海外から直販する事業者も電安法の対象になります|PSEマークと12月25日

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結論:12月25日から、海外事業者が直接売る場合も届出と表示が必要になります

電気用品安全法(電安法)が改正され、海外事業者がオンラインモール等を通じて国内の消費者に直接製品を販売する場合も、電安法の義務を負うことになります。経済産業省の2026年2月の資料は施行時期をこう書いています。

改正法の施行に伴い、本年12月25日から、海外事業者がオンラインモール等を通じて国内の消費者に直接製品を販売する場合には、特定輸入事業者として当省へ届け出て、電安法の義務を履行することにより、オンラインで電気用品の販売ができるようになります。

資料が2026年2月付けなので、この「本年12月25日」は2026年12月25日を指します。

1. 電安法は「国による認証制度」ではありません

ここを取り違えると全体の理解がずれます。資料の説明です。

電気用品を製造/輸入する事業者は、自ら義務を履行し、技術基準適合性を事業者の責任で判断することで販売してもよいとする制度です。国による認証制度ではありません。

PSEマークは国のお墨付きではなく、事業者が自分で義務を果たしたという表明です。だから責任も事業者にあります。

2. 2つの区分と品目数

区分 品目数 内容 マーク
特定電気用品 116品目 使用状況からみて特に危険・障害の発生するおそれが多いもの。電線・配線器具のように長時間連続で無監視で使用する物、電気便座などのように人体に直接触れて使用する物など 菱形
特定電気用品以外の電気用品 341品目 ほとんどの家電製品が該当 丸形

また、一般用電気工作物に接続せず単独で使用されるものも電気用品に含まれます。

  • 携帯発電機(定格電圧30〜300V)
  • リチウムイオン蓄電池(単電池1個当たりの体積エネルギー密度が400Wh/L以上。自動車用、原動機付自転車用、医療用機械器具用、産業用機械器具用のものを除く)

資料はリチウムイオン蓄電池の計算例も示しています。単電池の大きさをφ18.3mm×65mm≒0.017Lとすると、定格電圧3.7V×定格容量2.0Ah÷0.017L≒435Wh/Lで、400Wh/L以上に当たります。

3. 義務は4つ

義務 条文 内容
事業届出 法第3条 事業開始の日から30日以内に経済産業大臣へ届出。名称・本社住所・代表者氏名、型式の区分、製造工場の名称・所在地(輸入なら製造事業者の氏名・住所)
基準適合性確認 法第8条第1項 製品の設計内容について危険・障害がないか自ら確認する
自主検査 法第8条第2項 製造・輸入した全数を検査し、検査記録を3年間保存
適合性検査
(特定電気用品のみ)
法第9条 登録検査機関の検査を受け、証明書の交付を受けて保管(3年・5年・7年)

自主検査の記録事項は6項目です。①電気用品名・型式区分・構造・材質・性能の概要、②検査年月日・場所、③検査実施者氏名、④検査数量、⑤検査方法、⑥検査結果。

完成品検査の内容は外観検査(表示内容と鮮明さ、割れ・ひび・変形、組立)、絶縁耐力検査、通電検査の3つです。リチウムイオン蓄電池については外観と出力電圧検査を実施するとされています。

4. 表示しなければ売れません

法第10条により、義務を履行したときに省令で定める方式による表示を付すことができます。表示項目は3つです。

  • PSEマーク
  • 届出事業者名
  • 登録検査機関名(特定電気用品の場合)

そして法第27条が販売を制限しています。

電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、第10条第1項の表示が付されているものでなければ、電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。

陳列も含まれます。販売の目的で並べるだけで対象です。

5. 電気用品名の判断でつまずきます

資料は「規制対象となる電気用品の該非は、事業者の責任で行わなければなりません」として、4つの留意点を挙げています。

  1. 電化製品の用途、機能等により判断
  2. 2以上の機能がある場合、いずれも技術基準への適合性を確認する
  3. 対象の製品であっても、構造、定格等によっては対象外となる場合がある
  4. 対象外の製品であっても、それに同梱している部品が電気用品となる場合がある

資料が挙げている例が分かりやすいです。人が触れても火傷しない程度の電気ヒーターは、患部に当てて温熱治療を行うなら家庭用温熱治療器、座布団として使うなら電気座布団、布団に入れて足を温めるなら電気あんかになります。同じものでも用途で名称が変わり、手続と技術基準も変わります。

技術基準適合性を確認していても、異なる用途で販売すると、法律違反となることがある。

構造でも変わります。室内の加湿装置は、電気ヒーターで湯を沸かすなら湿潤器、ファンでフィルターに風を送るなら電気加湿機、超音波振動子なら超音波加湿機です。

6. 同梱品にも注意が必要です

ノートパソコンのように製品の主体が電気用品でなくても、電気用品を同梱して輸入する場合は同梱する電気用品ごとに義務を履行する必要があります。ただし例外が2つあります。

  • その機器以外では使えない電源コードセットや部分品(機器に直付けのコード、機器と一体となったプラグなど)は、その機器と一体とみなし個別の手続は不要
  • 製品の主体にリチウムイオン蓄電池を「装着」して輸入・販売する場合は機器の一部とみなし個別の手続は不要。「同梱」する場合は個別の手続が必要

