美容師が推薦する広告は使えません|医薬品等適正広告基準の14項目

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結論:美容師や理容師が推薦している、という広告は使えません

化粧品や医薬部外品の広告には、薬機法第66条から第68条に基づく「医薬品等適正広告基準」があります。平成29年9月29日に全面改正されたもので、14項目の基準が並んでいます。

そのなかで見落とされやすいのが第10項です。

医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所、薬局、その他医薬品等の効能効果等に関し、世人の認識に相当の影響を与える公務所、学校又は学会を含む団体が指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告を行ってはならない。

理容師と美容師が条文に明記されています。「美容師さんが選んでいます」「サロン推奨」という書き方は、この基準に触れます。

ただし例外があります。「公衆衛生の維持増進のため公務所又はこれに準ずるものが指定等をしている事実を広告することが必要な場合等特別の場合はこの限りでない」とされています。

1. 対象はSNSも含むすべての媒体です

第2項が範囲を定めています。

この基準は、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービス等のすべての媒体における広告を対象とする。

平成29年の改正で明記された部分です。自社サイトの商品説明も、SNSの投稿も対象です。

2. 広告を行う者の責務

第3項は2つの責務を置いています。

  • 使用者が適正に使用することができるよう、正確な情報の伝達に努めなければならない
  • 医薬品等の本質に鑑み、品位を損なう又は信用を傷つけるおそれのある広告は行ってはならない

3. 表現の範囲を定めている項目

項 内容
1 名称関係 承認等を受けた名称または一般的名称以外の名称を使わない。承認等を要しないものは、日本薬局方の名称・届出した一般的名称・届け出た販売名以外を使わない
2 製造方法関係 実際の製造方法と異なる表現、優秀性について事実に反する認識を得させるおそれのある表現をしない
3(1) 効能効果等 承認等を要するものは、承認等を受けた範囲を超えない(明示・暗示を問わず)
3(2) 効能効果等 承認等を要しないものは医学・薬学上認められている範囲を超えない。化粧品は「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日薬食発第0721第1号)に定める範囲を超えない
3(3) 成分等 成分・分量・本質等について、承認書等への記載の有無にかかわらず虚偽・不正確な表現を用いない
3(4) 用法用量 承認等を受けた範囲、または医学・薬学上認められている範囲を超えた表現・不正確な表現を用いない
3(5) 保証表現 具体的効能効果等または安全性を摘示して、それが確実である保証をするような表現をしない
3(6) 最大級表現 効能効果等または安全性について、最大級の表現またはこれに類する表現をしない
3(7) 発現程度 速効性、持続性等について医学・薬学上認められている範囲を超えない
3(8) 本来の効能効果等 本来の効能効果等とは認められないものを表現して、効能効果等を誤認させるおそれのある広告を行わない

化粧品については3(2)が入口です。言える効能の範囲は別の通知に定められています(当サイトの別記事で扱っています)。この基準は、その範囲内でもなお守るべきことを定めているものです。

4. 「必ず」「No.1」が引っかかる場所

3(5)の保証表現と3(6)の最大級表現が該当箇所です。

  • 「必ず○○になります」「絶対に安全です」→ 3(5)の保証表現
  • 「最高」「最強」「No.1」→ 3(6)の最大級表現またはこれに類する表現

3(6)は「これに類する表現」まで含みます。直接「No.1」と書かなくても、同等の印象を与える表現は対象になり得ます。

5. 他社を落とす書き方はできません

第9項です。

医薬品等の品質、効能効果、安全性その他について、他社の製品を誹謗するような広告を行ってはならない。

景品表示法の比較広告の考え方とは別に、薬機法側でも制限があります。化粧品の広告で他社製品を引き合いに出すときは、両方の基準を見る必要があります。

6. 懸賞・賞品についての3つの制限

号 内容
(1) 過剰な懸賞、賞品等射こう心を煽る方法による医薬品等または企業の広告を行わない
(2) 懸賞、賞品として医薬品を授与する旨の広告を行わない(家庭薬を見本に提供する程度は除く)
(3) 医薬品等の容器、被包等と引換えに医薬品を授与する旨の広告を行わない

