自転車の青切符で変わったのは検挙後の手続です|16歳以上・反則行為と指導警告

暮らし役立ち情報

この記事には広告はありません。当サイトの他の記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれています。

結論:変わったのは「捕まったあとの手続」です。取締りの考え方は変わっていません

自転車の一定の交通違反に交通反則通告制度(いわゆる青切符)を導入する道路交通法の一部改正法(令和6年法律第34号)が、令和8年4月1日から施行されました。

警察庁の「自転車ルールブック」(令和7年9月)は、この点を繰り返し書いています。

○ 青切符導入後も、
・自転車の交通違反に対しては基本的に「指導警告」を実施
・交通事故の原因となるような、「悪質・危険な違反」は検挙の対象
という交通違反の指導取締りについての基本的な考え方は変わらないが、検挙後の手続は変わる

つまり「今日から自転車に乗ると全部切符を切られる」ではありません。いきなり罰されるようになったのではなく、検挙されたあとの流れが変わりました。

1. 何が変わったか

導入前導入後(反則行為の場合)
手続赤切符等による刑事手続青切符の交付 → 反則金の仮納付
現場実況見分調書や供述調書の作成。時間を要することがある青切符と納付書の交付。簡易な書類
出頭・取調べあり不要
裁判検察官が起訴すればありなし
前科有罪となればつくつかない

青切符の対象は、16歳以上の者が行った「反則行為」に限られます。

反則行為は、法の違反行為のうち、信号無視や指定場所一時不停止等といった、警察官が実際に見て、明らかに違反行為を行ったと判断できるものが法で定められています。

反則金の納付

流れは2段階です。

  1. 仮納付:違反を認めるときは、取締り(告知)を受けた翌日から原則7日以内に、銀行や郵便局の窓口に納付書を持参して仮納付する
  2. 納付:仮納付をしなかった場合、青切符に記載された指定の期日に交通反則通告センターに出頭して通告書と納付書の交付を受け、通告を受けた翌日から原則10日以内に納付する

遠隔地に住んでいるなどで出頭できないときは、通告書と、反則金に送付費用が加算された納付書が郵送されます。納付しないときは刑事手続に移行します。

反則金の具体的な金額は、本記事では一次情報で確認できていないため記載しません。違反の種類ごとに定められています。

2. 青切符にならない場合が2方向あります

(A)指導警告で済む場合

交通違反が交通事故の原因となるような、歩行者や他の車両にとって、危険性・迷惑性が高い悪質・危険な違反であったときは検挙を行います。しかし、そうでないときは、指導警告を行います。

例として、歩道をスピードを出して通行しているといった違反で、事故を起こす危険性が低いなど、悪質・危険な違反に直ちに当たることがないときが挙げられています。原則として現場で指導警告票が交付されます。

16歳未満の者による違反も指導警告の対象です。都道府県警察によっては、指導警告票に代えて自転車安全指導カードを交付しています。

(B)青切符ではなく刑事手続になる場合

重大な違反は反則行為に該当せず、これまでどおり刑事手続です。

違反内容
酒酔い運転アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で運転する行為
酒気帯び運転血中0.3mg/ml または呼気中0.15mg/l 以上のアルコールを保有して運転する行為
妨害運転いわゆるあおり運転
携帯電話使用等(交通の危険)携帯電話・スマートフォン等を使用して、歩行者の通行を妨害するなどして実際に交通の危険を生じさせる行為

このほか、交通事故を起こしたとき被疑者が住所・氏名を明らかにしないときや逃亡したとき反則行為の成否について争うときも刑事手続で処理されます。

3. 「検挙される側」に入る4つのパターン

ルールブックは、悪質・危険な違反を違反自体が悪質・危険なものと、違反態様が悪質・危険なものに分けています。青切符になるほうの例です。

区分挙げられている例
②重大な事故につながるおそれが高い違反ながらスマホ、遮断踏切立入り、自転車制動装置不良(ブレーキなし)
④違反の結果、実際に交通への危険を生じさせた/事故の危険が高まっているときスピードを出して歩道を通行したため歩行者を立ち止まらせたとき。信号無視で交差点に進入し、青信号で進行している車両に急ブレーキをかけさせたとき。傘を差しながら一時不停止2人乗りをしながら赤信号を無視
⑤指導警告されているにもかかわらず、あえて違反を行ったとき警察官の指導警告に従わず右側通行を継続したとき。取締り中の警察官を認めながら、指導警告のいとまもなく信号無視をしたとき

④の考え方が実務的です。歩行者が立ち止まった、車が急ブレーキを踏んだという結果が出ているか。違反を同時に2つ以上行っているか。傘+一時不停止、2人乗り+信号無視が、まさにこれに当たります。

なお、ハンドルから手を離して運転した結果、歩行者と衝突したときのように実際に事故を発生させた場合は、刑事手続です。

4. 導入の背景にある数字

項目数字
自転車関連事故件数7万件前後で横ばい(令和6年 67,531件)。全交通事故に占める構成比は増加傾向(令和6年 23.2%)
自転車と歩行者の事故増加傾向(令和6年 3,043件)
自転車と自動車の事故減少傾向だが年間約5万件(令和6年 51,524件)。自転車関連事故の約8割
自転車乗用中の死亡・重傷事故(令和6年)約4分の3(5,375件・75%)に自転車側の法令違反があった
自転車の交通違反の検挙件数令和5年 44,207件、令和6年 51,564件と急激に増加

