肺・大腸は年1回、胃・子宮頸・乳は2年に1回|がん検診の対象年齢と間隔

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結論:肺・大腸は年1回、胃・子宮頸・乳は2年に1回。対象年齢より若いうちは推奨されていません

市区町村が健康増進法に基づいて実施するがん検診は、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」で対象年齢と受診間隔が定められています(令和7年12月24日一部改正)。

検診 対象者 受診間隔
胃がん検診 50歳以上(胃部エックス線検査は当分の間、40歳以上でも差し支えない) 2年に1回(胃部エックス線検査は当分の間、年1回でも可)
子宮頸がん検診(細胞診) 20歳以上の女性 2年に1回
子宮頸がん検診(HPV検査単独法) 30歳以上の女性 5年に1回
肺がん検診 40歳以上 年1回
乳がん検診 40歳以上の女性 2年に1回
大腸がん検診 40歳以上 年1回
総合がん検診 40歳および50歳の者
厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(令和7年12月24日一部改正)第3より

1. 「特に推奨する年齢」という区切りもあります

対象年齢とは別に、受診を特に推奨する年齢が定められています。

検診 受診を特に推奨する者
胃がん検診 50歳以上69歳以下
子宮頸がん検診(細胞診) 20歳以上69歳以下
子宮頸がん検診(HPV検査単独法) 30歳以上60歳以下(61歳以上の追跡検査対象者を含む)
肺がん検診・大腸がん検診 40歳以上69歳以下
乳がん検診 40歳以上69歳以下

ただし指針には注記があります。対象者のうち、受診を特に推奨する者に該当しない者であっても、受診の機会を提供するよう留意すること。70歳以上でも受けられないわけではありません。

2. 若いうちに受けないのは「効果が確認されていない」から

厚生労働省の説明は明快です。

表1にある対象年齢より若い年代ではがんにかかる方が少なく、がん検診の有効性も確認されていないため、対象年齢に達してからがん検診を受診することを推奨します。

「早いほどよい」ではありません。がんで亡くなることを防ぐためにはがん死亡を減らす効果が確実で、かつ、利益が不利益を上回る検診を受けることが大切だ、という整理です。

なお、乳がんについては補足があります。30歳代の女性はこの指針の乳がん検診の対象にはなりませんが、罹患率が上昇傾向にあることを踏まえ、ブレスト・アウェアネス(乳房を意識する生活習慣)の重要性と、異常がある場合の専門医療機関への早期受診に関する指導を行うこととされています。

3. 検診には不利益もあります

指針は、対象者に対してがん検診の利益と不利益の両方を説明することを求めています。

区分 内容
利益の例 検診受診後のがんの早期発見・早期治療による死亡率減少効果/早期に発見できるために侵襲の軽度な治療で済むこと/「異常なし」と判定された場合に安心感を得られること
不利益の例 偽陰性、偽陽性(判定結果を受けて不安を生じることや、結果として不必要な精密検査を受ける場合があること)、過剰診断、偶発症等

用語の定義も指針に書かれています。

  • 偽陰性:がんがあるにもかかわらず、検診でがんの疑いがあると判定されないこと
  • 偽陽性:がんがないにもかかわらず、がんがあるかもしれないと診断されること
  • 過剰診断:がん検診で発見されるがんの中には、本来そのがんが進展して死亡に至るという経路を取らない、生命予後に関係のないものが発見される場合があること

ただし、不利益の説明をするときは、指針に定めるがん検診の受診率低下を招かないよう、伝え方に留意が必要であるとも書かれています。

4. 「要精密検査」=がん、ではありません

ここは数字で押さえておくと安心できます。厚生労働省が令和6年度「地域保健・健康増進事業報告」の結果として挙げている、要精密検査と判定された人のうち実際にがんが見つかる割合です。

検診 がんが見つかる割合 おおよそ
胃がん 1.80% 要精検者 約56人に1人
大腸がん 3.02% 約33人に1人
肺がん 1.66% 約60人に1人
乳がん 5.69% 約18人に1人
子宮頸がん 0.99% 約101人に1人
厚生労働省「がん検診」のページより(令和6年度「地域保健・健康増進事業報告」の結果)

ただし、厚生労働省は続けてこう書いています。

しかし、「症状がない」「健康だから」といった理由で精密検査を受けないと、もしがんがあった場合、診断が遅れ、がんが進行してしまう恐れがあります。

精密検査を含めて「一連のがん検診」として初めてがんの有無が確認できる、という位置づけです。通知が来たら必ず受けるということになります。

5. 費用と受け方

お住まいの市区町村では、健康増進法に基づいてがん検診を実施しています。厚生労働省の説明です。

ほとんどの市区町村では、がん検診の費用の多くを公費で負担しており、一部の自己負担でがん検診を受けることができます。

自治体が行う検診は、精度管理によりがん検診の質の担保が図られている、とも書かれています。

職場の健康診断についても案内があります。

職域の健康診断の案内が届いたら、まずがん検診が含まれているか、および検診内容(検査項目、対象年齢、受診間隔)を確認してください。

職場の健診にがん検診が含まれていると思い込んでいると、実は入っていなかった、ということが起こります。項目を見るのがポイントです。

6. HPV検査単独法は、仕組みが少し複雑です

子宮頸がん検診には2つの方法があり、間隔が大きく違います。

HPV検査単独法とは、指針の定義では「HPV検査を実施し、陽性とされた場合にのみ追加的にトリアージ検査として同一検体を用いた子宮頸部の細胞診を実施する方法」です。

