記事風広告も口コミ代行も広告主の表示です|インターネット広告の4類型

広告と表示のルール

本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれています。

結論:アフィリエイターは「表示をした者」に当たりません。責任を負うのは広告主です

消費者庁の「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」(令和4年6月29日一部改定)は、アフィリエイト広告についてこう整理しています。

アフィリエイターはアフィリエイトプログラムの対象となる商品・サービスを自ら供給する者ではないので、景品表示法で定義される「表示」を行う者には該当せず、したがって、景品表示法上の問題が生じることはない。

一方で、広告主側はこうなります。

アフィリエイトプログラムを利用した広告についても、広告主がその表示内容の決定に関与している場合(アフィリエイターに表示内容の決定を委ねている場合を含む。)には、景品表示法上は、広告主が行った表示とされる。

「委ねている場合を含む」——ここが重要です。広告主が「アフィリエイターが勝手に書いたこと」と言っても、決定を委ねていたなら広告主の表示になります。

1. 「表示内容の決定に関与した事業者」の範囲

この指針は、裁判例(東京高判平成20年5月23日)を引いて範囲を示しています。

類型 内容
自ら若しくは他の者と共同して積極的に表示の内容を決定した事業者 —
他の者の表示内容に関する説明に基づきその内容を定めた事業者 他の事業者が決定したあるいは決定する表示内容について、その事業者から説明を受けてこれを了承し、その表示を自己の表示とすることを了承した事業者
他の事業者にその決定を委ねた事業者 自己が表示内容を決定することができるにもかかわらず、他の事業者に表示内容の決定を任せた事業者
「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」注6より

逆に、広告主の表示とされない場合も注記されています。

  • アフィリエイターが自らのサイトに単に広告主のURLを添付するだけなど、商品・サービスの内容や取引条件についての詳細な表示を行わない広告は、通常、不当表示等が発生することはない
  • 広告主とアフィリエイターとの間で当該表示に係る情報のやり取りが一切行われていないなど、アフィリエイトプログラムを利用した広告主による広告とは認められない実態にあるものは、通常、広告主が表示内容の決定に関与したとされることはない

2. 記事風広告・体験談サイトも名指しされています

指針は、アフィリエイト広告の形が多様化していることを具体的に書いています。

例えば、一見すると中立的な第三者が商品・サービスの紹介を行っているかのように装っている記事風の広告や体験談を掲載するウェブサイト自体がアフィリエイトサイトとなっているものがある。

集客・掲載の方法として挙げられているのは次のものです。

  • 検索エンジンの検索結果と一緒にアフィリエイトサイトに誘導する広告を表示するもの
  • ポータルサイト等の広告枠にアフィリエイトサイトに誘導する広告を表示するもの
  • 動画配信サービスの映像に付随して誘導する広告を表示するもの
  • SNSの広告枠やユーザーの投稿自体を用いて誘導する広告やアフィリエイトリンクを表示するもの

問題となる事例として挙げられているのは、次のような表示です。

表示 実際
「今だけ! 通常価格10,000円が なんと!1,980円!! 早い者勝ち!今すぐクリック!!」 当該商品は普段から1,980円で販売されていた
「食事制限なし! 気になる部分に…」(痩身効果をうたうもの) 十分な根拠がない

3. 口コミ:消費者の書き込みは「表示」ではありません

口コミサイトについても同じ構造です。

消費者は口コミ情報の対象となる商品・サービスを自ら供給する者ではないので、消費者による口コミ情報は景品表示法で定義される「表示」には該当せず、したがって、景品表示法上の問題が生じることはない。

問題になるのは、事業者が自ら書くか、第三者に依頼して書かせる場合です。指針が挙げる事例は次のとおりです。

  • 飲食店を経営する事業者が、実際には地鶏を使用していないにもかかわらず、グルメサイトの口コミ情報コーナーに「この お店は△□地鶏を使っているとか。さすが△□地鶏、とても美味でした。オススメです!!」と、自らの飲食店についての口コミ情報として表示すること
  • 店舗を経営する事業者が、口コミ投稿の代行を行う事業者に依頼し、自己の商品・サービスに関するサイトの口コミ情報コーナーに口コミを多数書き込ませ、口コミサイト上の評価自体を変動させること
  • 広告主が(ブログ事業者を通じて)ブロガーに依頼し、十分な根拠がないにもかかわらず「△□、ついにゲットしました~。しみ、そばかすを予防して、ぷるぷるお肌になっちゃいます!気になる方はコチラ」と表示させること

4. 「無料」表示:フリーミアム

フリーミアムとは、基本的なサービスを無料で提供し、付加的なサービスを有料で提供して収益を得るビジネスモデルです。ここで問題になるのは「無料」の書き方です。

表示 実際
「完全無料でプレイ可能」 ゲーム上で使用するアイテムを購入しないと、一定のレベルから先に進めない
「完全無料で動画が見放題」 あらゆる時間帯にわたって視聴するには月額使用料の支払いが必要
同指針の「問題となる事例」より

