本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれています。
結論:レベルは1つずつ上がるとは限りません
気象庁が留意点として先に書いていることです。
火山の状況によっては、異常が観測されずに噴火する場合もあり、レベルの発表が必ずしも段階を追って順番どおりになるとは限りません(下がるときも同様です)。
「2になったら準備して、3になったら動く」という段取りは成り立たない場合があります。1からいきなり3や4になることを前提に考えます。
雨の災害では警戒レベルが順に上がる前提で動けますが(警戒レベルの記事)、火山は違います。
1. 噴火警戒レベルとは何か
噴火警戒レベルは、火山活動の状況に応じて「警戒が必要な範囲」と「とるべき防災対応」を5段階に区分して発表する指標とされています。
5段階のキーワードはリーフレットに示されています。
各レベルには、「警戒が必要な範囲」を踏まえて、防災機関等の行動が5段階のキーワード(「避難」、「高齢者等避難」、「入山規制」、「火口周辺規制」、「活火山であることに留意」)として示されています。
低いほうから並べると、活火山であることに留意 → 火口周辺規制 → 入山規制 → 高齢者等避難 → 避難です。
2. どの警報として出るかが変わります
「警戒が必要な範囲」が火口周辺に限られるレベル3(入山規制)及びレベル2(火口周辺規制)については、警報として「噴火警報(火口周辺)」で発表します。
「警戒が必要な範囲」が居住地域まで及ぶ場合に発表する「噴火警報(居住地域)」を特別警報として位置づけています。
噴火警報(居住地域)は特別警報です。大雨特別警報と同じ位置づけの情報だと理解しておくと、受け取り方が変わります。
3. 何から身を守るための情報か
噴火警報が対象としている現象は、次のように説明されています。
噴火警報は、生命に危険を及ぼす火山現象(大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流等、発生から短時間で火口周辺や居住地域に到達し、避難までの時間的猶予がほとんどない現象)の発生やその拡大が予想される場合に、「警戒が必要な範囲」(生命に危険を及ぼす範囲)を明示して発表します。
それぞれの速さが具体的に書かれています。
| 現象 | 気象庁の説明 |
|---|---|
| 大きな噴石 | 噴火によって火口から吹き飛ばされた概ね20〜30cm以上の大きな噴石は、風の影響をほとんど受けずに弾道を描いて飛散します。破壊力があり、人体や建物に被害を及ぼします |
| 火砕流 | 高温の火砕物と高温のガスが一体となって猛スピードで山腹を駆け下る現象。温度数百度、最大時速100km以上にも達し、その通過域では焼失・破壊など壊滅的な被害が生じます |
| 融雪型火山泥流 | 噴火に伴う火砕流等の熱によって積雪が融け、大量の水と土砂が一体となって高速で流れ下る現象。時速60kmを超えることもあり、谷筋や沢沿いをはるか遠方まで一気に流下します |
「風下を避ける」という考え方が通じない現象がある、という点が重要です。大きな噴石は風の影響をほとんど受けません。
4. 「警戒が必要な範囲」は円ではありません
「警戒が必要な範囲」は必ずしも同心円であるとは限らず、火山活動の各段階に対して火山ハザードマップ等に基づいて設定されています。
地形によって、火口から同じ距離でも危険度が違います。ハザードマップの見方はハザードマップの記事にまとめました。
5. 範囲と対応は地元が決めています
(活動火山対策特別措置法に基づき)各火山の地元の都道府県及び市町村は、火山防災協議会(都道府県、市町村、気象台、砂防部局、自衛隊、警察、消防、火山専門家等で構成)を設置し、平常時から噴火時の避難について共同で検討を行っています。
そのうえで、
各レベルで想定する火山活動の状況及び噴火時等の防災対応に係る対象地域や具体的な対応方法は、地域により異なります。
「レベル3ならこうする」が全国共通ではありません。自分の地域の火山のリーフレットを見る必要があります。気象庁は火山ごとのリーフレットを公開しています。
6. 噴火警報の対象外の現象もあります