項目 内容
対象 30歳以上の女性
間隔 原則として5年に1回
推奨される受診年齢 30歳からの5年刻みの年齢(節目年齢)で行うことを推奨
追跡検査 直近の検診でHPV検査陽性かつトリアージ検査陰性となった者に対して実施

5年に1回で済む代わりに、陽性だった場合には追跡検査という別の流れに入ります。自治体がどちらの方法を採用しているかは、案内で確認することになります。

7. 治療中の人の扱い

厚生労働省は、現在がんや前がん病変で治療中の方は、そのがん検診の対象にはならない、としています。がん検診の再開時期については、治療終了後に主治医と相談することになります。

一方で、がんの疑いなしだった場合やがん治療が終了した場合でも、定期的にがん検診を受けましょうとも書かれています。一度「陰性」と判断されても数年後にがんが発生する可能性があるため、受診間隔に沿って定期的に受けることが大事だ、という説明です。

8. 国の目標は受診率60%

厚生労働省は、がん検診の受診率を60%以上とすることを目標に、がん検診を推進しています。前提として示されているのは、国民の2人に1人が“がん”になり、4人に1人が“がん”で亡くなっている、という状況です。

実務としてやること

  • 自分の年齢で対象になる検診を確認する(40歳から肺・大腸・乳、50歳から胃、20歳から子宮頸)
  • 市区町村から届く案内を捨てない。費用の多くは公費負担
  • 職場の健診の案内が来たら、がん検診が含まれているかと、検査項目・対象年齢・受診間隔を確認する
  • 年1回のもの(肺・大腸)と2年に1回のもの(胃・子宮頸の細胞診・乳)を分けて、受診した年を記録する
  • 「要精密検査」の通知が来たら、必ず医療機関で精密検査を受ける
  • 治療中の場合は、再開時期を主治医に相談する

FAQ

毎年受けたほうが安心ではありませんか

指針は検診ごとに受診間隔を定めています。胃がん検診、子宮頸部の細胞診による子宮頸がん検診、乳がん検診は原則として2年に1回です(胃部エックス線検査は当分の間、年1回実施しても差し支えないとされています)。検診には偽陽性や過剰診断といった不利益もあるため、間隔にも根拠があります。

30歳ですが乳がん検診は受けられませんか

指針の乳がん検診の対象は40歳以上の女性です。30歳代の女性については、対象にはならないものの罹患率が上昇傾向にあることを踏まえ、ブレスト・アウェアネスの重要性と、異常がある場合の専門医療機関への早期受診に関する指導を行うこととされています。

「総合がん検診」とは何ですか

指針が定めるがん検診の種類の一つで、対象は当該市町村の区域内に居住地を有する40歳および50歳の者です。具体的な検診項目については、本記事では扱っていません。指針の該当箇所をご確認ください。

市区町村と職場、両方で受けてもよいですか

指針は、市町村が住民の職域等がん検診の受診状況を把握し、それを踏まえた適切な受診勧奨・精密検査勧奨に努めることとしています。重複受診の可否については本記事では確認していません。お住まいの市区町村にご確認ください。

費用はいくらですか

「ほとんどの市区町村では、がん検診の費用の多くを公費で負担しており、一部の自己負担でがん検診を受けることができます」とされていますが、金額は自治体ごとに異なります。本記事では個別の金額を確認していません。

この指針はいつのものですか

平成20年3月31日の厚生労働省健康局長通知の別添として定められ、直近では令和7年12月24日に一部改正されています。

参照した一次情報

  • 厚生労働省「がん検診」 mhlw.go.jp
    2026年9月21日確認。受診率60%以上という目標、2人に1人ががんになり4人に1人ががんで亡くなっている旨、対象年齢より若い年代では有効性が確認されていない旨、要精密検査と判定された人のうち実際にがんが見つかる割合(令和6年度「地域保健・健康増進事業報告」)、費用の多くを公費で負担している旨、職域の健診でがん検診が含まれているか確認する旨、精密検査を含めて「一連のがん検診」である旨、治療中の方の扱いに関する記述はこのページに基づきます。
  • 厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(令和7年12月24日一部改正) mhlw.go.jp(PDF)
    2026年9月21日確認。がん検診の6種類、対象年齢と受診を特に推奨する年齢、受診間隔(肺・大腸は年1回、胃・子宮頸の細胞診・乳は2年に1回、HPV検査単独法は5年に1回)、総合がん検診の対象が40歳および50歳である旨、HPV検査単独法の定義と節目年齢・追跡検査、がん検診の利益・不利益と偽陰性・偽陽性・過剰診断の定義、30歳代女性のブレスト・アウェアネスに関する記述はこの資料に基づきます。

いずれも2026年9月21日に確認しました。対象年齢・受診間隔は改正されることがあるため、受診の際は市区町村の案内および厚生労働省の最新の指針をご確認ください。

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この記事は、公表されている一次情報をもとに整理したものです。受診や治療に関する判断は医療機関にご相談ください。

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