食塩は男性7.5g・女性6.5g未満|重症化予防は男女とも6.0g未満

ヘルス関連

この記事には広告はありません。当サイトの他の記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれています。

結論:食塩の目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満。高血圧やCKDの重症化予防では6.0g未満です

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」は、厚生労働省が策定する栄養の基準です。ナトリウム(食塩相当量)の目標量は次のとおりです。

年齢 男性 女性
1〜2歳 3.0g未満 2.5g未満
3〜5歳 3.5g未満 3.5g未満
6〜7歳 4.5g未満 4.5g未満
8〜9歳 5.0g未満 5.0g未満
10〜11歳 6.0g未満 6.0g未満
12〜14歳 7.0g未満 6.5g未満
15〜17歳 7.5g未満 6.5g未満
18歳以上(すべての年齢区分) 7.5g未満 6.5g未満
妊婦・授乳婦 — 6.5g未満
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」ナトリウムの食事摂取基準より(食塩相当量 g/日)。18〜29歳から75歳以上まで、成人はすべて同じ値です。

そして、注記に重要な数字があります。

高血圧及び慢性腎臓病(CKD)の重症化予防のための食塩相当量の量は、男女とも6.0 g/日未満とした。

発症予防の目標量(7.5/6.5)と、重症化予防の量(6.0)は別の数字です。すでに高血圧やCKDと言われている人は、6.0g未満のほうを見ることになります。

なお、ナトリウムの推定平均必要量は、18歳以上で男女とも600mg(食塩相当量1.5g)とされています。

1. 5つの指標の意味

食事摂取基準には5つの指標があります。混同しやすいので整理します。

指標 意味
推定平均必要量(EAR) —
推奨量(RDA) —
目安量(AI) 特定の集団における、ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量
耐容上限量(UL) 健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限
目標量(DG) 生活習慣病の発症予防を目的として、その疾患のリスクや代理指標となる生体指標の値が低くなると考えられる栄養状態が達成できる量として算定し、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量として設定
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書より

目標量の「DG」は tentative dietary goal for preventing life-style related diseases の略で、資料はわざわざ tentative の意味を注記しています。「試みの、仮の」(新英和大辞典第六版)。

その理由も書かれています。

諸外国の食事摂取基準や疾病予防ガイドライン、現在の日本人の摂取量・食品構成・嗜好などを考慮し、実行可能性を重視して設定することとした。

理想値ではなく、実行可能性を重視した当面の目標です。

2. 目標量の出し方には3パターンあります

状況 算定の仕方 例
望ましいと考えられる摂取量よりも現在の日本人の摂取量が少ない 範囲の下の値のみを算定 食物繊維、カリウム
望ましいと考えられる摂取量よりも現在の日本人の摂取量が多い 範囲の上の値のみを算定 飽和脂肪酸、ナトリウム(食塩相当量)
複合的な指標 構成比率を算定 エネルギー産生栄養素バランス(たんぱく質、脂質、炭水化物が総エネルギー摂取量に占めるべき割合)

ナトリウムが「○g未満」という形になっているのは、日本人が摂りすぎているからです。食物繊維やカリウムが「○g以上」なのは、足りていないからです。

3. 重症化予防・フレイル予防は「区別して提示」

資料は明記しています。

生活習慣病の重症化予防及びフレイル予防を目的とした量を設定できる場合は、発症予防を目的とした量(目標量)とは区別して提示。

食塩の6.0g未満が注記に置かれているのは、この整理によるものです。目標量の表だけを見ると見落とします。

4. 目標量にはエビデンスレベルが付いています

2025年版では、目標量に限ってエビデンスレベルが付されています。

レベル 根拠 栄養素
D1 介入研究又はコホート研究のメタ・アナリシス、並びにその他の介入研究又はコホート研究に基づく 飽和脂肪酸、食物繊維、ナトリウム(食塩相当量)、カリウム
D2 複数の介入研究又はコホート研究に基づく たんぱく質
D3 日本人の摂取量等分布に関する観察研究(記述疫学研究)に基づく 脂質
D4 他の国・団体の食事摂取基準又はそれに類似する基準に基づく —
D5 その他 炭水化物
同報告書より。複数該当する場合は上位のレベルとされます。

