白髪はなぜ生えるのか|抜くとどうなるか、染める頻度をどう決めるか

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この記事は医師によるものではありません。毛髪診断士である当サイト運営者が、業界団体の公開情報をもとに整理したものです。頭皮や皮膚の症状については皮膚科を受診してください。

結論:白髪は「色をつくる働きが止まった髪」です

髪の色はメラニン色素で決まります。日本ヘアカラー工業会(JHCIA)の説明を引用します。

白髪ができるのは、毛根部分の機能が低下し、メラニン色素がつくられなくなるためと考えられます。主に加齢により白髪になっていきますが、他には遺伝、日常生活のストレス、食べものなどの影響もあるようです。

ここで注意していただきたいのは、JHCIA自身が「考えられます」「あるようです」という書き方をしている点です。断定されていません。当サイトでも断定しません。

そして実務的に重要なのは、すでに伸びてしまった髪の色は、体の側からは変わらないということです。色は毛根でつくられるものだからです。すでに白い部分を黒くしたいなら、外から染料を入れる(染める)以外の方法はありません。

この記事の想定読者

  • 白髪が気になりはじめた方
  • 「白髪は抜くと増える」の真偽を知りたい方
  • 染める頻度をどう決めればいいか迷っている方

1. 髪の色が決まる仕組み

JHCIA「毛髪の基礎知識」の記載です。

毛乳頭のまわりにある毛母細胞の間にはメラノサイトという色素形成細胞があり、これが髪の色をつくるメラニン色素を分泌します。このメラニン色素は、髪を形成するキューティクル(毛小皮)、コルテックス(毛皮質)、メデュラ(毛髄質)の3層のうち、髪全体の95%を占めるコルテックスの中に沈着します。

髪色は、コルテックスの中にあるメラニン顆粒という微小な粒で決まります。このメラニン顆粒内のメラニン色素の種類(黒褐色のユーメラニンと黄赤色のフェオメラニンがあります)、顆粒の大きさ、量によって決まるわけです。

つまり、色は髪の中心近く(コルテックス)に入っています。表面のキューティクルではありません。だから表面をコーティングするタイプの製品では、白髪を黒く「戻す」ことはできません。

2. 髪は1か月で約1cm伸びます

白髪対策を考えるうえで、この数字が一番役に立ちます。

頭髪は、1日で約0.3mm、1か月で約8〜10mmの速さで伸びます。

ヒトのヘアサイクルは、毛球毎に異なっていますので、1日平均50〜70本の毛髪が自然脱毛しますが、頭髪は全部で約10万本もありますから、全体をみるとほぼ一定に保たれています。

ここから、次のことが言えます。

経過根元の伸び(目安)
2週間約4〜5mm
1か月約8〜10mm
2か月約16〜20mm
3か月約24〜30mm

「色持ち」と「根元が気になる」は別の話です

ここを混同している方がとても多いです。

酸化染毛剤(いわゆるヘアカラー・白髪染め)の色持ちは、JHCIAの分類で2〜3か月とされています。しかし根元は1か月で約1cm伸びます。

つまり「色は残っているのに、根元の白髪が目立つ」という状態は正常です。このとき必要なのは全体を染め直すことではなく、伸びた部分への対応です。この2つを分けて考えると、髪への負担も費用も変わってきます。

また、1日に50〜70本抜けるのは自然だという点も覚えておいてください。排水口の抜け毛の本数だけで慌てる必要はありません(急に大きく増えた、地肌が透けてきた、などの変化がある場合は別です)。

女性の薄毛・抜け毛の原因と受診の目安|自分で判断できること、できないこと

3. 「白髪は抜くと増える」は本当か

当方では、この説の根拠を確認できていません。JHCIAの公開情報にも、増える・増えないの記載はありません。ここで「増えます」「増えません」と書くことはしません。

そのうえで、確認できる事実から言えることを書きます。

  • 髪は毛根でつくられます。抜くという行為は毛根に物理的な力を加えることです
  • 抜いても、その毛穴から生えてくる髪の色をつくる働きが戻るわけではありません。また白い髪が生えてきます
  • 頭皮に炎症や痛みが出た場合は、皮膚科の領域です

増えるかどうか以前に、抜いても解決しないというのが実際のところです。気になる場合は、根元で短く切るか、染めるかのどちらかになります。

4. 染める場合の選択肢

「白髪染め」という名前の商品カテゴリがあるわけではありません。JHCIAの分類では、白髪染めもおしゃれ染めも同じ「酸化染毛剤」です。仕組みは同じで、通称が違うだけです。

