本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれています。
結論:立ち入らせてはいけない場所に、清掃も含まれます
厚生労働省のガイドライン(令和元年7月1日 基発0701第1号)の記載です。
事業者は、健康増進法において、喫煙専用室などの喫煙可能な場所に20歳未満の者を立ち入らせることが禁止されていることから、20歳未満の労働者を喫煙専用室等に案内してはならないことはもちろん、20歳未満の労働者を喫煙専用室等に立ち入らせて業務を行わせないようにすること(喫煙専用室等の清掃作業も含まれる。)。
カッコ書きが重要です。「清掃作業も含まれる」と明示されています。高校生や19歳のアルバイトに喫煙室の掃除をさせることは、想定されていません。
さらに、年齢の確認についても求められています。
また、20歳未満と思われる者が喫煙専用室等に立ち入ろうとしている場合にあっては、施設の管理権原者等に声掛けをすることや年齢確認を行うことで20歳未満の者を喫煙専用室等に立ち入らせないようにさせること。
1. 2つの法律が重なっています
このガイドラインは、2つの法律を一体で示すものだと書かれています。
| 法律 | 目的 | 課される義務 |
|---|---|---|
| 健康増進法 | 国民の健康の向上 | 多数の者が利用する施設等の管理権原者等に、望まない受動喫煙を防止するための措置義務 |
| 労働安全衛生法(第68条の2) | 職場における労働者の安全と健康の保護 | 事業者に、屋内における労働者の受動喫煙を防止するための措置について努力義務 |
健康増進法は義務、労働安全衛生法は努力義務です。そして、
なお、事業者と管理権原者が異なる場合、当該事業者は、本ガイドラインに基づく対応に当たり、健康増進法の規定が遵守されるよう、管理権原者と連携を図る必要がある。
テナントで入っている店の場合、ビルの管理者と自分(事業者)で役割が分かれます。
2. 「屋内」の定義
「屋内」とは、外気の流入が妨げられる場所として、屋根がある建物であって、かつ、側壁がおおむね半分以上覆われているものの内部を指し、これに該当しないものは「屋外」となること。
屋根があって、壁が半分以上——これが基準です。テラス席やひさしの下が屋内に当たるかは、この基準で判断されます。
3. 施設の区分
| 区分 | 内容 | 原則 |
|---|---|---|
| 第一種施設 | 学校、病院、児童福祉施設など受動喫煙により健康を損なうおそれが高い者が主として利用する施設、および国・地方公共団体の行政機関の庁舎 | 原則敷地内禁煙 |
| 第二種施設 | 第一種施設および喫煙目的施設以外の施設(一般の事務所や工場、飲食店等も含まれる) | 原則屋内禁煙 |
| 喫煙目的施設 | 公衆喫煙所/喫煙を主たる目的とするバー、スナック等/店内で喫煙可能なたばこ販売店 | 目的に応じた扱い |
美容室も事務所も飲食店も、第二種施設です。原則は屋内禁煙です。
4. 「既存特定飲食提供施設」には条件があります
飲食店の経過措置として知られる区分ですが、要件は3つすべてを満たす必要があります。
ア 令和2年4月1日時点で、営業している飲食店であること。
イ 個人又は資本金5,000万円以下の会社が経営しているものであること(一の大規模会社が発行済株式の総数の2分の1以上を有する場合などを除く。)。
ウ 客席面積が100平方メートル以下であること。
令和2年4月1日時点で営業していることが条件です。その後に開業した店は、面積が小さくてもこの区分に入りません。
5. 喫煙専用室では飲食できません
(喫煙専用室は)専ら喫煙をする用途で使用されるものであることから、喫煙専用室内で飲食等を行うことは認められないこと。
「喫煙専用室」と「指定たばこ専用喫煙室」は別のものです。後者について、広告の扱いが定められています。
事業者は、望まない受動喫煙を防止するため、指定たばこ専用喫煙室を設ける施設の営業について広告又は宣伝をするときは、指定たばこ専用喫煙室の設置施設であることを明らかにしなければならないこと。
広告に書く義務があります。チラシやサイトを作るときに関わってきます(チラシの記事)。
6. 20歳以上の労働者への配慮
義務ではなく配慮として、次が挙げられています。
- 勤務シフト、勤務フロア、動線等の工夫——受動喫煙を望まない労働者が喫煙区域に立ち入る必要のないよう、禁煙フロアと喫煙フロアを分ける、喫煙区域を通らない動線にする
