国内で箱詰めしても原産国は変わりません|「実質的な変更」に含まれない4つの行為

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結論:原産国は「実質的な変更をもたらす行為」をした国です。包装や詰合せでは変わりません

「商品の原産国に関する不当な表示」(昭和48年公正取引委員会告示第34号)の運用基準は、原産国の判定について重要な線を引いています。

告示の備考にある「商品の内容についての実質的な変更をもたらす行為」に含まれないものとして、運用基準は次の4つを挙げています。

# 含まれない行為
1 商品にラベルを付け、その他標示を施すこと
2 商品を容器に詰め、又は包装をすること
3 商品を単に詰合せ、又は組合せること
4 簡単な部品の組立をすること
「商品の原産国に関する不当な表示」の運用基準(昭和48年10月16日事務局長通達第12号)第十項より

海外で作られたものを国内で箱詰めしても、詰め合わせても、ラベルを貼っても、簡単な組立をしただけでも、原産国は変わりません。

1. 「国名を書いたら外国製と思われる」表示の範囲

告示は、国産品に外国の国名等を表示することで原産国が紛らわしくなる場合を規制しています。運用基準が示す「国名又は地名」の表示には、次が含まれます。

  • 国名又は地名の略称又は通称(例:「U.S.A.」)
  • 地域の名称(例:「ヨーロッパ」)
  • 国の地図など
  • 「イギリス」「England」のような和文・外国文字の双方(和文によるか外国の文字によるかを問わない)

2. 該当しないもの

一方で、次のものは該当しません。

類型 例
外国の国名・地名を含むが、日本の事業者の名称であることが明らかな表示 「○○屋」(○○は外国の国名又は地名)
商品の普通名称であって、原産国が外国であることを示すものでないことが明らかな表示 和文による「フランスパン」「ロシアケーキ」「ボストンバッグ」「ホンコンシャツ」
外国の文字で表示された国内の事業者の名称・商標であって、国産品に表示されるものであることを一般消費者が明らかに認識していると認められるもの —
法令の規定により、日本語に代えて用いることができるものとされている表示 「ALL WOOL」「STAINLESS STEEL」
一般の商慣習により日本語と同様に理解されている表示 「size」「price」
外国文字が模様・飾りなどとして用いられており、原産国が外国であることを示すものでないことが明らかな表示 手下げ袋の模様として英文雑誌の切抜を用いたもの
同運用基準 第二項・第三項・第六項より

なお、「衣料品の表示に関する運用細則」では、「カシミヤ」「ジャージー」「ツィード」といった生地の名称も普通名称として取り扱うこととされています。

3. 「○○国の事業者」とは、本店がある国です

告示にいう「……国の事業者」の意味も定義されています。

その国に本店を有する事業者をいう(例えば、日本に本店を有する事業者は、いわゆる外資系の会社であつても、告示第一項第二号の「外国の事業者」に含まれない。)。

外資系企業でも、日本に本店があれば「外国の事業者」ではありません。

4. 国産品であることを明示する4つの方法

外国の国名等が表示されていても、次の方法で国産品である旨が明示されていれば、原則として不当表示に該当しません。

# 方法
1 「国産」「日本製」などと明示すること
2 「○○株式会社製造」「製造者○○株式会社」などと明示すること
3 事業者の名称が外国の文字で表示されている場合は、日本の国内の地名を冠した工場名を(地名を冠していない工場名の場合は、その所在地名を附記して)併記して明示すること
4 目立つようにして「Made in Japan」と表示すること

5. それでも紛らわしいときは、関係を和文で書きます

上の明示をしても、なお原産国がいずれであるかが紛らわしいときには、外国の国名等とその商品との関係を和文で明示しなければ、不当表示に該当するおそれがあります。

運用基準の注に、具体的な書き換え例があります。

もとの表示 和文で明示する例
「Fabric made in England」 「日本製、生地は英国製」
「Material、imported from France」 「原材料をフランスから輸入し、○○株式会社ΔΔ工場で製造」
単に「Italy/Japan」 「イタリヤのデザインにより、○○株式会社で縫製」
同運用基準 第八項の注より(表記は原文のまま)

6. どこに書くか

原産国を明らかにするための表示は、次のように行います。

  • 原則として、外国の国名等の表示がされている同じ表示媒体に明示する
  • 外国の国名等の表示が商品、容器、包装、またはこれらに添付した物(ラベル、タッグなど)にされている場合は、目立つようにして行うならば、これらのうちいずれの物に表示してもよい

実務としてやること

  • 海外で製造したものを国内で包装・詰合せ・簡単な組立だけしている場合、原産国は変わらないことを前提に表示を設計する
  • 外国の国名・地名・地図・外国語を使うなら、国産品である旨を4つの方法のいずれかで明示する
  • 「Made in Japan」は目立つように表示する
  • 原材料だけ輸入している場合など、関係が複雑なときは和文で関係を書く
  • 原産国の表示は、国名等の表示と同じ媒体に置く
  • 普通名称(フランスパン、ボストンバッグ等)と原産地表示を混同しない

FAQ

「企画・デザインは日本」の場合の原産国は

原産国は「商品の内容についての実質的な変更をもたらす行為」が行われた国とされています。企画・デザインのみを日本で行い、製造を海外で行った場合については、運用基準の注に「イタリヤのデザインにより、○○株式会社で縫製」という和文明示の例があります。個別の判断については消費者庁にご確認ください。

食品の原料原産地表示とは違うものですか

違います。本記事が扱っているのは景品表示法に基づく「商品の原産国に関する不当な表示」です。加工食品の原料原産地表示は食品表示基準に基づく別の制度です。

ネット通販の商品ページにも当てはまりますか

景品表示法上の表示にはインターネットによる広告も含まれます。運用基準は「原則として、告示各号の表示がされている表示媒体に明示する」としています。

「国産」と書けば必ず足りますか

運用基準第七項の方法で明示されていれば原則として不当表示に該当しませんが、第八項により、なお紛らわしいときには外国の国名等と商品との関係を和文で明示する必要があります。

この運用基準はいつのものですか

昭和48年10月16日事務局長通達第12号です。品目又は業種ごとに細則を定めることがあるとされており、衣料品については別途「衣料品の表示に関する運用細則」があります。

参照した一次情報

  • 公正取引委員会「「商品の原産国に関する不当な表示」の運用基準について」(昭和48年10月16日事務局長通達第12号) caa.go.jp(PDF)
    2026年9月22日確認。国名・地名の表示に含まれるもの、日本の事業者の名称・普通名称・法令や商慣習による表示など該当しないもの、「……国の事業者」が本店を有する国の事業者である旨、国産品である旨を明示する4つの方法、なお紛らわしいときに和文で関係を明示する例、表示の場所、「実質的な変更をもたらす行為」に含まれない4つの行為に関する記述はこの資料に基づきます。
  • 公正取引委員会「「商品の原産国に関する不当な表示」の衣料品の表示に関する運用細則」(昭和48年12月5日事務局長通達第15号) caa.go.jp(PDF)
    2026年9月22日確認。「カシミヤ」「ジャージー」「ツィード」を普通名称として取り扱う旨はこの資料に基づきます。

いずれも2026年9月22日に確認しました。

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この記事は、公表されている一次情報をもとに整理したものです。個別の表示の適否については、消費者庁または専門家にご確認ください。

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