実際には付加的なサービスの利用に利用料が必要なのに、付加的なサービスも含めて無料で利用できるとの誤認を与える場合には、不当表示として問題になります。

5. クーポン・タイムセールの二重価格

フラッシュマーケティング(割引クーポン等を期間限定で販売する手法)でよく起きるのが、比較対照価格の「通常価格」に販売実績がないケースです。

指針の事例は具体的です。クーポン適用後の「割引価格」を「1,600円」と表示するとともに「通常価格 5,730円、割引率 72% OFF、割引額 4,130円」と表示したが、実際にはその「通常価格」で販売した実績がない——これが問題になります。

留意事項として、店舗等は二重価格表示を行う場合には最近相当期間に販売された実績のある同一商品・サービスの価格を用いる必要がある、とされています。

もう1つの事例は品質についてのものです。実際には養殖の鮎を材料とした甘露煮であるにもかかわらず「天然鮎を使った高級甘露煮です。」と表示すること。

6. この指針の位置づけ

この指針は、平成14年の「消費者向け電子商取引における表示についての景品表示法上の問題点と留意事項」(電子商取引ガイドライン)の基本的な考え方を前提に、新しいサービス類型について問題点を示したものです。

電子商取引ガイドラインの考え方を変更するものではなく、電子商取引ガイドラインは引き続きインターネット消費者取引の基本指針となる。

また、「具体的な表示が景品表示法上に違反するか否かは個々の事案ごとに判断される」とも明記されています。

サイトを運営する場合

アフィリエイトサイトを運営する側から見ると、この指針は「自分は表示主体ではない」という結論だけを読むと危険です。広告主が表示内容の決定に関与していれば広告主の表示になり、そこに書かれた内容について広告主が措置命令を受けます。実務では、広告主やASPから訂正依頼が来る、掲載を止められる、という形で跳ね返ってきます。

長く続けるなら、独自ドメインとサーバーを自分で持ち、案件が終わっても記事を残せる形にしておくほうが扱いやすくなります。

XServer for WordPress

料金、含まれる機能、キャンペーンの条件は変更されることがあります。申込み前に提供元の表示をご確認ください(当サイトでは2026年9月22日時点の案件情報に基づいて掲載しています)。

実務としてやること

広告主として

  • アフィリエイターに表示内容の決定を委ねているかどうかを整理する(委ねていれば自社の表示)
  • 掲載されている記事の内容を定期的に確認する
  • 効果・性能をうたう表現について、根拠資料を先に用意する
  • 「通常価格」を提示するなら、販売実績を残す
  • 口コミ投稿の代行を依頼しない

サイトを運営する側として

  • 「体験していないこと」を体験談として書かない
  • 価格を書くときは、いつ時点の価格かを明記する
  • 「無料」と書くときは、どこから有料になるかを同じ場所に書く
  • 広告主から受け取った文言をそのまま貼る場合も、内容を確認する

FAQ

アフィリエイターは何も気にしなくてよいのですか

景品表示法上の「表示」を行う者には該当しない、というのがこの指針の整理です。ただし、ステルスマーケティング告示(令和5年10月1日施行)では、事業者の表示であることが判別困難な表示が規制対象になっています。また、薬機法や健康増進法など別の法律の適用もあり得ます。本記事は景品表示法上の整理のみを扱っています。

リンクを貼るだけなら問題ありませんか

指針の注記では、単に広告主のウェブサイトのURLを添付するだけなど、商品・サービスの内容や取引条件についての詳細な表示を行わない広告については「通常、不当表示等が発生することはないと考えられる」とされています。

SNSの投稿も対象ですか

指針は、アフィリエイトサイトに誘導する方法として「ソーシャルネットワーキングサービスの広告枠やユーザーの投稿自体を用いてアフィリエイトサイトに誘導する広告やアフィリエイトリンクを表示するもの」を挙げています。

この指針はいつのものですか

平成23年10月28日に消費者庁が制定し、平成24年5月9日、令和4年6月29日に一部改定されています。

ASPに責任はありますか

指針は、ASPを「広告主とアフィリエイターとの間を仲介してアフィリエイトプログラムを実現するシステムをサービスとして提供する事業者」と定義していますが、ASPの景品表示法上の責任については本記事で参照した範囲に記述がありません。

参照した一次情報

  • 消費者庁「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」(平成23年10月28日制定、令和4年6月29日一部改定) caa.go.jp(PDF)
    2026年9月22日確認。アフィリエイターが「表示」を行う者に該当しない旨、広告主が表示内容の決定に関与している場合は広告主の表示とされる旨、「表示内容の決定に関与した事業者」の3類型(東京高判平成20年5月23日)、記事風広告・体験談サイトへの言及と集客方法、フリーミアム・口コミサイト・フラッシュマーケティング・アフィリエイトプログラムの定義と問題となる事例、電子商取引ガイドラインとの関係に関する記述はこの資料に基づきます。
  • 不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)第2条第4項、第5条 e-gov.go.jp
    2026年9月22日確認。「表示」の定義と不当表示の禁止はこの法令に基づきます。

いずれも2026年9月22日に確認しました。広告案件の条件は2026年9月22日時点の案件情報に基づきます。

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この記事は、公表されている一次情報をもとに整理したものです。個別の表示の適否については、消費者庁または専門家にご確認ください。

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