- 喫煙専用室等の清掃における配慮——「室内に喫煙者がいない状態で、換気により室内のたばこの煙を排出した後に行うこと」。やむを得ず煙の濃度が高い状態で作業する場合は呼吸用保護具の着用等
- 業務車両内での喫煙時の配慮——健康増進法において喫煙者に配慮義務が課せられていることを踏まえ、同乗者の意向に配慮するよう周知
配達や営業で車を使う場合、車内も対象に入っています。
7. 適用除外の場所にも注意があります
事業者は、健康増進法において適用除外の場所となっている宿泊施設の客室(個室に限る。)や職員寮の個室、特別養護老人ホーム・有料老人ホームなどの入居施設の個室、業務車両内等についても、望まない受動喫煙を防止するため、20歳未満の者が喫煙可能な場所に立ち入らないよう措置を講じること。
法律上は適用除外でも、20歳未満は別という整理です。
8. 店として確認すること
- 自分の店が第二種施設か(事務所・美容室・一般の飲食店は第二種)
- 原則屋内禁煙であることを前提に設計する
- 喫煙室を設けるなら技術的基準を満たす必要がある
- 20歳未満のスタッフを喫煙室に入れない(清掃も含む)
- 清掃は人がいない状態で、換気してから
- 指定たばこ専用喫煙室があるなら広告に明示
当サイトでは、個別の施設の区分判定や、技術的基準の適合についての判断ができません。また、助成制度については「これらに要する経費の一部については助成を受けること」との記載を確認しましたが、内容は確認していません。所管の労働基準監督署または都道府県にご確認ください。
労務の記録をソフトで管理する場合
以下は広告です。当サイトでは、これらのソフトが受動喫煙対策に関係する機能を持つかを検証していません。対応状況・料金・プランは変更されることがあるため、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。優劣を示すものではなく、選択肢として並べています。
青色申告をする場合:やよいの青色申告オンライン![]()
もう一方の選択肢:
FAQ
19歳のアルバイトに喫煙室の掃除を頼めますか。
ガイドラインは「20歳未満の労働者を喫煙専用室等に立ち入らせて業務を行わせないようにすること(喫煙専用室等の清掃作業も含まれる)」としています。
美容室はどの区分ですか。
第二種施設は「第一種施設及び喫煙目的施設以外の施設(一般の事務所や工場、飲食店等も含まれる)」とされ、原則屋内禁煙です。
テラス席は屋内ですか。
「屋内」は「屋根がある建物であって、かつ、側壁がおおむね半分以上覆われているものの内部」とされています。
小さい飲食店は喫煙できると聞きました。
「既存特定飲食提供施設」は令和2年4月1日時点で営業・個人または資本金5,000万円以下・客席面積100平方メートル以下の3つすべてを満たす必要があります。
喫煙室でコーヒーを出せますか。
喫煙専用室については「喫煙専用室内で飲食等を行うことは認められない」とされています。
参照した一次情報
- 厚生労働省「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」(令和元年7月1日 基発0701第1号) mhlw.go.jp(PDF)
2026年9月19日確認。健康増進法と労働安全衛生法第68条の2の位置づけ(措置義務と努力義務)、事業者と管理権原者が異なる場合の連携、「屋内」の定義、第一種施設・第二種施設・喫煙目的施設の定義、既存特定飲食提供施設の3要件、喫煙専用室での飲食が認められない旨、指定たばこ専用喫煙室の広告への明示、20歳未満の者を喫煙専用室等に立ち入らせない旨(清掃作業を含む)と年齢確認、適用除外の場所における20歳未満への措置、20歳以上の労働者への配慮(勤務シフト・清掃・業務車両内)に関する引用はこのガイドラインに基づきます。助成制度の内容および罰則は確認していません。
関連記事
- 美容所の消毒は方法ごとに時間が決まっています|煮沸2分、エタノール10分、紫外線20分
- 2024年4月から労働条件の明示事項が4つ増えました|「変更の範囲」と更新上限
- ストレスチェックが50人未満の事業場にも義務化されます|令和10年4月1日から
- サロンのチラシ・ショップカードをつくる前に|景品表示法で引っかかる表現と、入稿でつまずく点
- 宿は原則として宿泊を拒めません|令和5年12月に追加された「特定要求行為」
この記事は当サイト運営者が執筆しました。社会保険労務士等の専門家による記事ではありません。上記の確認日以降に記載が変わっている可能性があります。個別の判断は、所管の労働基準監督署または都道府県へお願いします。



コメント