ただし、資料には留保が付いています。

目標量は食事摂取基準として十分な科学的根拠がある栄養素について策定するものであり、エビデンスレベルはあくまでも参考情報である点に留意すべきである。

なお、炭水化物の目標量は、総エネルギー摂取量(100%エネルギー)のうち、たんぱく質及び脂質が占めるべき割合を差し引いた値だと注記されています。

5. 2025年版で加わったもの

報告書の基本構成のうち、2020年版からの変更点として下線が引かれている項目があります。総論では「策定の留意事項」、対象特性では「妊婦・授乳婦」「乳児・小児」「高齢者」、そして疾患との関連として次の5つが挙げられています。

  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 糖尿病
  • 慢性腎臓病(CKD)
  • 骨粗鬆症

対象となる栄養素は34種類(脂溶性ビタミン4、水溶性ビタミン9、多量ミネラル5、微量ミネラル8など)に、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、エネルギー産生栄養素バランス、参考として水が加わる構成です。

6. 参照体位

基準を作るときに想定している体格も公表されています。18歳以上の成人(男女計)で、参照身長161.0cm、参照体重58.6kgです。

年齢 男性 身長/体重 女性 身長/体重
18〜29歳 172.0cm/63.0kg 158.0cm/51.0kg
30〜49歳 171.8cm/70.0kg 158.5cm/53.3kg
50〜64歳 169.7cm/69.1kg 156.4cm/54.0kg
65〜74歳 165.3cm/64.4kg 152.2cm/52.6kg
75歳以上 162.0cm/61.0kg 148.3cm/49.3kg
同報告書 参照体位より。18歳以上は平成30・令和元年国民健康・栄養調査における中央値。

自分の体格がこれと大きく違う場合、基準値をそのまま当てはめてよいかは別の判断になります。

実務としてやること

  • 成人の食塩は男性7.5g未満/女性6.5g未満を目安にする
  • 高血圧やCKDと言われているなら、男女とも6.0g未満のほうを見る
  • 加工食品の栄養成分表示で「食塩相当量」を見る習慣をつける
  • 「○g未満」は摂りすぎている栄養素、「○g以上」は足りていない栄養素、と読み分ける
  • 目標量は理想値ではなく実行可能性を踏まえた当面の目標であることを踏まえる
  • 具体的な食事の組み立ては、管理栄養士や医療機関に相談する

FAQ

2020年版から食塩の数字は変わりましたか

本記事は2025年版の数値を示しています。2020年版との比較については、本記事では確認していません。

高齢者も同じ基準ですか

ナトリウムの目標量は、18〜29歳から75歳以上まで、成人はすべて同じ値(男性7.5g未満、女性6.5g未満)です。ただし報告書には「対象特性」として高齢者の章が設けられています。

フレイル予防の量はどこに書かれていますか

資料は「生活習慣病の重症化予防及びフレイル予防を目的とした量を設定できる場合は、発症予防を目的とした量(目標量)とは区別して提示」としています。栄養素ごとの具体的な値については、報告書の各論をご確認ください。

耐容上限量を超えるとどうなりますか

耐容上限量は「健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限」と定義されています。超えた場合の影響については本記事では扱っていません。

どこで見られますか

厚生労働省が「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の報告書とスライド集を公開しています。研修会の資料と動画も公開されています。

参照した一次情報

  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」 mhlw.go.jp(PDF)
    2026年9月22日確認。ナトリウム(食塩相当量)の目標量と推定平均必要量、高血圧およびCKDの重症化予防のための量(男女とも6.0g/日未満)、5つの指標の定義、目標量の算定パターン、重症化予防・フレイル予防を区別して提示する旨、目標量のエビデンスレベル、報告書の基本構成と2020年版からの変更点、参照体位に関する記述はこの資料に基づきます。
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」 mhlw.go.jp
    2026年9月22日確認。報告書、スライド集、研修会資料の掲載場所はこのページに基づきます。

いずれも2026年9月22日に確認しました。本記事の数値はスライド集に掲載されているものです。実際の食事の組み立てについては、管理栄養士や医療機関にご相談ください。

関連記事

この記事は、公表されている一次情報をもとに整理したものです。治療中の方の食事については、必ず主治医または管理栄養士にご相談ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました