化粧品が言えることは56項目だけ|「美白」も「育毛」も一覧にありません

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結論:化粧品が言えることは56項目に決まっています

厚生労働省の通知(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)で、化粧品の効能の範囲が改正されました。

1.別表第1に次の1項を加える。
56乾燥による小ジワを目立たなくする。

この改正で56項目になりました。逆に言えば、この56項目にないことは、化粧品の広告や説明で言えません。

成分表示の読み方は成分表示の記事、化粧品と医薬部外品の違いは医薬部外品の記事に書きました。この記事は「何と書いてよいか」の範囲です。

1. 髪について言えること(1〜16)

別表第1から、頭皮・毛髪に関する項目です。

  1. 頭皮、毛髪を清浄にする。
  2. 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
  3. 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
  4. 毛髪にはり、こしを与える。
  5. 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
  6. 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
  7. 毛髪をしなやかにする。
  8. クシどおりをよくする。
  9. 毛髪のつやを保つ。
  10. 毛髪につやを与える。
  11. フケ、カユミがとれる。
  12. フケ、カユミを抑える。
  13. 毛髪の水分、油分を補い保つ。
  14. 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
  15. 髪型を整え、保持する。
  16. 毛髪の帯電を防止する。

ここに「育毛」「発毛」「増毛」はありません。それらは医薬部外品の育毛剤が承認を受けている効能です。まつ毛美容液の問題もここから来ています(まつ毛美容液の記事)。

また、「髪が生まれ変わる」「傷んだ髪を修復する」といった表現も、この一覧にはありません。できるのは「水分、油分を補い保つ」「裂毛、切毛、枝毛を防ぐ」までです。

2. 肌について言えること(17〜32)

  1. (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
  2. (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
  3. 肌を整える。
  4. 肌のキメを整える。
  5. 皮膚をすこやかに保つ。
  6. 肌荒れを防ぐ。
  7. 肌をひきしめる。
  8. 皮膚にうるおいを与える。
  9. 皮膚の水分、油分を補い保つ。
  10. 皮膚の柔軟性を保つ。
  11. 皮膚を保護する。
  12. 皮膚の乾燥を防ぐ。
  13. 肌を柔らげる。
  14. 肌にはりを与える。
  15. 肌にツヤを与える。
  16. 肌を滑らかにする。

注目したいのは(18)です。「(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)」——カッコが2つ付いています。洗浄によること洗顔料であることが条件です。化粧水やクリームが「ニキビを防ぐ」とは言えない書き方になっています。

そして「肌荒れを防ぐ」はあっても「肌荒れを治す」はありません。治すのは医薬品の領域です。

3. その他の部位(33〜46)

番号効能
33・34ひげを剃りやすくする/ひげそり後の肌を整える
35あせもを防ぐ(打粉
36・37日やけを防ぐ日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ
38芳香を与える
39〜41爪を保護する/爪をすこやかに保つ/爪にうるおいを与える
42〜46口唇の荒れを防ぐ/口唇のキメを整える/口唇にうるおいを与える/口唇をすこやかにする/口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ

(36)(37)が重要です。「日やけを防ぐ」「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」——どちらも「防ぐ」です。「シミを消す」「シミを薄くする」は化粧品の効能の範囲にありません。

「美白」という語がこの一覧にない点も押さえておく価値があります。医薬部外品として承認を受けた製品と、化粧品とでは、言える範囲が違います。

4. 56番目が別枠である理由

追加された(56)「乾燥による小ジワを目立たなくする。」は、条件が付いた効能です。

  • 「乾燥による」小ジワに限られる
  • 「目立たなくする」であって、なくす・消すではない

この効能をうたうための取扱いについては、同日付の「化粧品の効能の範囲の改正に係る取扱いについて」(薬食審査発0721第1号/薬食監麻発0721第1号)が別に出されています。当サイトでは、その取扱い通知の内容を確認していません。表示にあたっては厚生労働省の通知をご確認ください。

5. 根拠はどこから来ているか

化粧品の効能の範囲については、昭和36年2月8日付け薬発第44号薬務局長通知「薬事法の施行について」の別表第1で定め、平成12年12月28日付け医薬発第1339号医薬安全局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」により改正したところであるが、今般、その効能の範囲について、下記のとおり改正し、別紙のとおりとした。

昭和36年から続く別表第1が、平成12年と平成23年に改正されて現在の形になっています。

6. 買う側から見た使い道

広告に書かれている言葉を、この一覧と照らすと判断できることがあります。

広告の表現56項目との関係
「毛髪にはり、こしを与える」(4)にあります
「まつ毛が育つ」「発毛を促す」一覧にありません
「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」(37)にあります
「シミを消す」一覧にありません
「乾燥による小ジワを目立たなくする」(56)にあります
「シワがなくなる」一覧にありません

範囲外の表現がある=直ちに違法、とは当サイトでは判断できません。医薬部外品として承認を受けている場合や、化粧品以外の区分の場合があるためです。ただし「化粧品なのに範囲外のことが書いてある」ときは、なぜそう書けるのかを確認する価値があります。

7. 売る側・書く側として

サロンで物販をしている方、チラシやSNSで商品を紹介している方は、この56項目が書いてよいことの上限になります。景品表示法の側からの制約はチラシの記事、広告に責任を負う人についてはステマ規制の記事にまとめました。

メーカーの表現をそのまま引用する場合でも、そこに自分の言葉を足すときに範囲を超えやすい点に注意が要ります。

ヘアケア製品を探している場合

以下は広告です。当サイトでは、これらの製品の効能や表示内容を検証していません。表示・仕様・価格は変更されることがあるため、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。優劣を示すものではなく、選択肢として並べています。

FAQ

化粧品の効能はいくつありますか。

平成23年7月21日の通知で(56)が追加され、別表第1は56項目になりました。

「美白」は化粧品の効能ですか。

別表第1に「美白」という語はありません。あるのは「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」(37)です。

「育毛」はうたえますか。

頭皮・毛髪に関する項目(1〜16)に「育毛」「発毛」はありません。

シワについては何と言えますか。

(56)「乾燥による小ジワを目立たなくする。」です。この効能をうたう場合の取扱いは別の通知で定められています。

範囲外のことが書いてある商品は違法ですか。

当サイトでは個別の商品について判断できません。製品の区分(化粧品か医薬部外品か)によって言える範囲が変わります。

参照した一次情報

  • 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)および別紙(別表第1) mhlw.go.jp(PDF)
    2026年9月18日確認。(56)「乾燥による小ジワを目立たなくする。」の追加、別表第1の各項目(頭皮・毛髪、皮膚、ひげそり、打粉、日やけ、芳香、爪、口唇)、昭和36年2月8日付け薬発第44号および平成12年12月28日付け医薬発第1339号という改正の経緯に関する引用はこの通知に基づきます。同日付の「化粧品の効能の範囲の改正に係る取扱いについて」の内容は当サイトでは確認していません。

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この記事は当サイト運営者が執筆しました。薬事の専門家による記事ではありません。上記の確認日以降に通知が改正されている可能性があります。表示・広告の適否については、都道府県の薬務担当課等へご確認ください。

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