アドオン方式で年率を書くなら実質年率も必要です|消費者信用の融資費用の表示

広告と表示のルール

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結論:融資費用を数字で見せるなら、実質年率を並べて書きます

お金を貸す、または代金の支払いを先延ばしにする取引で、費用の額や率を広告に書くときは、実質年率を明瞭に記載しなければなりません。書かないと景品表示法上の不当表示に指定されます。

これは昭和55年4月12日の公正取引委員会告示第13号「消費者信用の融資費用に関する不当な表示」で定められ、昭和55年7月1日から施行されています。

1. 実質年率が必要になる5つの書き方

告示は、実質年率が明瞭に記載されていない次の表示を不当表示として指定しています。

号 対象となる表示
一 アドオン方式による利息、手数料その他の融資費用の率の表示
二 日歩、月利等、年建て以外による利息・手数料その他の融資費用の率の表示
三 融資費用の額の表示
四 返済事例による融資費用の表示
五 融資費用の一部についての年建てによる率の表示

三号と四号に注意が必要です。率ではなく金額で書いた場合も、返済のシミュレーションを載せた場合も対象になります。「手数料は総額○円です」「月々○円×24回でこうなります」という書き方でも、実質年率が要ります。

五号は、複数ある費用のうち一部だけを年率で書く場合です。利息だけを「年○%」と書いて保証料や調査費に触れないと、これに当たります。

2. 実質年率を書かなくてよい例外

告示には、次のかっこ書きがあります。

利息が年建てによる率(アドオン方式によるものを除く。)で記載され、かつ、利息以外のすべての融資費用の内容及びその額又は率が明瞭に記載されている場合は、含まれない。

つまり、次の2つを両方満たせば実質年率の記載は不要です。

  • 利息を年建ての率で書いている(アドオン方式は除く)
  • 利息以外のすべての費用について、内容とその額または率を明瞭に書いている

運用基準は「利息以外のすべての融資費用について、内容(手数料、信用調査費、保証料等)と、その額又は率が明瞭に記載されている場合」と説明しています。一つでも抜けると例外になりません。

3. 「融資費用」に入るものと入らないもの

告示の備考2が範囲を定めています。

区分 内容
含まれる 利息、手数料、信用調査費、集金費、保証料、保険料その他、名義を問わず信用供与に際して一般消費者から受ける金銭のすべて
含まれない 登記手数料、印紙代その他法令の規定に基づくもの、担保物件に係る火災保険料

「何らの名義をもつてするを問わず」と書かれている点が重要です。名前を変えても費用は費用として数えます。

4. 実質年率の定義と書き方の細則

告示の備考3は、実質年率を次のように定義しています。

実際に利用可能な融資金又は未払金の額に期間数を乗じて得た額を合計した額に対する融資費用の総額の割合を年を単位として表わしたもの

運用基準は書き方も具体的に決めています。

  • 少なくとも0.1%の単位まで示す
  • 告示各号の表示に併記する場合は、その表示と同等以上の大きさの文字を用いる
  • 取引ごとに実質年率が異なる場合は、通常行われる取引における最も高い実質年率とその条件(融資金の額、融資期間等)を表示する。または範囲を表示する

運用基準が挙げている表示例は「実質年率通常○○パーセント(○万円、○年間融資の場合)以内」「実質年率○○パーセントから○○パーセントまで」です。低いほうの率だけを見せる書き方は認められていません。

5. 年建ての利息を書く場合の条件

例外にあたる「年建ての利息」も、運用基準で要件が決まっています。

項目 要件
精度 少なくとも0.1%の単位まで示す
文字の大きさ 融資費用に関する表示と同等以上
書き方 「年○○パーセント」「年利○○パーセント」「年率○○パーセント」
取引ごとに異なる場合 その旨を表示する(例:「年利○○パーセント(融資金○万円、融資期間○年の場合)」「年率○○パーセントから○○パーセント」)

6. 誰が対象になるか

運用基準の第1項は、対象を広くとっています。

この告示の適用を受けるものは、消費者信用の表示を行う事業者であり、金融機関、貸金業者、割賦販売業者、ローン提携販売業者、割賦購入あつせん業者等を含む。

「消費者信用」の定義(備考1)は、事業者が一般消費者に対して行う金銭の貸付け、および商品の販売・役務の提供に係る代金支払の繰延べの許容により供与される信用です。分割払いを受け付ける小売やサービス業も、費用を数字で見せるなら対象になります。

なお備考4により、融資費用に関して法令等に特別の定めがある場合、その法令等に基づいて行う表示には適用されません。運用基準は例として質屋営業法に基づく表示、公庫・公団や地方住宅供給公社等が行う表示を挙げています。

実務としてやること

  1. 分割払い・後払い・ローンの案内に、費用の額または率を書いている箇所を洗い出す。返済シミュレーションも数えます。
  2. その箇所に実質年率が書かれているかを確認する。なければ足す。
  3. 実質年率を0.1%単位で書いているか、併記した数字と同等以上の大きさの文字になっているかを確認する。
  4. 取引によって率が変わるなら、最も高い率とその条件、または率の範囲を書く。
  5. 実質年率を書かずに済ませたい場合は、利息を年建てで書いたうえで、保証料・調査費・集金費など利息以外のすべてを内容と額(または年建ての率)で書き切る。
  6. 費用の計算がアドオン方式なら、この例外は使えません。実質年率を書きます。

よくある質問

「手数料無料」と書くだけなら対象外ですか

告示が指定しているのは融資費用の率・額・返済事例の表示です。費用が実際にゼロであれば書くべき実質年率もありませんが、他の名目で金銭を受け取っているなら、それは備考2の融資費用に当たる可能性があります。

実質年率の計算式はどこにありますか

運用基準の第5項に算式が示されています。記号の定義(実質年率R、融資費用の総額F、返済回数n、期間Ti、未払残高Ui)も同項に置かれています。

日歩や月利で書くのは禁止ですか

禁止ではありません。告示の二号は、日歩・月利などで書く場合に実質年率が明瞭に記載されていないものを不当表示に指定しています。実質年率を併記すれば書けます。

この告示と割賦販売の表示基準はどう違いますか

こちらは融資費用の率・額の書き方に絞ったルールです。分割払いの総額や頭金、支払回数の書き方は別の運用基準が扱っています。

参照した一次情報

  • 消費者庁「消費者信用の融資費用に関する不当な表示」(昭和55年4月12日公正取引委員会告示第13号) caa.go.jp(PDF)
    2026年9月27日確認。5つの号、例外のかっこ書き、備考1〜4(消費者信用・融資費用・実質年率の定義、法令に特別の定めがある場合の適用除外)はこの告示に基づきます。
  • 消費者庁「『消費者信用の融資費用に関する不当な表示』の運用基準」(昭和55年6月9日事務局長通達第8号) caa.go.jp(PDF)
    2026年9月27日確認。対象事業者の範囲、0.1%単位・同等以上の文字という書き方の細則、表示例、年建ての利息の要件、実質年率の算式、適用除外の例示はこの運用基準に基づきます。

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この記事は公開されている告示と運用基準の記述を整理したものです。個別の表示が景品表示法に適合するかどうかの判断は、消費者庁または各都道府県の表示担当窓口にご確認ください。金利や手数料の水準そのものについては貸金業法・出資法など別の法令が関わります。

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