美容業は個人事業税の対象です|290万円を超えた分に5%、8月と11月

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結論:美容業も理容業も、個人事業税の対象業種です

所得税と住民税を払って終わり、ではありません。都道府県が課す「個人事業税」があります。

東京都主税局の記載です。

個人の方が営む事業のうち、地方税法等で定められた事業(法定業種)に対してかかる税金です。現在、法定業種は70の業種があり、ほとんどの事業が該当します。

美容業・理容業は第3種事業(税率5%)に挙げられています。ただし、事業主控除が年間290万円あるため、所得がそこに届かない年はかかりません。

この記事は東京都主税局のページを一次情報にしています。個人事業税は都道府県税で、根拠は地方税法ですが、手続の細部は都道府県ごとに案内が異なります。お住まいの都道府県の案内をご確認ください。

1. 自分の業種がどこに入るか

区分ごとに税率が違います。美容室・サロンに関係しそうなものを抜き出します。

区分 税率 挙げられている業種(抜粋)
第1種事業(37業種) 5% 物品販売業、飲食店業、不動産貸付業、駐車場業、請負業、広告業、写真業、席貸業、旅館業、公衆浴場業(むし風呂等)
第2種事業(3業種) 4% 畜産業、水産業、薪炭製造業
第3種事業(30業種) 5% 理容業、美容業、クリーニング業、デザイン業、コンサルタント業、医業、税理士業、諸芸師匠業、公衆浴場業(銭湯)
第3種事業のうち 3% あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業、装蹄師業

気をつけたいのは3%の行です。あんま・マッサージ・指圧・はり・きゅう・柔道整復は3%ですが、美容業は5%です。同じ「体を扱う仕事」でも区分が違います。

物販を併せている場合は物品販売業(第1種)、店内で飲み物を出して対価をとっていれば飲食店業(第1種)に触れる可能性があります。どの業種に当たるかの判断は、当サイトではできません。都税事務所等にご確認ください。

2. 計算の順番に、見落としやすい加算があります

示されている算式です。

(事業所得又は(及び)不動産所得 + 所得税の事業専従者給与(控除)額 - 個人の事業税の事業専従者給与(控除)額 + 青色申告特別控除額 - 各種控除額)× 税率 = 税額

注目すべきは「+ 青色申告特別控除額」です。

個人の事業税には青色申告特別控除の適用はありませんので、所得金額に加算します。

所得税で65万円を引いた人も、個人事業税の計算では65万円が戻されます。「所得税の所得金額がそのまま使われる」と思っていると、想定より税額が出ます。

白色申告の専従者控除にも差があります。

青色申告の場合・・・・・その給与支払額(所得税の事業専従者給与額)
白色申告の場合・・・・・配偶者の場合は86万円、その他の方の場合は1人50万円が限度

3. 事業主控除は年290万円、途中開業なら月割り

控除額は、年間290万円(営業期間が1年未満の場合は月割額)です。

月割額も示されています。1か月なら242,000円、6か月なら1,450,000円、12か月で2,900,000円です。

年の途中で開業した1年目は、290万円まるごとではなく月数分になります。7月開業(6か月)なら145万円です。ここを290万円のつもりでいると、初年度に予想外の通知が来ます。

4. 赤字は3年繰り越せます(ただし申告が前提)

繰越控除の条件が明記されています。

次の控除を受けるには、原則として、所得税、住民税、事業税のいずれかの申告を一定の期限内に毎年行っていることが必要です。

  • 損失の繰越控除:青色申告者で事業の所得が赤字となったとき、翌年以降3年間
  • 被災事業用資産の損失の繰越控除:白色申告者で、震災・風水害・火災などによる事業用資産の損失、翌年以降3年間
  • 譲渡損失の控除と繰越控除:直接事業の用に供する資産(機械、装置、車両等。土地・家屋等を除く)の譲渡損失。青色申告をした方は翌年以降3年間

