詐欺の被害は雑損控除になりません|対象は災害・盗難・横領、10%と5万円の2つの式

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結論:詐欺と恐喝は対象外です

先にここを書きます。国税庁の記載です。

なお、詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。

フィッシングサポート詐欺でお金を取られても、雑損控除にはなりません。対象になるのは盗難と横領です。ここを混同すると、申告のときに時間を無駄にします。

1. 対象になる損害の原因は5つだけ

  1. 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
  2. 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
  3. 害虫などの生物による異常な災害
  4. 盗難
  5. 横領

この5つです。自分の不注意で壊した、値下がりした、といったものは入りません。

2. 対象になる資産の要件

所有者の要件です。

  • 納税者本人
  • 納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が58万円以下(令和8年分から適用される金額は62万円以下、令和2年分から令和6年分までは48万円以下)の方

資産の種類の要件です。

棚卸資産もしくは事業用固定資産等または「生活に通常必要でない資産」のいずれにも該当しない資産であること。

事業用の資産は雑損控除の対象外です。個人事業主が店舗の設備をやられた場合、雑損控除ではなく事業所得の計算の側の話になります。当サイトではその処理を確認していません。

「生活に通常必要でない資産」の例として、国税庁は別荘など趣味・娯楽・保養・鑑賞の目的で保有する不動産(平成26年4月1日以後は同じ目的で保有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権など)も含む)や、貴金属(製品)や書画、骨董など1個または1組の価額が30万円超のものを挙げています。

3. 金額は2つの式の「多い方」

(1)(損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)×10%
(2)(災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円

(1)は所得の10%を超えた部分、(2)は取壊し・除去の費用が5万円を超えた部分です。どちらか多い方を使います。

所得が大きい人ほど(1)の足切りが厳しくなるので、(2)が効く場面があります。

4. 用語の意味

用語意味
損害金額損害を受けた時の直前におけるその資産の時価を基にして計算した損害の額
災害等関連支出①災害により滅失した住宅・家財などを取壊しまたは除去するために支出した金額など
②盗難や横領により損害を受けた資産の原状回復のための支出など
災害関連支出上記①の金額(②は含まない)
保険金等の額災害などに関して受け取った保険金や損害賠償金など

保険金等の額はまず損害金額から差し引き、それを超える場合に災害(等)関連支出の金額から差し引くとされています。

5. 時価の計算には「合理的な計算方法」があります

国税庁は、災害により被害を受けた住宅や家財、車両の損失額の「合理的な計算方法」で計算できるとしています。また、損害を受けた資産が減価償却資産である場合には、取得価額から非業務用資産として計算した減価償却費累積額相当額を控除した金額を基礎として計算することもできるとされています。

当サイトでは計算表の内容を確認していません。領収書が残っていない家財を一つずつ時価評価するのは現実的でないため、この方法が用意されています。

6. 控除しきれない分は3年繰り越せます

損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後3年間(東日本大震災または令和5年4月1日以後に発生する特定非常災害により生じた損失額については5年間)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができます。

さらに重要な一文があります。

雑損控除は他の所得控除に先だって控除することとなっています。

純損失の繰越しとは別の制度です。雑損控除の繰越しは、青色申告でなくても使えます。

7. 災害減免法との選択

国税庁の注記です。

雑損控除とは別に、その年の所得金額の合計額が1,000万円以下の人が災害にあった場合は、災害減免法による所得税の軽減免除があり、納税者の選択によりどちらか有利な方法を選べます。

当サイトでは災害減免法の軽減額を確認していません。盗難・横領は災害減免法の対象ではないため、この選択は災害の場合の話です。

8. 手続きと書類

確定申告書に雑損控除に関する事項を記載し、災害等に関連したやむを得ない支出の金額の領収を証する書類を添付するか提示します。

実務として残しておくものです。

  1. 被害の写真(日付が分かる形で)
  2. 取壊し・除去・原状回復の見積書と領収書
  3. 保険金の支払通知
  4. 盗難・横領なら警察への届出の記録(受理番号など)

国税庁には「シロアリの駆除費用」「詐欺による損失」などの質疑応答事例があります。当サイトではこれらの内容を確認していません。

備えの側については防災用品停電への備えで整理しています。

確定申告の入力を会計ソフトで行う場合

以下は広告です。当サイトでは、これらのソフトが雑損控除の入力にどこまで対応するかを検証していません。対応状況・料金・プランは変更されることがあるため、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。優劣を示すものではなく、選択肢として並べています。

青色申告をする場合:やよいの青色申告オンライン

白色申告の場合:やよいの白色申告オンライン

もう一方の選択肢:

FAQ

振り込め詐欺の被害は雑損控除になりますか。

いいえ。国税庁は「詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません」としています。

店の設備が被災した場合は。

棚卸資産や事業用固定資産等は雑損控除の対象外とされています。事業所得側の取扱いは当サイトでは確認していません。

保険金が下りたら使えませんか。

保険金等の額を差し引いた後の金額で計算します。まず損害金額から差し引き、超える場合に災害(等)関連支出から差し引くとされています。

1年で引ききれません。

翌年以後3年間(東日本大震災または令和5年4月1日以後に発生する特定非常災害は5年間)繰り越せます。

領収書がない家財はどうしますか。

国税庁は住宅や家財、車両の損失額の「合理的な計算方法」で計算できるとしています。内容は国税庁のページでご確認ください。

参照した一次情報

  • 国税庁 タックスアンサー No.1110「災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」 nta.go.jp
    2026年9月16日確認。損害の原因5つと詐欺・恐喝が対象外である旨、対象資産の要件(所有者の所得金額、棚卸資産・事業用固定資産等・生活に通常必要でない資産の除外、30万円超の貴金属等)、2つの計算式と10%・5万円、損害金額・災害等関連支出・保険金等の額の定義と差引きの順序、合理的な計算方法と減価償却資産の取扱い、3年(特定非常災害は5年)の繰越しと他の所得控除に先だって控除する旨、災害減免法との選択と1,000万円以下という要件、添付書類に関する引用はこのページに基づきます。

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この記事は当サイト運営者が執筆しました。税理士等の専門家による記事ではありません。上記の確認日以降に国税庁の記載が変わっている可能性があります。個別の判断および災害減免法との比較は、所轄の税務署へお願いします。

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