降雨時の土石流等、噴火警報の対象外の現象についても注意が必要であり、その場合には大雨情報等他の情報にも留意してください。
噴火が収まった後も、火山灰が積もった斜面は雨で崩れやすくなります。土砂の危険度は土砂キキクルで見ます(土砂キキクルの記事)。
7. 運用されている火山は49、常時観測は51
噴火警戒レベルは、常時観測火山である51火山のうち、49火山(令和8年3月現在)で運用されています。
リーフレットによれば、気象庁が噴火警報を発表している対象は全国111の活火山です。活火山であっても噴火警戒レベルが運用されていない山があります。「レベルが出ていない=安全」ではありません。
なお、噴火警戒レベルは平成19年12月より、火山活動度レベルに代わって運用されているとされています。
8. 登山と旅行の前にやること
- 行き先の山に噴火警戒レベルが運用されているかを確認する
- 運用されていれば現在のレベルと、その山のリーフレット(警戒が必要な範囲の図)を見る
- レベルが1でもヘルメット等、落下物への備えを考える(大きな噴石は風の影響を受けません)
- 宿や登山口の避難場所(シェルター等)の位置を確認する
- 噴火後は雨の情報も見る
当サイトでは、個別の山の安全性を判断できません。気象庁の噴火警報・予報と、地元自治体の情報をご確認ください。
停電と持ち出しの備えについて
以下は広告です。当サイトでは、これらの製品が噴火に伴う避難にどこまで役立つかを検証していません。仕様・価格・内容は変更されることがあるため、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。優劣を示すものではなく、選択肢として並べています。
電源の備え:
持ち出し袋の選択肢:
FAQ
レベル1なら登ってよいのですか。
レベル1のキーワードは「活火山であることに留意」です。気象庁は、異常が観測されずに噴火する場合もあるとしています。
噴火警報(居住地域)はどのくらい重い情報ですか。
リーフレットで「噴火警報(居住地域)を特別警報に位置づけています」とされています。
風下を避ければ噴石は大丈夫ですか。
「概ね20〜30cm以上の大きな噴石は、風の影響をほとんど受けずに弾道を描いて飛散します」とされています。風向きでは判断できません。
自分の地域の火山のレベルはどこで見られますか。
気象庁の「噴火警報のページ」で最新の各火山の噴火警戒レベルを確認できるとされています。
レベルが下がったら元通りですか。
「(レベルの発表が順番どおりになるとは限らないのは)下がるときも同様です」とされています。
参照した一次情報
- 気象庁「噴火警戒レベルの説明」 jma.go.jp
2026年9月17日確認。5段階の指標であること、火山防災協議会と活動火山対策特別措置法、順番どおりに発表されるとは限らない旨、地域により対応が異なる旨、噴火警報の対象外の現象、平成19年12月からの運用、常時観測51火山のうち49火山(令和8年3月現在)に関する引用はこのページに基づきます。 - 気象庁 リーフレット「噴火警報と噴火警戒レベル」 jma.go.jp
2026年9月17日確認。全国111の活火山、噴火警報が対象とする現象の定義、大きな噴石・火砕流・融雪型火山泥流の説明、5段階のキーワード、噴火警報(火口周辺)と噴火警報(居住地域)=特別警報の位置づけ、「警戒が必要な範囲」が同心円とは限らない旨に関する引用はこのリーフレット(PDF)に基づきます。
関連記事
- 避難指示が出る前に動いてよい|警戒レベル1〜5と、気象庁が示す判断の順番
- ハザードマップは7種類あります|洪水だけ見て安心しないための順番
- 土砂キキクルは黒になる前に動きます|高齢者は赤、一般は紫が避難の基準
- 食品の備蓄は最低3日分〜1週間分|支援物資が3日以上届かない前提で考えます
- 停電に備える|何日分を想定するか、ポータブル電源を選ぶときに見る数字
この記事は当サイト運営者が執筆しました。火山の専門家による記事ではありません。上記の確認日以降に気象庁の記載が変わっている可能性があります。最新の噴火警報・予報と、地元自治体の避難情報を必ずご確認ください。



コメント