小規模企業共済は20年で元本を超えます|共済金A・B・準共済金・解約手当金

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結論:自己都合でやめると、20年未満は元本割れします

中小機構の記載です。

納付した掛金に対して100%以上の解約手当金をお受け取りいただけるのは、掛金納付月数が240か月(20年)以上からです。掛金納付月数が、240か月(20年)未満で任意解約をした場合は、掛金合計額を下回ります。

掛金が全額所得控除になる話は小規模企業共済等掛金控除の記事に書きました。この記事は出口のほう、つまり受け取るときに何がいくら戻るかです。

結論から言えば、「いつやめるか」ではなく「どういう事由でやめるか」で金額が変わります。

1. 受け取れるお金は4種類です

共済金等とは、「共済金A」「共済金B」「準共済金」「解約手当金」のことを言います。それぞれ、どのような事由が生じたときに請求できるのかが決まっており、それらの事由を「請求事由」といいます。

個人事業主の場合の請求事由です。

種類 請求事由(個人事業主の場合)
共済金A 個人事業を廃業した場合(複数の事業を営んでいる場合は、すべての事業を廃止したことが条件)/共済契約者の方が亡くなられた場合
共済金B 老齢給付(65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ方が対象。お仕事を続けたまま請求できます)
準共済金 個人事業を法人成りした結果、加入資格がなくなった場合
解約手当金 任意解約/機構解約(掛金を12か月以上滞納した場合に中小機構が行う解約)/法人成りしたが加入資格はなくならず、解約をした場合

注目したいのは共済金Bです。65歳以上で180か月(15年)以上納めていれば、事業を続けたまま受け取れます。「廃業しないと受け取れない」制度ではありません。

2. 金額はどのくらい違うのか

中小機構が示している例です。掛金月額1万円で加入した場合の基本共済金です。

掛金納付年数 掛金合計額 共済金A 共済金B 準共済金
5年 600,000円 621,400円 614,600円 600,000円
10年 1,200,000円 1,290,600円 1,260,800円 1,200,000円
15年 1,800,000円 2,011,000円 1,940,400円 1,800,000円
20年 2,400,000円 2,786,400円 2,658,800円 2,419,500円

準共済金は、20年でようやく掛金合計額をわずかに上回る水準です。共済金Aとは35万円以上の差がついています。

そして解約手当金です。同じ月1万円の例(平成16年4月以降の加入者)。

掛金納付年数 掛金合計額 解約手当金
5年 600,000円 480,000円
10年 1,200,000円 1,020,000円
15年 1,800,000円 1,665,000円
20年 2,400,000円 2,400,000円

5年でやめると12万円減ります。解約手当金の額は「掛金の納付月数に応じて、納付した掛金の80%から120%に相当する額」とされています。

3. 掛け捨てになる期間があります

共済金A・Bの「請求事由」が生じた時点で、掛金納付月数が6か月未満の場合は、共済金A、共済金Bはお受け取りいただけず、納付した掛金は掛け捨てとなります。

準共済金の「請求事由」が生じた時点で、掛金納付月数が12か月未満の場合は、準共済金はお受け取りいただけず、納付した掛金は掛け捨てとなります。

解約手当金も同じです。

解約手当金は、共済契約が解約された時点において、掛金納付月数が12か月以上のときにお受け取りいただけます。掛金納付月数が12か月未満の場合は、解約手当金のお受け取りはできず、納付した掛金は掛け捨てとなります。

共済金A・Bは6か月、準共済金と解約手当金は12か月が最低ラインです。

4. 増額・減額したときの落とし穴

加入期間が240か月以上でも、途中で掛金を増額/減額した場合で掛金区分ごとの掛金納付月数が240か月を下回ったときは、任意解約した場合に受け取れる解約手当金が掛金合計額を下回ることがあります。

※掛金納付月数は掛金月額500円を1口とした掛金区分ごとに数えます。

ここは見落としやすいところです。加入から20年経っていても、増額した分だけは20年に届いていないということが起こります。「20年経ったから安心」とは言い切れません。