装着と同梱で扱いが変わります。

7. 市場監視の4つの経路

経路 内容
試買テスト 市販品を無作為に抽出・購入し、検査機関に委託して技術基準等への適合性を確認
立入検査 製造・輸入事業者には経済産業省またはNITE、販売事業者には地方公共団体が実施
ネットパトロール インターネットで販売されている電気用品の表示義務の履行状況を確認
オンラインモール事業者による出品前審査 運営事業者から義務履行状況の確認を求められる

不適合が確認された場合、是正されるまで販売の自粛を依頼されます。義務不履行が発覚し技術基準適合性の説明責任を果たせなかった場合、既販品の回収を指示することがあります(法第42条の5)。

8. 改正の4項目

項目 内容
海外事業者の規制対象化 取引DPFを利用して国内の輸入事業者を介さず直接販売する海外事業者を届出対象として明確化し、国内管理人の選任を求める
出品削除要請等の創設 国内消費者に危険が及ぶおそれがあり、出品者によるリコール等が期待できないとき、取引DPF提供者に出品削除を要請できる
届出事項の公表制度 届出事業者の氏名、特定電気用品の型式の区分、国内管理人の氏名等を公表する
法令等違反行為者の公表制度 法律や命令等に違反する行為を行った者の氏名等を公表できる

国内管理人については注意書きがあります。特定輸入事業者の承諾を得ないまま国内管理人等が事業開始届出を行う事例が確認されており、必ず承諾を得た上で手続を行うよう求められています。国内管理人が義務を適切に行わなかった場合、特定輸入事業者に対して表示の禁止等の措置が行われることがあります。

実務としてやること

  1. 扱う製品がコンセントに接続するものなら、電気用品に該当する可能性を前提に確認する。
  2. 該当する場合、特定電気用品(116品目)か特定電気用品以外(341品目)かを確認する。菱形と丸形でマークが変わります。
  3. 製造・輸入を始めるなら、事業開始から30日以内に届出をする。届出書のコピーは保管する(立入検査やモール出品時に提示を求められます)。
  4. 用途と構造から電気用品名を確定させる。同じ製品でも用途が変われば名称・手続・技術基準が変わります。
  5. 同梱品を点検する。主体が電気用品でなくても、同梱した電源アダプターやリチウムイオン蓄電池は個別に対象になり得ます。
  6. 全数の自主検査を行い、6項目の記録を3年保存する。
  7. 海外から仕入れる場合、欧米でIEC規格を満たす製品でも国内の技術基準に適合するとは限りません(デビエーション)。追加確認が必要かを確かめる。
  8. 海外事業者として直接販売する立場なら、2026年12月25日以降は特定輸入事業者としての届出と国内管理人の選任が必要になります。

よくある質問

テストレポートをもらえば義務を果たしたことになりますか

資料は明確に否定しています。「テストレポートを入手しているだけでは義務を果たしたことになりません」として、どのような試験で確認しどのような結果となったのかを理解し、自ら説明責任を果たせるようにすることを求めています。

登録検査機関に相談できますか

できません。登録検査機関はISO/IEC17065に基づく体制が要件とされており、適合性検査を依頼してきた者へのコンサルティング(助言、提案など)を行うことができません。該非の判断に迷う場合は経済産業省製品安全課または事業場所在地を管轄する経済産業局の製品安全室が相談先です。

旧電気用品取締法の表示はどうなりますか

附則第6条により、改正前の電気用品取締法第25条第1項による表示は、法第10条第1項の規定により付された表示とみなされます。

罰則はどうなっていますか

今回参照した資料には罰則の金額の記載がなかったため未確認です。資料に記載があるのは、販売自粛の依頼と法第42条の5による回収の指示です。

参照した一次情報

  • 経済産業省 産業保安・安全グループ製品安全課「電気用品安全法の概要や義務について」(2026年2月) meti.go.jp(PDF)
    2026年9月27日確認。国による認証制度ではないという位置づけ、116品目/341品目、携帯発電機30〜300V、リチウムイオン蓄電池400Wh/Lとその計算例、法第3条・第8条・第9条・第10条・第27条・第42条の5の内容、自主検査の6記録事項と3年保存、完成品検査の3項目、電気用品名の該非判断の4留意点と用途・構造による例、同梱品の扱いと装着/同梱の違い、市場監視の4経路、改正の4項目と2026年12月25日という施行時期、国内管理人に関する注意、テストレポートとISO/IEC17065に関する記述、附則第6条はこの資料に基づきます。
  • 経済産業省「特定電気用品(116品目)一覧」 meti.go.jp
    2026年9月27日確認。特定電気用品の品目一覧が掲載されているページです。
  • 経済産業省「特定電気用品以外の電気用品(341品目)一覧」 meti.go.jp
    2026年9月27日確認。特定電気用品以外の電気用品の品目一覧が掲載されているページです。

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この記事は公開されている資料の記述を整理したものです。個別の製品が電気用品に該当するかどうか、必要な手続の判断は経済産業省製品安全課または管轄の経済産業局製品安全室にご確認ください。

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