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結論:警戒しても「約7%」、注意なら「約0.4%」です
臨時情報の意味を、内閣府のガイドラインは数字で示しています。
(巨大地震警戒の場合)大規模地震発生の可能性は、平常時と比べて百倍程度高い状態(おおむね0.1%程度⇒約7%)にある。
(巨大地震注意の場合)大規模地震発生の可能性は、平常時と比べて数倍程度高い状況(おおむね0.1%程度⇒約0.4%)にある。
「百倍」と聞くと身構えますが、約7%です。逆に言えば、9割以上は後発地震が起きません。だから「全部やめて逃げる」でも「無視する」でもない対応が設計されています。
南海トラフ地震そのものについては南海トラフの記事に書きました。この記事は臨時情報が出たときに何をするかです。
1. 臨時情報は段階的に出ます
最初に出るのは(調査中)です。
気象庁は、南海トラフ沿いの想定震源域及びその周辺で速報的な評価で算出されたマグニチュード6.8以上の地震が発生、又はプレート境界面で通常とは異なるゆっくりすべり等を観測した際は、南海トラフ地震との関連性について調査を開始する旨を臨時情報(調査中)として発表します。
その後、「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」が開かれて評価が行われ、結果に応じて(警戒)(注意)などが発表される流れです。
調査中の段階では、まだ何も確定していません。ここで慌てて買い占めに走るのではなく、次の発表を待つ設計になっています。
2. (警戒)と(注意)の分かれ目
| 情報 | 発表される条件 |
|---|---|
| 臨時情報(巨大地震警戒) | 想定震源域内のプレート境界においてMw8.0以上の地震が発生(半割れケース) |
| 臨時情報(巨大地震注意) | 想定震源域内のプレート境界においてMw7.0以上Mw8.0未満の地震、もしくはプレート境界以外や想定震源域の海溝軸外側50km程度までの範囲でMw7.0以上の地震が発生(一部割れケース)/プレート境界面で通常とは異なるゆっくりすべりを観測(ゆっくりすべりケース) |
「ゆっくりすべり」は、ひずみ計等で有意な変化として捉えられる、短い期間にプレート境界の固着状態が明らかに変化しているような現象と説明されています。揺れを感じない現象でも(注意)が出ることがある、ということです。
3. 期間は「1週間」が基本です
先発地震発生後、最も警戒する期間は1週間を基本とする。
1週間という長さの根拠も書かれています。
一般的に、避難等の平時と異なる防災対応を長期間継続することは現実的に困難であり、自治体アンケートの結果では、避難指示等が発令された場合、社会的に影響が出るまでの期間としては、「3日程度」、「1週間程度」との回答が多かった(中略)社会の状況と社会的な受忍の限度を加味して、最も警戒する期間としては、先発地震発生後「1週間」とする。
「1週間経てば安全」という意味ではありません。地震発生の可能性は時間とともに下がっていくこと、そして社会が耐えられる長さ、この2つから決められた期間です。
4. 1週間の後、さらに1週間あります
地震発生から1週間、後発地震が発生しないまま経過した場合には、その後更に1週間、巨大地震注意対応をとる。
つまり(警戒)が出たら、合計2週間の構えになります。
ゆっくりすべりの場合は期間の決め方が違います。
すべりの変化が収まってから変化していた期間とおおむね同程度の期間の様子を見て、新たな変化が見られなかった場合にその変化はおおむね収束したと評価することができるため、変化していた期間とおおむね同程度の期間が経過するまで巨大地震注意対応をとることとする。
5. (警戒)で求められること
ガイドラインの記述です。地域によって2段構えになっています。
・津波の到達が早く、事前の避難が必要な地域では、市町村の指示に従い、対象者は事前避難を行う。
・臨時情報の発表に伴い防災対応をとるべき地域では、安全な避難場所・避難経路の確認や家具の固定など「日頃からの地震への備え」の再確認、及び、昼夜問わず津波警報等が発表されても速やかに避難し命を守ることができるよう、すぐに逃げられる態勢の維持や非常持出品の常時携帯など「特別な備え」を実施し、その上で社会経済活動を継続する。
ここが誤解されやすいところです。全員が避難するのではありません。事前避難をするのは事前避難対象地域の対象者だけで、それ以外の人は備えを固めたうえで、いつもどおり働き、生活します。