「自転車の事故が増えているから」だけではありません。死亡・重傷事故の4分の3で自転車側に違反があったという数字が、制度の根拠として挙げられています。

5. 取締りが重点的に行われる時間帯

ルールブックは、場所と時間帯を明示しています。

自転車関連事故の発生が多い
朝の通勤・通学時間帯
日没前後の薄暗い時間帯
を中心に、重点的に指導取締りを行っています。

場所は、各警察署が指定した「自転車指導啓発重点地区・路線」等です。

時間帯別の死亡・重傷事故件数(令和2年〜6年合計)は午前8時と午後5時付近に多く、15歳から19歳の死傷者が年齢層別で最も多くなっています。

6. 青切符とは別に来るものが2つあります

自転車運転者講習

14歳以上の者が、以下の16種別の交通違反で、3年以内に2回以上反復して検挙され又は交通事故を起こしたとき、都道府県公安委員会により「自転車運転者講習」の受講が命じられます。

16種別は、通行区分違反、通行禁止違反、歩行者用道路徐行違反、歩道徐行等義務違反、路側帯進行方法違反、信号無視、指定場所一時不停止等、優先道路通行車妨害等・交差点安全進行義務違反、交差点優先車妨害、環状交差点通行車妨害等・環状交差点安全進行義務違反、酒酔い運転・酒気帯び運転、妨害運転、携帯電話使用等(交通の危険)・携帯電話使用等(保持)、遮断踏切立入り、自転車制動装置不良、安全運転義務違反です。

講習は3時間で、受講料が必要です。青切符は16歳以上ですが、この講習は14歳以上である点が違います。

運転免許の停止

自動車の運転免許を有している者が、自転車乗用中に重大な事故や違反をしたときは、運転免許の停止処分を受けることがあります。

7. 自転車安全利用五則

  1. 車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
  2. 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
  3. 夜間はライトを点灯
  4. 飲酒運転は禁止
  5. ヘルメットを着用

ルールブックは、事故を起こせば刑事上の責任(相手を死傷させた場合は重過失致死傷罪に問われることがある)民事上の責任(被害者に対する損害賠償)が生じるとしています。

8. 実務としてやること

  1. ブレーキがきくかを確認する(制動装置不良は検挙の対象に挙がっています)
  2. ライトが点くかを確認する
  3. スマホは持たない・見ない(ながらスマホは②の例として挙げられています)
  4. 傘を差しながら乗らない(他の違反と重なると④に当たります)
  5. 通勤・通学の時間帯と日没前後は、とくに気をつける
  6. 家族に14歳以上は講習、16歳以上は青切符という線を伝える

当サイトでは個別の違反の成否や反則金額を判断しません。警察庁の自転車ルールブック本体と、お住まいの都道府県警察の情報をご確認ください。

FAQ

いつから始まりましたか。

道路交通法の一部を改正する法律(令和6年法律第34号)が令和8年4月1日から施行されています。

違反したら必ず青切符が切られますか。

いいえ。基本的には現場で指導警告で、交通事故の原因となるような悪質・危険な違反が検挙の対象です。この考え方は導入前後で変わっていません。

子どもも対象ですか。

青切符は16歳以上の者による反則行為が対象です。16歳未満の違反は指導警告の対象とされています。ただし自転車運転者講習は14歳以上が対象です。

反則金を払えば前科はつきませんか。

反則金を仮納付すると刑事手続に移行せず、起訴はされません。取調べや裁判のための出頭も不要で、前科がつくこともありません。納付しない場合は刑事手続に移行します。

反則金はいくらですか。

違反の種類ごとに定められていますが、本記事では一次情報で個別の金額を確認できていないため記載していません。警察庁または都道府県警察の情報をご確認ください。

お酒を飲んで自転車に乗った場合は。

酒酔い運転・酒気帯び運転は反則行為に該当せず、刑事手続で処理されます。酒気帯びの基準は血中0.3mg/ml または呼気中0.15mg/l 以上です。

参照した一次情報

  • 警察庁「自転車を安全・安心に利用するために ー自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入ー(自転車ルールブック)」令和7年9月 npa.go.jp(PDF)
    2026年9月19日確認。施行日、検挙後の手続の変更点、仮納付7日・納付10日、青切符の対象(16歳以上の反則行為)、刑事手続となる重大な違反と酒気帯びの基準値、指導警告の対象、検挙の対象となる例、事故統計(令和6年)、重点的な取締りの時間帯、自転車運転者講習(14歳以上・3年以内に2回以上・16種別・3時間)、運転免許の停止、自転車安全利用五則に関する記述はこの資料に基づきます。個別の反則行為に対応する反則金額(資料1・資料2の表)は画像で提供されており、本記事では内容を確認していません。
  • 警察庁「自転車の安全利用の促進」 npa.go.jp
    2026年9月19日確認。ルールブックおよび概要資料の所在の確認に使用しました。

関連記事

この記事は当サイト運営者が執筆しました。上記の確認日以降に制度や運用が変わっている可能性があります。個別の違反の扱いや反則金額については、警察庁または都道府県警察の情報をご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました