緊急地震速報は猶予時間を発表しません|震源が近いと原理的に間に合わない

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結論:「あと何秒」は発表されません

気象庁の記載です。

猶予時間については、気象庁から発表する対象地域の最小単位が、都道府県を3〜4つに分割した程度の広がりを持ち、その中でも場所によってかなり異なるものであるため、発表いたしません。

具体的な予測震度も発表されません。

具体的な予測震度や予測長周期地震動階級の値は、±1程度の誤差を伴うものであること、及び、できるだけ続報は避けたいことから発表せず、「強い揺れ」と表現することとしました。

1. 警報が出る条件

地震波が2点以上の地震観測点で観測され、最大震度が5弱以上または最大長周期地震動階級が3以上と予想された場合に発表する。

それぞれに理由が書かれています。

  • 2点以上とした理由:地震計のすぐ近くへの落雷等による誤報を避けるため
  • 震度5弱以上とした理由:震度5弱以上または長周期地震動階級3以上になると顕著な被害が生じ始めるため、事前に身構える必要があるため

長周期地震動階級の追加は令和5年2月1日からです。

2. 震度4の地域まで発表される理由

警報の内容には、強い揺れ(震度5弱以上または長周期地震動階級3以上)が予想される地域に加えて震度4が予想される地域名(全国を約200地域に分割)が含まれます。

震度4以上と予想された地域まで含めて発表するのは、震度を予想する際の誤差のため実際には5弱である可能性があることと、震源域の断層運動の進行により、しばらく後に5弱となる可能性があるというふたつの理由によります。

3. 特別警報でも、鳴り方は同じです

緊急地震速報(警報)のうち、震度6弱以上が予想される場合、または長周期地震動階級4が予想される場合は特別警報(地震動特別警報)に位置づけられています。ただし、

緊急地震速報(警報)においては、特別警報を通常の警報と区別せず発表します。

理由として、予測技術に改善の余地があることと、ごく短時間に区別して伝えることが難しいことが挙げられています。

緊急地震速報(警報)を見聞きしたら、周囲の状況に応じて、あわてずに、まず身の安全を確保してください。これは特別警報の場合も同じです。

4. 間に合わないのは仕様です

解析や伝達に一定の時間(数秒程度)がかかるため、内陸の浅い場所で地震が発生した場合などにおいて、震源に近い場所への緊急地震速報の提供が強い揺れの到達に原理的に間に合いません。

そして、

一般に、緊急地震速報を発表してから強い揺れが到達するまでの時間は、数秒から長くても数十秒程度と極めて短く、場合によっては間に合わないことがあります。

直下型では鳴らないか、揺れと同時になると考えておくのが現実的です。

5. 大きい地震ほどマグニチュードの誤差が大きい

マグニチュードが大きくなるほど、地震断層面におけるずれ破壊の開始から終了までの時間が長くなります。およその目安として、マグニチュード6クラスでは約10秒、マグニチュード8クラスでは約100秒です。

そのため、

マグニチュードが大きな地震では、地震断層面の破壊がまだ続いている中で緊急地震速報を発表することになります。(中略)マグニチュードが大きな地震ほど、誤差が大きくなる可能性があります。

最も危険な地震ほど、速報の精度が落ちるという構造です。

6. 深い地震では推定が難しい

深発地震(深さ100km程度より深い場所で発生する地震)では、沈み込むプレートに沿って地震波が伝わりやすいという性質が顕著に現れるので、震源の直上より震源から離れた場所で揺れが大きくなることがあります(異常震域)。

さらに、

1あるいは2観測点のデータを使っている段階では、深発地震であっても常に震源の深さを10kmに仮定して震度を推定するので、この場合も震度の推定に大きな誤差が発生することがあります。

また、地震観測網から比較的遠い場所(100km程度以遠)で発生する地震でも、推定値の誤差が大きくなる可能性があるとされています。

7. 予報と警報は別のものです

種類発表条件内容
警報2点以上で観測し、最大震度5弱以上または長周期地震動階級3以上予測震度・猶予時間は発表しない
予報P波またはS波の振幅が100ガル以上、またはマグニチュード3.5以上/最大予測震度3以上/長周期地震動階級1以上受信地点の予測震度や主要動到達予測時刻などに利用される

家庭用端末で「あと○秒」と表示されるのは予報を使ったものです。気象庁は予報を地震を検知してから数秒〜1分程度の間に数回(5〜10回程度)発表し、第1報は迅速性を優先、その後精度が高くなっていくとしています。

8. 取り消されるのは誤報だけです

落雷等の地震以外の現象を地震と誤認して発信された緊急地震速報(誤報)のみ取り消すこととし、例えば震度5弱と予想していた地域が震度3以下との予想となった場合などは取り消さない。

予報については、1観測点のみで発信した後、所定の時間が経過しても2観測点目の処理が行われなかった場合、発表から数秒〜10数秒程度でキャンセル報を発信するとされています。島嶼部など観測点密度の低い地域では、実際の地震であってもキャンセル報を発信する場合があるとも書かれています。

気象庁が挙げる日頃の備えは、住宅・建造物の耐震化、家具などの転倒・移動防止、備品の落下防止、ガラスなどの飛散防止です。就寝中に聞いた場合など、とっさの安全確保行動がとれない可能性にも触れられています。

地震後の火災対策は感震ブレーカー、津波は津波警報で整理しています。

停電と避難への備え

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FAQ

「あと何秒で揺れます」と出ないのはなぜですか。

気象庁の警報では対象地域が都道府県を3〜4つに分割した程度の広がりで、場所によって猶予時間がかなり異なるため発表されません。

震度はなぜ発表されないのですか。

予測震度は±1程度の誤差を伴うため、「強い揺れ」と表現することとされています。

鳴らなかったのに揺れました。

震源に近い場所へは原理的に間に合いません。また発表基準を少し下回る状態が続いた後に発表が遅れることもあります。

特別警報は音が違いますか。

いいえ。特別警報を通常の警報と区別せず発表します。行動も同じで、まず身の安全を確保します。

大きな地震ほど正確ですか。

逆です。マグニチュードが大きな地震ほど、誤差が大きくなる可能性があります。M8クラスでは破壊の継続が約100秒とされています。

参照した一次情報

  • 気象庁「緊急地震速報(警報)及び(予報)について」 jma.go.jp
    2026年9月16日確認。警報の発表条件(2点以上、震度5弱以上または長周期地震動階級3以上)とその理由、発表内容と約200地域への分割、予測震度・猶予時間を発表しない理由、震度4の地域を含める2つの理由、続報と取消しの扱い、特別警報の位置づけと区別せず発表する旨、予報の内容と発信条件(100ガル、M3.5以上、最大予測震度3以上)、数秒〜1分で5〜10回程度発表すること、キャンセル報に関する引用はこのページに基づきます。
  • 気象庁「緊急地震速報の特性や限界、利用上の注意」 jma.go.jp
    2026年9月16日確認。強い揺れ到達までが数秒から数十秒であること、震源に近い場所へ原理的に間に合わないこと、発表が遅れる場合、±1階級程度の誤差、観測網から遠い地震や深発地震・異常震域・深さ10km仮定に関する記述、M6クラス約10秒・M8クラス約100秒という破壊継続時間とマグニチュード推定の限界、日頃からの備えの例に関する引用はこのページに基づきます。

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