む。)
・製品の設計を自社の責任で行っていること。
自社工場を持たず設計と企画だけを担う事業者が、届出事業者になれる仕組みです。ただし届出をすれば各種義務も負います。
6. 重大製品事故は10日以内に報告します
PSCマークとは別の制度として、製品事故情報報告・公表制度があります。
消費生活用製品の製造または輸入の事業を行う者は、重大製品事故が生じたことを知ったときは、事故発生を知った日から10日以内に、製品の名称および型式、事故の内容、製造・輸入した数量および販売した数量を、所定の様式で内閣総理大臣(消費者庁長官)に報告しなければなりません。
報告を受けた内閣総理大臣(消費者庁長官)は、重大な危害の発生・拡大を防止するため必要と認めるときは、製品の名称・型式、事故の内容その他危険の回避に資する事項を公表するものとされています。
7. 特定製品と消費生活用製品の範囲
ガイドは消費生活用製品に含まれるもの、含まれないものを注記しています。
- ハンドメイド品やオーダーメイド品であっても、消費生活用製品に含まれ得る
- 建築物、構築物(遊園地のメリーゴーランド等)、鉄道車両、一次産品(原油、鉄鉱石等)は製品に含まれない
- 部品は、使用者が主として事業者であることが多いので、原則として消費生活用製品には含まれない
ハンドメイドでも対象になり得るという点は押さえておく必要があります。
8. 届出から表示までの流れ
| 手続 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 事業の届出 | 法第6条 | 事業開始日、製造(輸入)する特定製品の区分等を国に届出 |
| 技術基準への適合 | 法第3条第1項 | 主務省令で定める技術上の基準に適合させる |
| 使用年齢基準への適合 | 法第12条の2第1項 | 子供用特定製品のみ |
| 自主検査・検査記録の保存 | 法第11条第2項 | — |
| 適合性検査・適合性証明書の保存 | 法第12条第1項 | 特別特定製品のみ |
| 表示 | 法第13条第1項・第3項 | PSCマーク(子供PSCマークを含む)等 |
輸入事業者のうち外国にある者(特定輸入事業者)は、国内管理人を選任する必要があります。国内管理人には定期報告の義務もあります。
実務としてやること
- 扱う製品が特定製品13品目のいずれかに当たるかを確認する。当たらなければPSCマークの義務はありません。
- 3歳未満向けの玩具または乳幼児用ベッドを扱うなら、子供PSCマークの対象です。マークがないものは販売できません。
- 対象年齢を決めている場合、その根拠が合理的かを確認する。広告で使っている対象年齢と製品表示が一致しているかも確認する。
- 似た製品の対象年齢の下限を調べ、自社の設定がそれを上回っていないかを確認する。
- 使用上の注意等の表示(対象年齢、保護者が見守る旨など)が省令の文言に沿っているかを確認する。
- 設計を自社で行い製造を委託している事業者は、ブランド事業者として届出が可能です(乳幼児用玩具のみ)。
- 重大製品事故を知った場合、10日以内の報告義務があります。窓口と様式を事前に確認しておく。
- ハンドメイド品でも消費生活用製品に含まれ得ます。趣味の延長で販売している場合も確認が必要です。
よくある質問
3歳以上向けの玩具は対象外ですか
子供用特定製品として指定されているのは乳幼児用玩具(3歳未満向け玩具)です。ただし対象年齢の下限は使用年齢基準の4要件を満たす必要があり、機能・寸法その他の特徴から一般消費者が合理的に推測できる年齢の下限を上回る設定はできません。
古物(中古品)はどうなりますか
ガイドには「子供PSCマークが付されていない古物である子供用特定製品の販売を可」とする例外承認の手続(古物である子供用特定製品例外承認申請)が置かれています。詳細な要件は今回参照した範囲では確認していないため未確認です。
改正はいつ施行されましたか
今回参照したガイドは「令和7年12月版(令和6年法改正対応版)」と記載されています。子供用特定製品に関する規定の施行日そのものは、このガイドの表紙からは確認できなかったため未確認です。経済産業省の製品安全のページでご確認ください。
重大製品事故の報告先は経済産業省ですか
報告先は内閣総理大臣(消費者庁長官)です。PSCマークに関する届出・手続は経済産業省で、事故報告は消費者庁という分担になっています。
参照した一次情報
- 経済産業省 産業保安・安全グループ製品安全課「消費生活用製品安全法 法令業務実施ガイド」(令和7年12月版・令和6年法改正対応版) meti.go.jp(PDF)
2026年9月27日確認。4種類のマークと指定製品の一覧、特別特定製品4製品・子供用特定製品2製品、特別特定製品と子供用特定製品の定義(法第2条第4項、令第3条)、法第4条第2項による販売制限、使用年齢基準の4要件(法第12条の2第1項)、使用上の注意等の表示義務(法第12条の2第2項)、ブランド事業者の3要件、消費生活用製品の範囲に関する注記、届出から表示までの条文と手続、国内管理人の定期報告、古物の例外承認手続の存在はこの資料に基づきます。 - 経済産業省「消費生活用製品安全法」 meti.go.jp
2026年9月27日確認。重大製品事故を知った日から10日以内の報告義務、報告事項、内閣総理大臣(消費者庁長官)による公表、特別特定製品に登録検査機関の適合性検査が義務付けられていること、○囲みと◇囲みのPSCマークの使い分けはこのページに基づきます。
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この記事は公開されているガイドとウェブページの記述を整理したものです。個別の製品が特定製品・子供用特定製品に該当するかどうか、必要な手続の判断は経済産業省製品安全課または管轄の経済産業局製品安全室にご確認ください。


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