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結論:5年で1,860件、そのうち約85%が火災になっています
製品評価技術基盤機構(NITE)の2025年6月26日のニュースリリースです。
2020年から2024年までの5年間にNITEに通知された製品事故情報では、「リチウムイオン電池搭載製品」の事故は1860件ありました。事故の約85%(1860件中1587件)が火災事故に発展し、事故発生件数は春から夏にかけて気温の上昇とともに増加する傾向にあり、6月〜8月にかけてピークを迎えます。
「事故」の大半が火災になっている、という点がこの数字の意味です。理由も書かれています。
リチウムイオン電池には可燃性の電解液が含まれているため、大きな火災事故につながるおそれがあります。
1. 事故は毎年増えています
リリースの図1に示された年別の件数です。
| 年 | 事故発生件数 |
|---|---|
| 2020年 | 293件 |
| 2021年 | 302件 |
| 2022年 | 358件 |
| 2023年 | 415件 |
| 2024年 | 492件 |
そして製品別の傾向です。
製品別では「モバイルバッテリー」の事故が最も多く、2024年は2022年比で2倍以上に増加しています。これは、2023年5月に新型コロナウィルス感染症が5類感染症になったことで行動範囲が広がったことや、防災用品としての需要が高まっていること等が要因にあると考えられます。
防災用品としての需要が理由に挙げられているのは、備えを考えている方にとって無視できない指摘です。停電への備えの記事で電源の話を書きましたが、備えた機器そのものが火元になりうるということです。
2. 対象になる製品の範囲
「リチウムイオン電池搭載製品」とは、リチウムイオン電池を動力源にして使用する製品すべてを指します。
リリースの図で挙げられている製品は次のとおりです。
- モバイルバッテリー
- スマートフォン
- ノートパソコン
- ポータブル電源
- 充電式掃除機
- 充電式電動工具
- 電動アシスト自転車
家の中を見渡すと、該当する機器はかなりの数になります。
3. なぜ発火するのか(構造)
リチウムイオン電池の内部は、正極板と負極板をセパレータで隔離している構造となっており、正極板と負極板の間でリチウムイオンと電子をやりとりすることで電気エネルギーを生み出しています。正極板と負極板が何らかの理由で電気的につながることを内部ショートと呼びます。
隔てている膜が破れると、内部でショートが起きます。外から見て無傷でも、内部では起きているという点が、この事故の厄介なところです。
なお、形状は円筒形・ラミネート形・角形の3種類があるとされています。
4. 火災事故を防ぐ3つのポイント——正しく購入する
・連絡先が確かなメーカーや販売店から購入する。
・リコール対象ではないことを確認して購入し、購入後も常に最新の情報をチェックする。
・安価な「非純正バッテリー」が抱えるリスクについて理解する。
2つ目の「購入後も常に」が抜けやすいところです。買った時点でリコールが出ていなくても、後から出ます。
1つ目の「連絡先が確かな」も具体的な基準です。販売ページに事業者の連絡先が書かれているかは、通信販売では表示すべき事項でもあります(通信販売の記事)。
5. 正しく使用する
・高温下に放置するなどして熱を与えない。
・強い衝撃を与えない。
事故が6〜8月にピークを迎えるという傾向と対応しています。夏の車内は典型的な「高温下」です。
「強い衝撃」は、落とした直後に問題がなくても後から出ることがあります。落とした電池は、そのまま使い続けないという判断が要ります。
6. 正しく対処する
・充電・使用時は時々様子を見て、異常を感じたらすぐに充電・使用を中止する。
・万が一発火した場合は大量の水で消火し、可能な限り水没させた状態で、119番通報する。
ここは覚えておく価値があります。「大量の水」で消火し、「水没させた状態」にするとされています。電気製品なので水をかけてよいのか迷うところですが、NITEはこう案内しています。
消火器の種類と使い分けは消火器の記事にまとめました。当サイトでは、個別の状況でどの消火方法が適切かを判断できません。
7. 「充電中は目を離さない」が前提になっています
3つ目のポイントは「充電・使用時は時々様子を見て」から始まります。裏を返せば、就寝中や外出中の充電は想定されていないということです。
火災警報器の設置場所は警報器の記事に書きました。充電する場所を警報器の効く範囲にしておくことも備えのひとつです。
8. 数字の読み方について
リリースには注記があります。
(※1)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故を含みます。
(※2)事故件数の中には、調査中の事故や原因は特定されていないがリチウムイオン電池に起因した可能性があると推定される事故も含みます。
1,860件すべてが原因確定済みというわけではありません。この数字は「通知された事故情報」の件数です。また、報告されていない事故は含まれていないため、実際の発生数を示すものでもありません。
9. 今日できること
- 家にあるリチウムイオン電池搭載製品を数えてみる
- 買ったメーカーのリコール情報を確認する
- 夏場、車内やベランダに置きっぱなしのものがないか見る
- 落としたことのあるバッテリーを使い続けていないか確認する
- 充電場所を可燃物の上・そばから移す
- 膨らみ・発熱・異臭があれば使用を中止する
処分の方法は自治体によって異なります。当サイトでは廃棄方法の一次情報を確認していません。お住まいの自治体の案内をご確認ください。機器を手放すときのデータ消去は機器廃棄の記事にまとめました。
電源の備えについて
以下は広告です。当サイトでは、この製品の安全性や事故の有無について検証していません。上記のNITEの注意点(購入先の確認、リコール情報、高温下に置かない、異常時の対処)は、製品を問わず当てはまります。仕様・価格は変更されることがあるため、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。優劣を示すものではなく、選択肢として並べています。
FAQ
どの季節に事故が多いのですか。
「春から夏にかけて気温の上昇とともに増加する傾向にあり、6月〜8月にかけてピークを迎えます」とされています。
発火したら水をかけてよいのですか。
NITEは「大量の水で消火し、可能な限り水没させた状態で、119番通報する」としています。
非純正のバッテリーは危険ですか。
「安価な『非純正バッテリー』が抱えるリスクについて理解する」とされています。当サイトでは個別製品の評価はしていません。
ポータブル電源も対象ですか。
事故件数の内訳にポータブル電源が挙げられています。
1,860件はすべて電池が原因ですか。
「調査中の事故や原因は特定されていないがリチウムイオン電池に起因した可能性があると推定される事故も含みます」と注記されています。
参照した一次情報
- 製品評価技術基盤機構(NITE)「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご用心 〜「リチウムイオン電池搭載製品」の火災事故を防ぐ3つのポイント〜」(2025年6月26日) nite.go.jp / 本文(PDF)
2026年9月17日確認。5年間で1,860件・約85%(1,587件)が火災、6〜8月のピーク、年別件数(2020年293件〜2024年492件)、モバイルバッテリーが最多で2024年は2022年比2倍以上、対象製品、可燃性の電解液、内部ショートとセパレータの構造、電池の3形状、火災事故を防ぐ3つのポイント、事故情報の範囲に関する注記の引用はこのリリースに基づきます。
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この記事は当サイト運営者が執筆しました。上記の確認日以降にNITEの記載が変わっている可能性があります。発火・発煙が起きている場合は、直ちに119番通報してください。



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