重篤なら1例で15日以内です|機能性表示食品の健康被害情報の提供義務

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結論:重篤なら1例で15日以内、複数なら15日以内に報告します

機能性表示食品の届出者には、健康被害と疑われる情報を行政に提供する義務が課されました。令和6年8月の改正です。以前はガイドライン(課長通知)に基づく報告で、具体的な期限もありませんでした。

変わった点は3つです。義務になったこと、因果関係が不明でも提供すること、期限が付いたことです。

1. なぜ変わったのか

資料は経緯を明記しています。

今回の事案においては、小林製薬株式会社(機能性表示食品の届出者)の内部で一定の結論を得てから報告を行ったため、消費者庁や大阪市への提供までに約2か月を要した。

そして考え方が続きます。

健康被害の拡大を防止するためには、行政が健康被害の発生を速やかに探知し、必要に応じて、流通を止めるための措置を迅速に講じることが重要と考えられる。

事業者が自分で判断を固めてから報告する運用では遅い、という整理です。だから因果関係が不明でも提供することになりました。

2. 誰に、何を、どこへ

項目 内容
義務を負う者 機能性表示食品の届出者、および特定保健用食品に係る許可を受けた者
対象となる情報 健康被害と疑われる情報(医師が診断したものに限る)
因果関係 当該食品との因果関係が不明であっても提供する
提供先 都道府県知事等(都道府県知事、保健所を設置する市の市長、特別区の区長)および消費者庁長官

提供先が2系統ある点に注意が必要です。都道府県等と消費者庁の両方です。

3. 提供の期限

場合 期限
概ね30日以内に同じ所見の症例が複数(2以上)発生した場合 15日以内
重篤事例は1例の場合であっても 15日以内

用語の定義も決められています。

  • 同じ所見の症例:情報提供票の「(事業者使用欄)」の「主な症状」が同一のもの
  • 短期間に複数発生:概ね30日以内の間に同じ所見の症例が複数(2以上)発生した場合

4. 重篤事例の線引き

重篤事例に当たるのは次の3つです。

  1. 死亡事例
  2. 入院治療を受けた場合であって医師が重篤と判断したもの
  3. 入院治療を受けていない場合であっても医師が重篤と判断した症例

逆に、扱わなくてよい場合も明記されています。

一方で、検査入院や経過観察による入院の場合のほか、入院治療を受けた場合であっても、医師が重篤ではないと判断した症例は重篤事例として扱う必要はない。

入院したかどうかではなく、医師が重篤と判断したかどうかが基準です。入院していなくても医師が重篤と判断すれば重篤事例になります。

5. 食品全般との違い

区分 義務の性質 根拠 期限
食品全般 情報提供の努力義務 食品衛生法施行規則別表第17の第9号ロ 具体的な期限の定めなし
機能性表示食品・特定保健用食品 情報提供の義務 同別表第17の第9号ハ(改正後) 15日以内(上記のとおり)
指定成分等含有食品 健康被害情報の届出義務 食品衛生法第8条 重篤1例は15日以内、非重篤1例は30日以内

食品全般に課されている努力義務(第9号ロ)はそのまま維持されたうえで、機能性表示食品等について第9号ハが新たに設けられました。

なお食品全般の努力義務も、重篤性にかかわらず健康被害(医師の診断を受けたものに限る)を把握した営業者に課されています。軽症の場合も含みます。

6. 食品表示基準に書き込まれました

情報提供は届出後の遵守事項として食品表示基準に明記され、機能性表示食品の要件とされました。つまり守らなければ機能性表示食品として売る前提が崩れます。

特定保健用食品については、許可後の取扱いとして関係通知に明記されています。

7. 報告した後も続きます

資料には継続についての記述があります。情報提供した後も同じ所見の症例が発生した場合の情報提供の継続については、都道府県等と相談する形になっています。1回出して終わりではありません。

提供された事例は厚生労働省に集約され、医学・疫学的に分析・評価された上で、定期的に結果が公表されます。

実務としてやること

  1. 機能性表示食品または特定保健用食品を扱っているなら、健康被害と疑われる情報を受け取る窓口を決める。
  2. 受け取った情報を記録する様式を用意する。「主な症状」を記録しないと、同じ所見かどうかを判断できない。
  3. 医師の診断があるかどうかを確認する。対象は医師が診断したものに限られる。
  4. 医師が重篤と判断したかを確認する。入院の有無ではなく医師の判断が基準。
  5. 15日以内に、都道府県等と消費者庁の両方へ提供する手順を書いておく。
  6. 因果関係の調査を待たない。不明でも提供する。
  7. 提供後も同じ症状の報告が続く場合の対応を、都道府県等と相談する。

よくある質問

消費者から直接届いた苦情も対象ですか

対象は健康被害と疑われる情報のうち医師が診断したものです。医師の診断がない申し出そのものは対象外ですが、資料は「健康被害情報の収集」もポイントとして挙げています。収集した情報の中から対象を見分ける必要があります。

検査入院も重篤事例ですか

いいえ。検査入院や経過観察による入院は重篤事例として扱う必要はないと明記されています。

いわゆる健康食品はどうなりますか

食品全般の努力義務(別表第17の第9号ロ)の対象です。加えて「いわゆる『健康食品』・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領について」(令和6年3月13日)に基づいた対応が行われます。

栄養機能食品も義務の対象ですか

今回の改正で義務の対象とされたのは機能性表示食品と特定保健用食品です。栄養機能食品については食品全般の努力義務の枠組みに入ります。

参照した一次情報

  • 消費者庁食品表示課・厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課「機能性表示食品等に係る健康被害の情報提供の義務化について」(令和6年8月) caa.go.jp(PDF)
    2026年9月28日確認。改正の背景(約2か月を要した経緯)、義務を負う者・対象情報・因果関係不明でも提供すること・提供先、15日以内という期限と「同じ所見の症例」「短期間に複数発生」の定義、重篤事例の3類型と検査入院等の除外、食品全般の努力義務(別表第17の第9号ロ)と機能性表示食品等の義務(第9号ハ)・指定成分等含有食品の届出義務の比較、食品表示基準への明記と機能性表示食品の要件とすること、厚生労働省への集約と定期的な公表はこの資料に基づきます。
  • 消費者庁「機能性表示食品について」 caa.go.jp
    2026年9月28日確認。機能性表示食品制度に関する資料が掲載されているページです。

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この記事は公開されている資料の記述を整理したものです。個別の事例の報告義務の判断は消費者庁または都道府県の担当窓口にご確認ください。体調に不安がある場合は医師にご相談ください。

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