5. 12か月滞納すると解約されます

解約手当金の請求事由に「機構解約」があります。

掛金を12か月以上滞納した場合に、中小機構が行う解約です。

自分でやめたつもりがなくても、払えない状態が1年続けば解約扱いになります。しかも解約手当金は20年未満なら元本割れです。資金繰りが苦しいときは、解約よりも先に掛金の減額を検討することになります(減額した場合の扱いは上記4のとおりです)。

6. 「廃業」と「法人成り」で扱いが変わります

同じ「事業をやめる」でも、

  • 廃業 → 共済金A(最も有利)
  • 法人成りして加入資格がなくなった → 準共済金
  • 法人成りしたが加入資格はなくならず、解約した → 解約手当金(最も不利)

法人成りを考えている方は、加入資格が残るかどうかで受け取れるものが変わります。当サイトでは個別のケースを判断できません。中小機構または委託機関にご確認ください。

なお、備考として「平成22年12月以前に加入した個人事業主が、全額金銭出資により法人成りをしたときは(中略)共済金Aとなります」「平成28年3月以前に、配偶者または子へ事業の全部を譲渡したことにより廃業した場合は準共済金となります」といった加入時期による例外も置かれています。

7. 基本共済金のほかに付加共済金があります

共済金A・B、準共済金の基本共済金(固定額)は、小規模企業共済法施行令(別表第一)で定められています。

毎年度の運用収入等に応じて、経済産業大臣が毎年度定める率により算定される付加共済金がある場合は、その金額が、基本共済金(固定額)に加算されます。

解約手当金には、付加共済金の加算はありません。

上の表は基本共済金だけの金額です。付加共済金は年度によってあるとは限りません。当サイトでは将来の付加共済金を予測しません。

8. 受け取る前に確認すること

  1. 自分の請求事由がどれに当たるか(廃業か、法人成りか、任意解約か)
  2. 掛金納付月数(6か月・12か月・180か月・240か月の線をまたいでいるか)
  3. 途中で増額・減額していないか(掛金区分ごとに月数を数えます)
  4. 65歳以上で180か月以上なら事業を続けたまま共済金Bを請求できる
  5. 税金の扱い(受け取り方によって課税関係が変わります。当サイトでは確認していません。中小機構または税務署にご確認ください)

資金繰りと積立を合わせて管理する場合

以下は広告です。当サイトでは、これらのソフトが小規模企業共済の管理にどこまで対応するかを検証していません。対応状況・料金・プランは変更されることがあるため、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。優劣を示すものではなく、選択肢として並べています。

青色申告をする場合:やよいの青色申告オンライン

もう一方の選択肢:

FAQ

何年で元本を超えますか。

任意解約の場合、「100%以上の解約手当金をお受け取りいただけるのは、掛金納付月数が240か月(20年)以上から」とされています。

事業を続けたまま受け取れますか。

共済金B(老齢給付)は「65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ方」が対象で、「お仕事を続けたまま、共済金を請求できます」とされています。

掛金を止めたらどうなりますか。

「掛金を12か月以上滞納した場合」は中小機構による解約(機構解約)となり、解約手当金の扱いになります。

途中で増額しても20年で元本は超えますか。

「掛金区分ごとの掛金納付月数が240か月を下回ったときは(中略)掛金合計額を下回ることがあります」とされています。

受け取ったお金に税金はかかりますか。

当サイトでは、共済金等の課税関係を一次情報で確認していません。中小機構または所轄の税務署にご確認ください。

参照した一次情報

  • 中小機構(共済サポートnavi)「共済金等請求・解約」 kyosai-web.smrj.go.jp
    2026年9月18日確認。共済金A・B・準共済金・解約手当金の区分と個人事業主の請求事由、6か月・12か月未満の掛け捨て、掛金月額1万円の場合の基本共済金と解約手当金の受取例、解約手当金が掛金の80%から120%である旨、240か月(20年)で100%以上となる旨、増減額した場合の掛金区分ごとの月数、機構解約、基本共済金と付加共済金の根拠に関する引用はこのページに基づきます。

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