7. 電子メールで広告を送るときの3要件

第12項は不快・迷惑・不安・恐怖を与えるおそれのある広告を制限していますが、電子メールについては具体的な方法を定めています。

  1. 医薬品販売業者の電子メールアドレス等の連絡先を表示すること
  2. 消費者の請求または承諾を得ずに一方的に送る場合、メールの件名欄に広告である旨を表示すること
  3. 今後の受け取りを希望しない場合の意思表示の方法を表示し、意思表示をした者には提供を行わないこと

特定電子メール法と重なる内容ですが、薬機法側の基準としても定められています。

8. その他の項目

項 内容
4 過量消費または乱用助長を促すおそれのある広告を行わない
5 医療用医薬品・再生医療等製品は、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告を行わない
6 医師等の診断・治療によらなければ治癒が期待できない疾患について、それによらず治癒できるかのような表現を一般人向け広告に使わない
7 習慣性医薬品として指定されたものを広告する場合、習慣性がある旨を付記・付言する
8 使用・取扱い上の注意を特に喚起する必要があるものは、その事項または注意に留意すべき旨を付記・付言する(看板等で商品名のみの場合を除く)
13 テレビ・ラジオの提供番組や映画演劇等で、出演者が特定の医薬品等の品質・効能効果等・安全性に言及または暗示する行為をしない。子ども向け番組の広告は特に注意する
14 医薬品について化粧品的・食品的用法を、医療機器について美容器具的・健康器具的用法を強調して安易な使用を助長する広告を行わない

実務としてやること

  1. 自社サイトとSNSの投稿を対象に含めて点検する。媒体を問わず基準の対象です。
  2. 「美容師が推薦」「サロン監修」「医師監修」といった表現を探す。第10項に触れる可能性があります。
  3. 「必ず」「絶対」といった保証表現、「最高」「No.1」といった最大級表現を探して書き換える。
  4. 効能について書いている箇所が、化粧品の効能の範囲に収まっているかを確認する。
  5. 他社製品への言及がある箇所を確認する。誹謗に当たらないかを見る。
  6. キャンペーンで景品を出しているなら、医薬品を賞品にしていないか、容器と引換えにしていないかを確認する。
  7. メールで広告を送っているなら、連絡先の表示、件名への広告表示、配信停止の方法の3点を確認する。
  8. 速効性や持続性について書いている箇所も、医学・薬学上認められている範囲かを確認する。

よくある質問

「美容師が使っています」も駄目ですか

第10項が禁じているのは、理容師・美容師等が「指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告」です。選用している旨の広告も挙げられています。個別の表現がこれに当たるかどうかの判断は、都道府県の薬務担当窓口にご確認ください。

お客様の声を載せるのは何項に関わりますか

この基準の条文には体験談を直接名指しした項目はありません。ただし3(5)の保証表現、3(1)・3(2)の効能効果等の範囲に関わります。なお医療広告については医療法に基づく別のガイドラインがあり、そちらでは体験談の扱いが定められています。

この基準に違反したらどうなりますか

基準は都道府県等を中心とした監視指導の根拠として使われています。薬機法第66条の虚偽・誇大広告そのものに当たる場合の法的な措置とは別に、この基準は監視指導の方針を示すものです。罰則については今回参照した通知に記載がなかったため未確認です。

旧基準はどうなりましたか

昭和55年10月9日付け薬発第1339号(改正 平成14年3月28日医薬発第0328009号)の旧通知は、平成29年9月29日の通知をもって廃止されました。

参照した一次情報

  • 厚生労働省医薬・生活衛生局長「医薬品等適正広告基準の改正について」(薬生発0929第4号、平成29年9月29日) mhlw.go.jp(PDF)
    2026年9月27日確認。第1(目的)から第4の14項目までの条文、第2のウェブサイト・SNSを含む媒体の範囲、第3の広告を行う者の責務、第10項の理容師・美容師を含む推せんの禁止とその例外、第9項の他社誹謗、第11項の懸賞3号、第12項の電子メール3要件、化粧品の効能効果が平成23年7月21日薬食発第0721第1号の範囲によること、旧通知の廃止はこの通知に基づきます。
  • 厚生労働省「医薬品等の広告規制について」 mhlw.go.jp
    2026年9月27日確認。医薬品等の広告規制に関する通知類が掲載されているページです。

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この記事は公開されている通知の記述を整理したものです。個別の広告表現が適正広告基準に適合するかどうかの判断は、各都道府県の薬務担当窓口にご確認ください。

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