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結論:「食塩控えめ」は100gあたりナトリウム120mg以下、「食塩ゼロ」は5mg未満です
「カロリーオフ」「糖質ゼロ」「鉄分たっぷり」——こうした表示は栄養強調表示といい、食品表示基準で数値の基準が決まっています。雰囲気で書けるものではありません。
栄養強調表示は大きく2種類に分かれます。
| 種類 | 3つの型 | 表現例 |
|---|---|---|
| 栄養成分の補給ができる旨 | 高い旨/含む旨/強化された旨 | 高○○、○○豊富/○○源、○○供給、○○含有/○○30%アップ、○○2倍 |
| 栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨 | 含まない旨/低い旨/低減された旨 | 無○○、○○ゼロ、ノン○○/低○○、○○控えめ、○○ライト/○○30%カット、○○10gオフ、○○ハーフ |
1. 「減らす側」の基準値(別表第13)
カロリー、脂質、糖類、塩分など「少ないほうがうれしい」成分の基準です。食品100gあたり、括弧内は一般に飲用に供する液状の食品100mLあたりの数値です。
| 成分・熱量 | 含まない旨(未満) | 低い旨(以下) | 低減された旨(以上の差) |
|---|---|---|---|
| 熱量 | 5kcal(5kcal) | 40kcal(20kcal) | 40kcal(20kcal) |
| 脂質 | 0.5g(0.5g) | 3g(1.5g) | 3g(1.5g) |
| 飽和脂肪酸 | 0.1g(0.1g) | 1.5g(0.75g)※ | 1.5g(0.75g) |
| コレステロール | 5mg(5mg)※ | 20mg(10mg)※ | 20mg(10mg)※ |
| 糖類 | 0.5g(0.5g) | 5g(2.5g) | 5g(2.5g) |
| ナトリウム | 5mg(5mg) | 120mg(120mg) | 120mg(120mg) |
ナトリウム120mgは、食塩相当量に換算するとおおよそ0.3gです。「食塩控えめ」と書けるのは、100gあたり食塩相当量でおおむね0.3g以下、ということになります。
2. 「増やす側」の基準値(別表第12)の主なもの
たんぱく質、食物繊維、ミネラル、ビタミンなど「多いほうがうれしい」成分の基準です。ここでは代表的なものだけ挙げます。
| 成分 | 高い旨(100gあたり) | 含む旨(100gあたり) | 高い旨(100kcalあたり) |
|---|---|---|---|
| たんぱく質 | 17.0g(8.5g) | 8.5g(4.3g) | 8.5g |
| 食物繊維 | 6g(3g) | 3g(1.5g) | 3g |
| カルシウム | 210mg(105mg) | 105mg(53mg) | 70mg |
| 鉄 | 1.95mg(0.98mg) | 0.98mg(0.49mg) | 0.65mg |
| ビタミンC | 30mg(15mg) | 15mg(7.5mg) | 10mg |
| 葉酸 | 72μg(36μg) | 36μg(18μg) | 24μg |
3. 「25%」という数字が2か所に出てきます
「○○30%カット」「鉄分2倍」のような、他の食品と比べる表示(低減された旨・強化された旨)には、絶対差だけでなく相対差の条件がかかります。
| 表示 | 絶対差 | 相対差 |
|---|---|---|
| 低減された旨(○○カット等) | 別表第13の第4欄の基準値以上 | 25%以上。ただし、みそは15%、しょうゆは20% |
| 強化された旨(○○アップ等) | 別表第12の第4欄の基準値以上 | たんぱく質と食物繊維のみ25%以上 |
みそ・しょうゆの例外は、塩分を25%減らすと保存性や品質を保つのが難しくなるためです。食品表示基準には、ナトリウムの含有量を25%以上低減すると保存性および品質を保つことが著しく困難な食品について、ナトリウムに係る低減された旨の表示をする場合を除く、という規定があります。
そして、比較する表示をするときは、次の2つを併せて表示しなければなりません。
- 比較対象となった他の同種の食品を特定するために必要な事項
- 低減(強化)された量または割合
「30%カット」とだけ書いて、何と比べたのかを書かないのは、この規定に反します。
4. 「糖類無添加」は、別の条件です
「糖類無添加」「食塩無添加」は、上の含まない旨とは別の枠で規定されています。糖類を添加していない旨の表示ができるのは、次の要件をすべて満たす場合です。
- いかなる糖類も添加されていないこと
- 糖類(添加されたものに限る)に代わる原材料または添加物を使用していないこと
- 酵素分解その他何らかの方法により、当該食品の糖類含有量が原材料および添加物に含まれていた量を超えていないこと
- 100gもしくは100mLまたは1食分、1包装その他の一単位あたりの糖類の含有量を表示していること
ナトリウム塩を添加していない旨も同様に、いかなるナトリウム塩も添加されていないこと、代わりの原材料・添加物を使用していないことが条件です(食塩以外のナトリウム塩を技術的目的で添加する場合で、ナトリウム量が低い旨の基準値以下のときは除く)。
「糖類無添加」=「糖類ゼロ」ではありません。もともと原材料に含まれている糖類は残ります。だから含有量の表示が条件になっています。
