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結論:平日6時間未満の人が休日に寝だめしても、寿命短縮リスクは下がりません
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の記載です。
40〜64歳の成人を対象とした近年の調査では、平日6時間以上寝ている人に限り、休日の1時間程度の寝だめは寿命短縮リスクを低下させることが示されていますが、平日6時間未満の睡眠時間の人は、休日の寝だめをしても寿命短縮リスクが有意に高まります。ただし、平日6時間以上寝ていても、休日に2時間以上の寝だめ習慣がある人は、寿命短縮リスクが軽減されないことが報告されています。
整理するとこうなります。
| 平日の睡眠 | 休日の寝だめ | ガイドの記載 |
|---|---|---|
| 6時間以上 | 1時間程度 | 寿命短縮リスクを低下させる |
| 6時間以上 | 2時間以上 | 寿命短縮リスクが軽減されない |
| 6時間未満 | 寝だめ | 寿命短縮リスクが有意に高まる |
平日を削って休日に取り返す、という戦略は成り立ちません。経営者や店長のように、繁忙期に睡眠を削りがちな立場の方ほど、ここは知っておく価値があります。
1. 成人への推奨事項
ガイドが成人に示している推奨事項です。
・6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する。
・食生活や運動等の生活習慣や寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める。
・睡眠の不調・睡眠休養感の低下がある場合は、生活習慣等の改善を図ることが重要であるが、病気が潜んでいる可能性にも留意する。
「6時間以上を目安」が定量的な基準です。ただしガイドは「必要な睡眠時間には個人差がある」とも明記しています。
2. 「寝だめ」は時差ボケです
平日の睡眠不足(睡眠負債)を、休日に取り戻そうと長い睡眠時間を確保する「寝だめ」の習慣がある人は少なくありませんが、このような習慣で、実際には眠りを「ためる」ことはできません。
国際的には週末の眠りの取り戻し(Weekend catch-up sleep)と呼ばれ、毎週末(休日)に時差地域への旅行を繰り返すことに類似していることから、社会的時差ボケ(Social Jetlag)とも呼ばれます。
そのリスクも示されています。
社会的時差ボケは、慢性的な睡眠不足による健康への悪影響と、頻回に体内時計のずれが生じることによる健康への悪影響の両側面を有しており、肥満や糖尿病などの生活習慣病の発症リスク、脳血管障害や心血管系疾患の発症リスク、うつ病の発症リスクとなることが報告されています。
そして、寝だめが必要だと感じること自体が信号だとされています。
休日に長時間の睡眠が必要な場合は、平日の睡眠時間が不足しているサインであり、平日に十分な睡眠時間を確保できるよう、睡眠習慣を見直す必要があります。
3. 時間と同じくらい「睡眠休養感」が効きます
ガイドが繰り返し使う言葉が睡眠休養感(睡眠で休養がとれている感覚)です。
米国の調査では、40〜64歳の成人(働く人)で睡眠時間が短い場合、死亡リスクが増加しますが、睡眠休養感が確保されている場合には死亡リスクが増加せず、さらに睡眠時間が長く、睡眠休養感が確保されている場合、より死亡リスクは小さくなります。
逆に、休養感が低い場合のリスクも列挙されています。
- 日本での追跡調査で、睡眠休養感の高さが心筋梗塞、狭心症、心不全といった心血管疾患の発症率低下と関連し、若年成人と女性でこの関連が顕著
- 睡眠休養感の低下は肥満や糖尿病、脂質異常症を含めた代謝機能障害と関連(日本の追跡調査)
- 米国の追跡調査で高血圧発症との関連
- 米国の縦断調査で、寝つきの悪さや中途覚醒とは独立して、うつ病発症と関連
当サイトはこれらの研究を検証していません。厚生労働省のガイドに記載されている内容を引用しています。
現状
近年の国民健康・栄養調査によると、睡眠で休養がとれている人の割合は年代ごとに差はありますが、おおよそ8割程度で、特に20歳以上の成人で7割程度と低く、年々減少傾向にあります。
4. 休養感を下げる要因
ガイドが挙げているものです。
- 睡眠不足
- 仕事などによる日中のストレス
- 就寝直前の夕食や夜食、朝食抜きなどの食習慣の乱れ
- 運動不足、歩行速度の遅さなどの運動習慣の不良
- 糖尿病、高血圧、がん、うつ病などの慢性疾患を有すること