白髪に使える製品の分類と色持ちを整理すると、次のようになります。

分類通称色持ちパッチテスト
酸化染毛剤(医薬部外品)白髪染め/ヘアカラー2〜3か月毎回必須
非酸化染毛剤(医薬部外品)オハグロ式白髪染め約1か月毎回必要
半永久染毛料(化粧品)ヘアマニキュア約2〜4週間製品により指示あり
半永久染毛料(化粧品)カラートリートメントシャンプーのたびに少しずつ色落ち製品により指示あり
一時染毛料(化粧品)ヘアファンデーション/ヘアマスカラ一度のシャンプーで落ちる

根元が1cm伸びるまでの「つなぎ」なら、一時染毛料で足ります。毎回しっかり染める必要はありません。分類ごとの詳しい違いは別記事にまとめています。

ヘアカラーの色持ちは種類で決まる|2〜3か月・2〜4週間・1回で落ちるの違い

5. かぶれについて(必ずお読みください)

白髪染めは繰り返す施術です。回数が多いぶん、ここは軽く扱えません。JHCIAの記載です。

これまでかぶれることなく使用していた製品であっても、花粉症のように突然に症状がでることがあり、かぶれに気付かずヘアカラーを繰り返すと重いアレルギー反応を起こすことがあります。

パッチテストは(中略)毎回必ず、ヘアカラーの48時間前から実施する必要があります。

ヘナを含む製品も例外ではありません。ヘンナ(ヘナ)およびヘンナ由来物を含有する製品は、永久染毛剤に準じて毎回パッチテストが必要とされています(平成18年9月6日 薬食安発第0906001号 厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)。

6. 頻度をどう決めるか

提案として、次の順で考えてみてください。

  1. どこが気になるのかを特定する(根元/全体/生え際/分け目)
  2. 根元だけなら、1か月で約1cmという数字を基準に間隔を決める
  3. 間の期間は、一時染毛料などの落とせる手段でしのげないか検討する
  4. 全体を染めるのは、色そのものを変えたいときに絞る
  5. 医薬部外品を使う日は、その48時間前にパッチテストの予定を入れる

全部を毎回フルで染めると、髪への負担も費用も最大になります。分けて考えるだけで、どちらも減らせます。

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FAQ

白髪は元に戻りますか。

髪の色は毛根でつくられ、コルテックスに沈着します。すでに伸びた部分の色が後から体の側で変わることはありません。今後生えてくる髪についてどうかは、当方では判断できません。医学的な相談は医療機関へお願いします。

ストレスで白髪になりますか。

JHCIAは「他には遺伝、日常生活のストレス、食べものなどの影響もあるようです」と記載しています。断定された書き方ではありません。当方でも、どの程度影響するかの一次情報は確認できていません。

1日に何本抜けたら異常ですか。

JHCIAは「1日平均50〜70本の毛髪が自然脱毛します」と記載しています。異常と判断する本数の基準は、当方では確認していません。本数より、地肌の見え方や急な変化のほうが目安になります。気になる場合は皮膚科へご相談ください。

白髪染めは市販とサロンでどちらがいいですか。

どちらが良いとは言えません。ただし市販品を自分で使う場合も、パッチテストは毎回必要です。この手間を含めて比較してください。

カラートリートメントで白髪は隠れますか。

JHCIAは「繰り返し使用することで徐々に染まります」「シャンプーのたびに、少しずつ色落ちします」と記載しています。1回で染め上げる製品ではありません。どの程度染まるかは製品と髪の状態によるため、当方では断定しません。

参照した一次情報

  • 日本ヘアカラー工業会(JHCIA)「毛髪の基礎知識」 jhcia.org
    2026年9月11日確認。毛髪の成長速度・自然脱毛の本数・総本数・メラニンと髪色・白髪の原因に関する引用はこのページに基づきます。
  • 日本ヘアカラー工業会(JHCIA)「ヘアカラーリング製品の分類(詳細)」 jhcia.org
    2026年9月11日確認。分類・色持ち・ヘナ含有製品の取扱いに関する引用はこのページに基づきます。
  • 日本ヘアカラー工業会(JHCIA)「皮膚アレルギー試験(パッチテスト)を実施しましょう」 jhcia.org
    2026年9月11日確認。パッチテストの実施時期に関する引用はこのページに基づきます。

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