紙の領収書は7営業日以内にスキャンします|200dpi・256階調と検索3要件

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結論:紙の領収書は捨てられますが、7営業日以内のスキャンと9つの要件が付きます

契約書や請求書、領収書は、スキャナで読み取った電子データの形で保存できます。令和4年1月1日以後は事前に税務署長の承認を受ける必要がありません。任意のタイミングで始められ、書類の種類ごとに行えます。

そのかわり要件が9つあります。いちばん効いてくるのは入力期間です。

1. 入力期間の3つの方式

方式 内容
早期入力方式 受領等後、速やか(おおむね7営業日以内)に入力する
業務処理サイクル方式 業務の処理に係る通常の期間(最長2か月以内)を経過した後、速やか(おおむね7営業日以内)に入力する。※受領等から入力までの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限る
適時入力方式 適時に入力する(一般書類のみ)

業務処理サイクル方式には条件が付いています。規程を定めていなければ使えません。規程がなければ、受け取ってから7営業日以内という短い期限になります。

2. 重要書類と一般書類の分かれ目

区分 定義 例
重要書類 資金や物の流れに直結・連動する書類 契約書、納品書、請求書、領収書 など
一般書類 資金や物の流れに直結・連動しない書類 見積書、注文書、検収書 など

見積書と注文書が一般書類側にあるのがポイントです。一般書類は適時入力でよく、グレースケールでの読み取りも認められます。

3. 読み取りの条件

  • 解像度が200dpi相当以上(A4サイズで約387万画素相当)
  • 赤色、緑色および青色の階調がそれぞれ256階調以上(24ビットカラー)

階調のほうは、一般書類なら白黒階調(グレースケール)での読み取りも認められます。

4. タイムスタンプは省略できます

原則は、入力期間内に一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプを、一の入力単位ごとの記録事項に付すことです。条件も定められています。記録が変更されていないことを保存期間を通じて確認でき、課税期間中の任意の期間を指定して一括して検証できるものに限られます。

ただし但し書きがあります。

入力期間内にその国税関係書類に係る記録事項を入力したことを確認できる場合には、このタイムスタンプの付与要件に代えることができる

入力日時を記録できるシステムを使っていれば、タイムスタンプそのものは不要になります。

5. 残りの要件

要件 内容
読取情報の保存 読み取った際の解像度、階調、書類の大きさに関する情報を保存する。※受領者等が読み取る場合で書類がA4以下なら、大きさの情報は不要。一般書類も不要
ヴァージョン管理 訂正・削除の事実および内容を確認できるシステム、または訂正・削除ができないシステムを使う
入力者等情報の確認 入力を行う者、またはその者を直接監督する者に関する情報を確認できるようにする
帳簿との相互関連性 書類の電磁的記録の記録事項と、関連する国税関係帳簿の記録事項との関連性を相互に確認できるようにする
見読可能装置 14インチ(映像面の最大径が35cm)以上のカラーディスプレイおよびカラープリンタ、操作説明書を備える
システム概要書等 システムの概要書、開発に際して作成した書類、操作説明書、事務手続を明らかにした書類を備える

見読可能装置には出力の質も定められています。整然とした形式、書類と同程度に明瞭、拡大または縮小して出力可能、4ポイントの大きさの文字を認識できる状態で速やかに出力できることです。

グレースケールで保存する場合は、ディスプレイおよびプリンタがカラー対応である必要はありません。

6. 検索機能の3要件

  1. 取引年月日その他の日付、取引金額および取引先での検索
  2. 日付または金額に係る記録項目について範囲を指定しての検索
  3. 2以上の任意の記録項目を組み合わせての検索

ここにも緩和があります。

税務職員による質問検査権に基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、⑵及び⑶の要件は不要

ダウンロードに応じられるなら、必要なのは1つめだけです。

7. 過去の書類も対象にできます

スキャナ保存を開始した日より前に作成・受領した重要書類(過去分重要書類)は、あらかじめ種類等を記載した適用届出書を税務署長等に提出することでスキャナ保存できます。この場合、入力期間の制限の要件が不要になるなど一部が緩和されます。

ただし条件があります。作成・保存に関する事務の手続を明らかにした書類(これらの事務の責任者が定められているもの)を備え付ける必要があります。

8. 要件を満たすか確かめる手段

市販のソフトウェア等で機能要件を満たすと認証を受けた製品には、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の認証マークが付されています。独自開発のシステムについては、税務署および国税局に事前相談窓口が設けられています。

実務としてやること

  1. スキャナ保存を始めるなら、まず規程を作る。規程がないと業務処理サイクル方式(最長2か月)が使えず、7営業日以内になる。
  2. 書類を重要書類と一般書類に分ける。見積書・注文書・検収書は一般書類で、扱いがゆるい。
  3. スキャナまたは複合機の設定を200dpi以上、カラー(24ビット)にする。
  4. 使うソフトがヴァージョン管理と検索3要件を満たすかを確認する。JIIMA認証マークが目印になる。
  5. ダウンロードの求めに応じられるなら、検索は日付・金額・取引先だけでよい。
  6. 帳簿との相互関連性を確保する。伝票番号などで紐づける仕組みを決める。
  7. 過去の重要書類も電子化したいなら、適用届出書を先に出す。

よくある質問

スキャンしたら紙は捨ててよいのですか

パンフレットは「紙のままではなくスキャナで読み取った電子データの形式で保存することができます」としています。要件を満たして保存していれば、電子データが保存書類になります。個別の判断は所轄の税務署にご確認ください。

スマートフォンで撮影した画像でもよいのですか

パンフレットの「スキャナ」の定義は、書面を電子データに変換する入力装置のうち解像度200dpi以上での読み取りと、カラー画像による読み取りができるものです。装置の種類を限定した書き方はされていません。

電子取引のデータ保存とは違うのですか

違います。スキャナ保存は紙で受け取った書類を電子化して保存する制度です。最初から電子で受け取った取引情報の保存は別の制度で、こちらは義務です。

7営業日は暦日ですか

パンフレットは「速やか(おおむね7営業日以内)」と書いています。営業日で数えます。

参照した一次情報

  • 国税庁「スキャナ保存!」(令和3年11月) nta.go.jp(PDF)
    2026年9月28日確認。事前承認が不要になったこと、スキャナの定義(200dpi以上・カラー画像)、入力期間の3方式と7営業日・2か月、規程を定めている場合に限る旨、タイムスタンプの要件と代替、読取情報の保存とA4以下の例外、ヴァージョン管理、入力者等情報、帳簿との相互関連性、14インチ・4ポイント、システム概要書等、検索機能3要件とダウンロード対応による緩和、重要書類と一般書類の区分と例、過去分重要書類の適用届出書、JIIMA認証と事前相談窓口はこの資料に基づきます。
  • 国税庁「Ⅱ 適用要件【基本的事項】」(電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】) nta.go.jp
    2026年9月28日確認。スキャナ保存の適用要件が掲載されているページです。

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この記事は公開されている資料の記述を整理したものです。個別の要件の判断は所轄の税務署にご確認ください。

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