5. 強調するなら、推定値は使えません
ここは事業者側の話ですが、買う側にとっても表示の信頼度に関わります。
栄養成分表示の値は、分析によるほか、データベース等を使った計算で求めることもできます。ただし栄養強調表示をする場合、強調された栄養成分等の値は食品表示基準別表第9第3欄に掲げる方法によって得ることとされており、合理的な推定により得られた値では表示できません。
加工食品については、強調する熱量および栄養成分だけでなくすべての成分について、合理的な推定により得られた値による表示はできません。生鮮食品の場合は、強調しない栄養成分については推定値で表示できます。
6. 数字を見るときの落とし穴
基準値は「100gあたり」または「100mLあたり」または「100kcalあたり」で決まっています。一方、パッケージに書かれている栄養成分表示の単位は、100gあたりのこともあれば、1袋あたり、1枚あたり、1本あたりのこともあります。
消費者庁のリーフレットも、この点を「単位も必ずチェック」として強調しています。例として挙げられているのは次のような読み替えです。
- 1袋10枚入りで「1枚あたり」の表示なら、1袋食べたときは10倍
- 500mLペットボトルで「100mLあたり」の表示なら、1本飲むと5倍
「鉄分たっぷり」と書かれていても、基準を満たしているのは100gあたりであって、実際に食べる1回分の量で足りているとは限りません。
実務としてやること
買う側
- 強調表示を見たら、まず裏面の栄養成分表示の単位を確認する
- 「○○カット」「○○オフ」を見たら、何と比べたのかが書かれているかを見る
- 「糖類無添加」は「糖類ゼロ」ではない。糖類の含有量の数字を見る
食品を扱う事業者側
- 強調表示をするなら、別表第12・第13の基準値を満たしているか確認する
- 比較する表示をするなら、比較対象の特定に必要な事項と、差の量または割合を併記する
- 強調する成分の値は、別表第9第3欄の方法で得た値にする。推定値は使えない
- 加工食品で強調表示をする場合、強調しない成分も推定値では表示できない
FAQ
「カロリーゼロ」なのにカロリーがあるのはなぜですか
熱量の「含まない旨」の基準値は100gあたり5kcal未満(液状の食品は100mLあたり5kcal未満)です。基準を下回っていればゼロと表示でき、完全に0kcalであることまでは求められていません。
「微糖」はどの基準ですか
糖類の「低い旨」の基準は100gあたり5g以下(液状の食品は100mLあたり2.5g以下)です。ただし「微糖」という表現が食品表示基準上どの区分に当たるかは、表示の全体から判断されます。本記事では個別の表現ごとの分類は確認していません。
「食塩不使用」と「減塩」は同じですか
違います。「食塩不使用」はナトリウム塩を添加していない旨の表示で、添加していないことが条件です。「減塩」は低減された旨の表示で、他の同種の食品と比べて基準値以上かつ25%以上低減されていることが条件になります(みそは15%、しょうゆは20%)。
サプリメントにも同じ基準が当てはまりますか
食品表示基準は容器包装に入れられた加工食品等を対象としており、いわゆる健康食品も食品として同じ枠組みに入ります。ただし機能性表示食品や特定保健用食品には別の制度が重なります。本記事ではそれらの制度の内容は扱っていません。
100kcalあたりの基準はどう使うのですか
栄養成分の補給ができる旨(高い旨・含む旨)については、100gあたりと100kcalあたりのいずれかを満たせば表示できます。低カロリーの食品では100gあたりの基準を満たしにくいため、エネルギーあたりで見る道が用意されている、という構造です。
参照した一次情報
- 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第7条、別表第12、別表第13 e-gov.go.jp
2026年9月21日確認。含まない旨・低い旨・低減された旨、高い旨・含む旨・強化された旨の各基準値、相対差25%(みそ15%・しょうゆ20%)、比較対象の特定に必要な事項と差の量または割合の表示義務、糖類を添加していない旨・ナトリウム塩を添加していない旨の要件に関する記述はこの条文に基づきます。 - 消費者庁「食品の栄養成分表示制度の概要」 caa.go.jp(PDF)
2026年9月21日確認。栄養強調表示の2区分と表現例、該当する栄養成分、強調表示をする場合に推定値が使えない旨、加工食品と生鮮食品の扱いの違い、省略規定に関する記述はこの資料に基づきます。 - 消費者庁「食品のパッケージにある栄養成分の表示を活用しよう!~知っていますか?栄養強調表示~」 caa.go.jp(PDF)
2026年9月21日確認。表示の単位を確認することの重要性(1枚あたり・100mLあたりの読み替え)に関する記述はこの資料に基づきます。
いずれも2026年9月21日に確認しました。基準値は改正されることがあるため、実務で使う際は食品表示基準の最新版をご確認ください。
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この記事は、公表されている一次情報をもとに整理したものです。個別の食品の表示の適否については、消費者庁または保健所にご確認ください。


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