6. 「特別な備え」の中身
ガイドラインが具体的に挙げているのは次のとおりです。
- 安全な避難場所・避難経路、家族との連絡手段、家具の固定状況、非常食などの備蓄の再確認(=日頃からの備えの再確認)
- すぐに逃げられる態勢の維持
- 非常持出品の常時携帯
- 地震が発生した場合に危険性が高い場所をなるべく避ける
- できるだけ安全な部屋で就寝する
「できるだけ安全な部屋で就寝する」は、今日からでもできることです。備蓄の考え方は家庭備蓄の記事にまとめました。
7. (注意)で求められること
臨時情報(注意)が発表された場合、地震発生から1週間(中略)、巨大地震注意対応として、「日頃からの地震への備え」の再確認、及び(中略)「特別な備え」を実施し、その上で社会経済活動を継続する。
(警戒)との違いは事前避難があるかどうかです。備えの内容そのものは共通しています。
8. 臨時情報が出ないまま起きることもあります
ガイドラインは、対応期間中に別の地震が起きた場合の情報発表についても項目を立てています。そして当サイトの南海トラフの記事でも触れたとおり、前触れなく発生する可能性があります。
臨時情報は「出たら備えを固める」ための仕組みであって、「出るまで備えなくてよい」という仕組みではありません。
9. 今日のうちに決めておくこと
- 自宅・店舗が事前避難対象地域に入っているか市町村に確認する
- 入っていない場合の「特別な備え」を具体化する(持出品、寝る部屋、連絡手段)
- 2週間続く前提で、仕事と生活をどう回すか決めておく
- (調査中)の段階では次の発表を待つ
- ハザードマップで津波・土砂災害の危険性を確認する(ハザードマップの記事)
当サイトでは、個別の地域が事前避難対象地域に当たるかを判断できません。お住まいの市町村にご確認ください。
停電と持ち出しの備えについて
以下は広告です。当サイトでは、これらの製品が臨時情報発表時の備えにどこまで役立つかを検証していません。仕様・価格・内容は変更されることがあるため、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。優劣を示すものではなく、選択肢として並べています。
電源の備え:
持ち出し袋の選択肢:
FAQ
臨時情報が出たら仕事を休むのですか。
ガイドラインは「特別な備え」を実施し「その上で社会経済活動を継続する」としています。事前避難を行うのは事前避難対象地域の対象者です。
どのくらいの確率で次が来るのですか。
(警戒)で「おおむね0.1%程度⇒約7%」、(注意)で「おおむね0.1%程度⇒約0.4%」と示されています。
1週間過ぎたら解除ですか。
(警戒)の場合、1週間経過後は「その後更に1週間、巨大地震注意対応」をとるとされています。
揺れていないのに情報が出ることはありますか。
あります。「通常とは異なるゆっくりすべり」を観測した場合も(調査中)および(注意)の対象です。
臨時情報が出なければ大きな地震は来ませんか。
そうとは限りません。前触れなく発生する可能性があります。
参照した一次情報
- 内閣府(防災担当)「南海トラフ地震臨時情報防災対応ガイドライン」(令和7年8月改訂) bousai.go.jp(PDF)
2026年9月18日確認。臨時情報(調査中)の発表条件(M6.8以上またはゆっくりすべり)、評価検討会、(警戒)(注意)の発表条件と確率の記述(約7%・約0.4%)、最も警戒する期間を1週間とする理由と自治体アンケート、(警戒)の1週間経過後にさらに1週間の注意対応をとる旨、ゆっくりすべりケースの期間、巨大地震警戒対応・巨大地震注意対応の内容と「特別な備え」の具体例に関する引用はこのガイドラインに基づきます。 - 内閣府(防災情報のページ)「南海トラフ地震臨時情報が発表されたら!」 bousai.go.jp
2026年9月18日確認。上記ガイドラインおよび関連資料の所在の確認に用いました。
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この記事は当サイト運営者が執筆しました。地震の専門家による記事ではありません。上記の確認日以降に記載が変わっている可能性があります。実際の行動は、気象庁の発表と市町村の指示に従ってください。



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