3つ目は見落としやすいところです。使っていたシャンプー台や車を売って損が出た場合が該当しえます。

5. 申告は原則不要。ただし廃業した年は別です

個人で事業を営んでいる方は、毎年3月15日までに前年中の事業の所得などを、都税事務所(都税支所)・支庁に申告することになっています。ただし、所得税の確定申告や住民税の申告をした方は個人の事業税の申告をする必要はありません。この場合には、それぞれの申告書の「事業税に関する事項」欄に必要事項を記入してください。

確定申告書の「事業税に関する事項」欄を空欄のまま出している方は多いと思います。ここが個人事業税の申告を兼ねています。

廃業した年は扱いが変わります。

年の中途で事業を廃止した場合は、所得税の確定申告や住民税の申告とは別に、廃止の日から1か月以内(死亡による廃止の場合は4か月以内)に個人の事業税の申告をしなければなりません。

6. 納めるのは8月と11月の2回

原則として8月、11月の年2回(第1期納期限 8月31日、第2期納期限 11月30日(※休日の場合はその翌日))。8月に都税事務所・支庁から送付する納税通知書により各納期に納めます。

所得税とはタイミングが半年ずれています。3月に所得税を払い切って安心していると、8月に通知が届きます。3月の時点で8月・11月分を見込んで残しておくのが実務です。

納付方法は、窓口のほか口座振替、コンビニエンスストア、クレジットカード納付、スマートフォン決済アプリ、ペイジー対応のATMが挙げられています。

7. 減免と、不動産貸付業の線引き

減免の対象として挙げられているのは次の場合です。いずれも納期限までに申請が必要とされています。

  • 災害等により損害を受けたとき
  • 生活保護法により生活扶助を受けているとき
  • 高額な医療費の支出があったとき
  • 納税者または扶養親族等が障害者であるとき

もう一点、自宅の一部を貸している方に関係する基準があります。不動産貸付業・駐車場業の認定基準として、住宅の一戸建なら棟数が10以上、一戸建以外なら室数が10以上、住宅以外の独立家屋なら棟数が5以上、住宅用土地なら契約件数10以上または貸付総面積2,000㎡以上などが示されています。共有物件は持分にかかわりなく物件全体の貸付状況で認定されます。

会計ソフトで所得を把握しておく場合

以下は広告です。当サイトでは、これらのソフトが個人事業税の計算や通知の管理にどこまで対応するかを検証していません。対応状況・料金・プランは変更されることがあるため、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。優劣を示すものではなく、選択肢として並べています。

青色申告をする場合:やよいの青色申告オンライン

白色申告の場合:やよいの白色申告オンライン

もう一方の選択肢:

FAQ

所得が290万円以下なら申告も要りませんか。

申告と課税は別の話です。所得税の確定申告や住民税の申告をしていれば個人事業税の申告は不要とされています。控除の結果として税額が出ないだけです。

青色申告特別控除は効かないのですか。

「個人の事業税には青色申告特別控除の適用はありませんので、所得金額に加算します」とされています。

納付書は届きますか。

個人事業税は「8月に都税事務所・支庁から送付する納税通知書により各納期に納めます」とされています。所得税とは違い、通知が届く仕組みです。

自分の仕事が70業種に入るか分かりません。

当サイトでは個別の業種判定ができません。都税事務所等の窓口にご確認ください。

東京都以外でも同じですか。

根拠は地方税法ですが、当サイトが確認したのは東京都主税局のページだけです。他の道府県の運用は確認していません。

参照した一次情報

  • 東京都主税局「個人事業税」 tax.metro.tokyo.lg.jp
    2026年9月17日確認。法定業種70、区分ごとの税率と業種、税額の算式、青色申告特別控除の加算、事業主控除290万円と月割額、繰越控除、申告の期限、納期と納付方法、減免、不動産貸付業の認定基準に関する引用はこのページに基づきます。

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