量目公差は「少なかったとき」だけ効きます|100g超500g以下なら2%

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結論:量目公差は「表示より少なかったとき」だけの話です

「100g」と書いて売る商品が実際に何グラムまで許されるか。計量法はこれを量目公差という誤差の幅で定めています。

読み方で大事なのは方向です。政令は公差を、表示量が真実の量を超える場合について定めています。つまり少なかったときだけが問題になります。多く入っていても計量法上の違反にはなりません。

1. 対象になる商品と量

計量法第12条第1項です。

政令で定める商品(以下「特定商品」という。)の販売の事業を行う者は、特定商品をその特定物象量(特定商品ごとに政令で定める物象の状態の量をいう。)を法定計量単位により示して販売するときは、政令で定める誤差(以下「量目公差」という。)を超えないように、その特定物象量の計量をしなければならない。

3つの条件がそろって初めてかかります。

  • 政令で定める特定商品であること
  • その特定物象量(質量、体積、面積など商品ごとに決まっている量)を示していること
  • グラム・ミリリットルなどの法定計量単位で示していること

「たっぷり」「大盛り」のような書き方は、法定計量単位で示していないので量目公差の対象になりません。

2. 公差の表(質量・標準)

表示量が5グラム以上で、商品ごとに定められた上限以下の場合に適用されます。

表示量 許される誤差
5グラム以上50グラム以下 4パーセント
50グラムを超え100グラム以下 2グラム
100グラムを超え500グラム以下 2パーセント
500グラムを超え1キログラム以下 10グラム
1キログラムを超え25キログラム以下 1パーセント

パーセントと絶対量が交互に出てくるのが特徴です。50〜100グラムの帯と500グラム〜1キログラムの帯だけ、率ではなく固定の量で決まっています。

3. 公差の表(質量・ゆるいほう)

商品によってはもう一つの表が適用されます。

表示量 許される誤差
5グラム以上50グラム以下 6パーセント
50グラムを超え100グラム以下 3グラム
100グラムを超え500グラム以下 3パーセント
500グラムを超え1.5キログラム以下 15グラム
1.5キログラムを超え10キログラム以下 1パーセント

上限の区切りも違います。標準の表は25キログラムまで、こちらは10キログラムまでです。どの商品にどの表が適用されるかは、政令の別表第一の第三欄で商品ごとに指定されています。

4. 公差の表(体積)

表示量 許される誤差
5ミリリットル以上50ミリリットル以下 4パーセント
50ミリリットルを超え100ミリリットル以下 2ミリリットル
100ミリリットルを超え500ミリリットル以下 2パーセント
500ミリリットルを超え1リットル以下 10ミリリットル
1リットルを超え25リットル以下 1パーセント

質量の標準の表と同じ構造です。

5. 皮革だけ別扱いです

皮革は面積で売られるため、別の定めになっています。

  • 表示量が25平方デシメートル以上である場合
  • 誤差は表示量の2パーセント
  • 伸び率が大きい皮革として経済産業省令で定めるものは3パーセント

6. 密封したときは表記が必要です

第13条第1項は、政令で定める特定商品を密封するときの義務を定めています。

量目公差を超えないようにその特定物象量の計量をして、その容器又は包装に経済産業省令で定めるところによりこれを表記しなければならない。

「密封」は条文の中で定義されています。容器に入れたり包装したりして、容器・包装・封紙を破棄しなければ量を増減できないようにすることです。

第13条第3項に、忘れやすい義務があります。

前二項の規定による表記には、表記する者の氏名又は名称及び住所を付記しなければならない。

内容量を書くなら、誰が量ったのかを書くということです。輸入品の場合は第14条第3項で読み替えられ、輸入の事業を行う者の氏名等を付記します。

7. 政令で定められていない商品を自主的に表記する場合

第13条第2項に規定があります。表記義務のない特定商品でも、事業者が密封して内容量を法定計量単位で表記するなら、量目公差を超えないように計量し、省令の定めに従って表記しなければなりません。書かなくてよいものを書いたなら、書いた以上は基準がかかります。

実務としてやること

  1. 扱う商品が計量法の特定商品に当たるかを、政令の別表で確認する。
  2. 内容量をグラムやミリリットルで示しているなら、量目公差の範囲に入るかを実測で確認する。
  3. 公差はパーセントと固定量が帯ごとに切り替わる。50〜100グラムは2グラム、500グラム〜1キログラムは10グラムという固定値を見落とさない。
  4. 足りないほうだけが問題になる。表示量を下回らない運用にする。
  5. 密封して内容量を表記しているなら、表記者の氏名または名称および住所を付記する。
  6. 表記義務のない商品でも、自主的に内容量を書くなら公差と表記方法の決まりがかかる。

よくある質問

多く入っていたら違反ですか

政令第3条は、表示量が真実の特定物象量を超える場合について公差を定めています。多く入っている場合はこの定めの対象ではありません。ただし表示と実際が大きく違う場合、景品表示法など別の枠組みで問題になることがあります。

「約100g」と書けば公差は関係なくなりますか

今回参照した条文からは「約」を付けた場合の扱いは確認できませんでした。法定計量単位により示して販売する場合が対象です。個別の判断は経済産業省または各都道府県の計量検定所にご確認ください。

飲食店で量って出す料理も対象ですか

対象は政令で定める特定商品の販売の事業を行う者です。どの商品が特定商品に当たるかは政令の別表で決まっています。

5グラム未満の商品はどうなりますか

公差の表は表示量が5グラム(または5ミリリットル)以上の場合について定められています。それ未満の表示量については、この表の適用はありません。

参照した一次情報

  • e-Gov法令検索「計量法」(平成4年法律第51号)第12条・第13条・第14条 laws.e-gov.go.jp
    2026年9月28日確認。特定商品・特定物象量・量目公差の定義、密封の定義、表記義務、表記者の氏名等の付記、輸入品の読み替えはこれらの条文に基づきます。
  • e-Gov法令検索「特定商品の販売に係る計量に関する政令」(平成5年政令第249号)第3条・別表第二 laws.e-gov.go.jp
    2026年9月28日確認。量目公差が「表示量が真実の特定物象量を超える場合」について定められていること、質量2表と体積1表の数値、皮革の25平方デシメートル・2パーセント・3パーセントはこの政令に基づきます。

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この記事は公開されている条文を整理したものです。個別の商品に適用される公差の判断は経済産業省または各都道府県の計量検定所にご確認ください。

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