そのうえで、こう書かれています。
他にも、寝る前のリラクゼーションや寝室の快適さ、嗜好品のとり方などの睡眠環境や生活習慣も睡眠休養感に影響する要素です。
5. 労働時間との関係
労働者が適正な睡眠時間を確保する上で重要なのは、労働時間との関係です。勤務時間が長くなるほど、睡眠時間は短くなる傾向があるため、疲労が蓄積します。(中略)米国民を対象とした1日の生活時間の大規模調査では、睡眠時間の短縮と最も強く関連していたのは勤務時間の長さで、次いで通勤時間を含む移動時間の長さでした。
サロン経営で言えば、営業時間と通勤が先に来るということです。寝具や環境の前に、ここが効きます。
6. 受診を考える目安
睡眠の不調(入眠困難や中途覚醒等)や睡眠休養感の低下が長く続く場合、背後に睡眠障害が潜んでいることがあります。(中略)閉塞性睡眠時無呼吸や周期性四肢運動障害は、日中の眠気・居眠りや睡眠休養感の低下以外の自覚症状に乏しいこともあります。これらの疾患はいずれも50歳代以降有病率が増加するため、注意が必要です。
また、更年期についても記載があります。
労働世代の後半には更年期を迎えるため、様々な不調が生じやすくなります。更年期女性の4〜6割が睡眠の悩みを抱えており、仕事にも影響することが報告されています。
当サイトでは診断も治療の案内もできません。不調が続く場合は医療機関にご相談ください。
7. 順番
- 平日の睡眠時間を6時間以上に近づける(ここが最優先)
- そのために勤務時間と移動時間を見る
- 就寝直前の食事、朝食抜きを見直す
- 寝室の環境を見直す
- 休日の寝だめは1時間程度までにとどめる
- 不調が長く続く場合は受診を検討する
寝具を見直す場合
以下は広告です。当サイトでは寝心地や体への影響を検証していません。広告内に腰痛や肩こりに関する表現がありますが、それは広告主による記述で、当サイトが確認したものではありません。価格・返品や保証の条件は変更されることがあるため、必ず公式サイトでご確認ください。
寝具は上の1〜4のうち「寝室の環境」に当たる部分です。睡眠時間そのものが6時間を切っている場合、まずそちらが先だとガイドは示しています。
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FAQ
6時間寝ればよいのですか。
ガイドの推奨は「6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」です。同時に「必要な睡眠時間には個人差がある」とも記載されています。
休日に長く寝てしまいます。
ガイドは「休日に長時間の睡眠が必要な場合は、平日の睡眠時間が不足しているサイン」としています。
短時間でも平気なタイプです。
ガイドは睡眠休養感という指標を挙げ、睡眠時間が短くても睡眠休養感が確保されている場合には死亡リスクが増加せずという調査に触れています。ただし推奨は6時間以上です。当サイトでは個人の適否を判断できません。
いびきを指摘されました。
ガイドは閉塞性睡眠時無呼吸について「日中の眠気・居眠りや睡眠休養感の低下以外の自覚症状に乏しいこともあります」「50歳代以降有病率が増加する」としています。医療機関にご相談ください。
このガイドは誰向けですか。
厚生労働省は対象者として「生活指導の実施者(保健師、管理栄養士、医師等)、政策立案者、職場管理者」等を挙げています。一般向けには「Good Sleepガイド」も公開されています。
参照した一次情報
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年9月18日一部修正) mhlw.go.jp(PDF)
2026年9月15日確認。成人版の推奨事項、寝だめと社会的時差ボケ、平日の睡眠時間別の寿命短縮リスク、睡眠休養感と各疾患の関連、睡眠休養感を低下させる要因、労働時間との関係、睡眠障害と更年期に関する引用はこのPDFに基づきます。 - 厚生労働省「睡眠対策」 mhlw.go.jp
2026年9月15日確認。ガイドの位置づけと対象者、関連資料の所在に関する参照。
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この記事は当サイト運営者が執筆しました。医師による記事ではありません。上記の確認日以降に厚生労働省の記載が変わっている可能性があります。睡眠の不調が続く場合は医療機関にご相談ください。


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