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結論:専従者給与を払っている配偶者は、配偶者控除も配偶者特別控除も使えません
これが個人事業主にとって一番大きい分岐です。国税庁の控除対象配偶者の要件の4つ目です。
青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと
配偶者特別控除にも同じ要件(ハ)があります。専従者給与を1円でも払えば、その年は両方とも使えません。どちらが有利かは、支払う給与の額と控除額を並べて比べるしかありません。扶養控除との関係はこちらで整理しています。
1. 令和8年分から「62万円」と「136万円」になりました
配偶者控除を受けられる配偶者の合計所得金額の上限が変わっています。
| 年分 | 配偶者の合計所得金額 | 給与のみの場合の収入 |
|---|---|---|
| 令和8年分 | 62万円以下 | 136万円以下 |
| 令和7年分 | 58万円以下 | 123万円以下 |
| 令和2年分〜令和6年分 | 48万円以下 | 103万円以下 |
国税庁は、この62万円という金額について令和8年12月1日に施行され、令和8年分から適用されると注記しています。いわゆる「103万円の壁」は、配偶者控除の側でも動いています。
2. 配偶者控除の額は、本人の所得で3段階です
| 控除を受ける納税者本人の合計所得金額 | 一般の控除対象配偶者 | 老人控除対象配偶者 |
|---|---|---|
| 900万円以下 | 38万円 | 48万円 |
| 900万円超 950万円以下 | 26万円 | 32万円 |
| 950万円超 1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 |
本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません。
配偶者が障害者の場合は、配偶者控除のほかに障害者控除27万円(特別障害者は40万円、同居特別障害者は75万円)が控除できるとされています。
3. 控除対象配偶者の4要件
その年の12月31日の現況で判定します。
- 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)
- 納税者と生計を一にしていること
- 年間の合計所得金額が62万円以下(令和8年分)であること
- 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと
4. 62万円を超えたら、いきなりゼロにはなりません
配偶者特別控除があります。要件は次のとおりです。
- 控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下
- 配偶者が、民法上の配偶者・生計を一にする・事業専従者でない・合計所得金額が62万円超133万円以下(令和8年分)
- 配偶者が、配偶者特別控除を適用していないこと
- 配偶者が、扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として源泉徴収されていないこと
- 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書についても同様
そして重要な一文があります。
配偶者特別控除は夫婦の間で互いに受けることはできません。
5. 配偶者特別控除の金額(令和8年分以降)
| 配偶者の合計所得金額 | 本人 900万円以下 | 本人 900万円超950万円以下 | 本人 950万円超1,000万円以下 |
|---|---|---|---|
| 62万円超 95万円以下 | 38万円 | 26万円 | 13万円 |
| 95万円超 100万円以下 | 36万円 | 24万円 | 12万円 |
| 100万円超 105万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 |
| 105万円超 110万円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 |
| 110万円超 115万円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 |
| 115万円超 120万円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 |
| 120万円超 125万円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 |
| 125万円超 130万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 |
| 130万円超 133万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 |
95万円までは38万円のままで、そこから段階的に下がります。133万円で終わりです。
6. 「働きすぎると損」は、税金の面では起きにくい
配偶者特別控除は階段状に減っていくので、所得が1円増えた瞬間に世帯の手取りが大きく落ちる、という形にはなっていません。1段下がる幅は3万円〜5万円の控除額です。
ただし社会保険の被扶養者の基準は税とは別の制度です。こちらは当サイトでは確認していません。「壁」として語られるものの多くは社会保険側の話を含んでいます。税と社会保険を混ぜて考えないことです。
7. 個人事業主が実際に決めること
- 配偶者に専従者給与を払うのか、払わないのかを決める(両立しません)
- 払わない場合、配偶者の合計所得金額が62万円/133万円のどちらの側に来るかを見る
- 自分の合計所得金額が900万円・950万円・1,000万円のどこに入るかを見る
- 専従者給与を払うなら、3月15日までの届出と、届出た金額の範囲内という制限を確認する
専従者給与の届出の期限はこちらで整理しています。年末に「やっぱり専従者にしよう」と思っても、届出がなければ払えません。
8. 国税庁が挙げている論点
判断が割れやすい場面として、国税庁は質疑応答事例やQAへのリンクを置いています。
- いわゆる内縁の妻
- 年の中途で控除対象配偶者が死亡した場合の配偶者控除
- 雇用保険法上の求職者給付を受給している場合の所得金額の判定
- 出産育児一時金・育児休業基本給付金の支給を受けている配偶者
- 日本国外に住む親族を配偶者控除の対象とする場合
- 青色事業専従者である妻
- 配偶者控除とひとり親控除の双方適用
当サイトではこれらの内容を確認していません。該当しそうな場合は、国税庁のページか所轄の税務署でご確認ください。
控除の入力を会計ソフトで行う場合
以下は広告です。当サイトでは、これらのソフトが配偶者控除・配偶者特別控除の判定にどこまで対応するかを検証していません。対応状況・料金・プランは変更されることがあるため、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。優劣を示すものではなく、選択肢として並べています。
青色申告をする場合:やよいの青色申告オンライン![]()
白色申告の場合:やよいの白色申告オンライン![]()
もう一方の選択肢:
FAQ
専従者給与を払いながら配偶者控除も受けられますか。
いいえ。控除対象配偶者の要件に「その年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと」とあります。配偶者特別控除にも同じ要件があります。
令和8年分はいくらまでなら配偶者控除ですか。
配偶者の合計所得金額が62万円以下(給与のみなら収入136万円以下)です。62万円超133万円以下は配偶者特別控除の範囲になります。
夫婦でお互いに配偶者特別控除は使えますか。
いいえ。「配偶者特別控除は夫婦の間で互いに受けることはできません」と明記されています。
本人の所得が1,000万円を超えたら。
配偶者控除は受けられません。配偶者特別控除も本人の合計所得金額1,000万円以下が要件です。
内縁の場合は。
国税庁は「内縁関係の人は該当しません」としています。
参照した一次情報
- 国税庁 タックスアンサー No.1191「配偶者控除」 nta.go.jp
2026年9月16日確認。控除額の表(本人の合計所得金額による3段階、一般・老人の別)、控除対象配偶者の4要件、12月31日の現況という判定日、62万円・136万円という令和8年分の金額と過年分の金額、障害者控除の金額に関する引用はこのページに基づきます。 - 国税庁 タックスアンサー No.1195「配偶者特別控除」 nta.go.jp
2026年9月16日確認。適用要件(本人1,000万円以下、事業専従者でないこと、62万円超133万円以下、源泉徴収に関する要件)、夫婦間で互いに受けられない旨、令和8年分以降の控除額の表に関する引用はこのページに基づきます。
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この記事は当サイト運営者が執筆しました。税理士等の専門家による記事ではありません。上記の確認日以降に国税庁の記載が変わっている可能性があります。個別の判断は所轄の税務署へお願いします。社会保険の被扶養者の基準は税とは別の制度です。


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