災害時のトイレは1日5回で計算します|携帯トイレと、50人に1基という目安

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結論:トイレは1人1日5回で計算します

内閣府(防災担当)の「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」が示している目安です。

市町村は、過去の災害における仮設トイレの設置状況や、国連等における基準を踏まえ、
・災害発生当初は、避難者約50人当たり1基
・その後、避難が長期化する場合には、約20人当たり1基
・トイレの平均的な使用回数は、1日5回
を一つの目安として、備蓄や災害時用トイレの確保計画を作成することが望ましい。

家庭の備蓄に置き換えると、計算はこうなります。

家族の人数 1日分 3日分 7日分
1人 5回 15回 35回
2人 10回 30回 70回
3人 15回 45回 105回
4人 20回 60回 140回

携帯トイレは「1回分」が1袋です。4人家族で1週間なら140袋。食料や水に比べて、この数字を持っている家庭は多くありません。

1. 過去の災害では、どのくらいだったか

ガイドラインが引いている実績です。

災害名 仮設トイレの数 状況等
北海道南西沖地震 約20人に1基 混乱なし
阪神・淡路大震災 約75人に1基 この数量が配備された段階で苦情が殆どなくなる
雲仙普賢岳噴火災害 約120人〜140人に1基 不足気味

「約20人に1基で混乱なし」「約120〜140人に1基で不足気味」という幅です。ガイドラインが長期化時に約20人当たり1基を挙げているのは、この実績に沿ったものです。

比較として、平常時の基準も載せられています(事務所衛生基準規則第17条)。

  • 男性用大便所の便房:同時に就業する男性労働者60人以内ごとに1個以上
  • 男性用小便所:同時に就業する男性労働者30人以内ごとに1個以上
  • 女性用便所の便房:同時に就業する女性労働者20人以内ごとに1個以上

2. 発災直後は、水洗トイレを使ってはいけません

これが最も重要な行動です。

水道が使える場合、または、水が確保できる場合であっても、発災直後は下水処理場等の被害状況が確認されるまでは、水洗トイレの使用を禁止し、災害用トイレを使用すること。また、平時から災害時の水洗トイレの使用ルールを決め、住民に周知しておくことが重要である。

水が流れることと、下水が流れることは別です。配管や下水道が壊れていると、流した汚水が下の階や建物内に逆流します。バケツの水で流せる、と判断するのは危険です。

3. 家のトイレを「携帯トイレ用」にする方法

ガイドラインは、既設トイレの使い方を便器の種類別に示しています。

便器 やり方
洋式便器 携帯トイレを使用する際に、便器内の水が浸透することがないよう、便座にビニール袋をかぶせて固定し、その上に携帯トイレを付けて使用する
和式便器 まず便器の上に板や段ボール等を置いて、便器を封鎖し、その上に簡易トイレを設置して使用する

洋式の手順は2枚使います。1枚目(ビニール袋)で便器内の水と切り離し、2枚目(携帯トイレ)で受けるという構造です。1枚目は使い回せますが、2枚目は毎回替えます。

4. 既設トイレが使えると、数が確保しやすい

平時に使用している既設トイレが使用できれば、トイレの個数を確保しやすくなるとともに、個室確保の観点からも望ましい。

仮設トイレを運び込むより、いま建物にあるトイレを携帯トイレで使うほうが早い、ということです。避難所の個数の算出についても、

トイレの個数については、施設のトイレの個室(洋式便器で携帯トイレを使用)と災害用トイレを合わせた数として算出する。

また、高齢者や障害者への配慮として、

高齢者や障害者等にとっては、和式便器の使用は極度に困難であるので、既設トイレを洋式便器化していくことが望ましい。

バリアフリートイレについては、上記の個数に含めず、避難者の人数やニーズに合わせて確保することが望ましいとされています。

5. 数字は「目安」だと明記されています

ただし、これらは目安であり、避難所におけるトイレの個数については、避難者の状況や被害の程度等により必要となる個数が異なる。各避難所では、トイレの待ち時間に留意し、避難者数(男女毎も含む)に見合ったトイレの個数と処理・貯留能力を確保することが重要である。

「待ち時間」と「男女別」という視点が入っています。数だけ揃っていても、並ぶ時間が長ければトイレを我慢することになり、水分摂取を控えることにつながります。

6. 家庭でやること

  1. 携帯トイレを「回数」で数える(1人1日5回×人数×日数)
  2. まず3日分、可能なら1週間分を目標にする
  3. 自宅のトイレが洋式ならビニール袋+携帯トイレ、和式なら板や段ボールで封鎖+簡易トイレと決めておく
  4. 使用済みの袋を入れるごみ袋と、凝固剤・消臭を一緒に用意する
  5. 発災直後は水洗トイレを流さないと家族で決めておく
  6. 高齢の家族がいるなら和式での使用が難しいことを前提に考える

食料と水の備蓄については家庭備蓄の記事、持ち出し袋については防災グッズの記事にまとめています。

当サイトでは特定の防災用品を推奨しません。ガイドライン本文と、お住まいの自治体の情報をご確認ください。

FAQ

携帯トイレは何回分用意すればよいですか。

ガイドラインはトイレの平均的な使用回数を1日5回としています。人数×5回×備蓄日数で計算します。

水が汲めれば水洗トイレを使えますか。

ガイドラインは「水道が使える場合、または、水が確保できる場合であっても、発災直後は下水処理場等の被害状況が確認されるまでは、水洗トイレの使用を禁止し、災害用トイレを使用すること」としています。

避難所のトイレは何人に1基ですか。

目安として災害発生当初は約50人当たり1基、避難が長期化する場合は約20人当たり1基が示されています。

洋式トイレで携帯トイレを使うコツはありますか。

便器内の水が浸透しないよう、便座にビニール袋をかぶせて固定し、その上に携帯トイレを付けて使用します。

和式トイレしかありません。

便器の上に板や段ボール等を置いて便器を封鎖し、その上に簡易トイレを設置して使用します。なお、ガイドラインは高齢者や障害者にとって和式便器の使用は極度に困難としています。

参照した一次情報

  • 内閣府(防災担当)「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(平成28年4月) bousai.go.jp(PDF)
    2026年9月21日確認。トイレの個数の目安(災害発生当初 約50人当たり1基、長期化時 約20人当たり1基)、平均的な使用回数1日5回、過去の災害における仮設トイレの数、事務所衛生基準規則第17条の基準、個数算出の考え方とバリアフリートイレの扱い、目安であることの注記、既設トイレの活用と発災直後の水洗トイレ使用禁止、洋式・和式の携帯トイレの使い方、洋式便器化の推奨に関する記述はこのガイドラインに基づきます。災害用トイレの種類ごとの特徴、マンホールトイレの整備、自治体の計画づくりの手順は、本記事では扱っていません。

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この記事は当サイト運営者が執筆しました。上記の確認日以降にガイドラインが改訂されている可能性があります。実際の備えは、お住まいの自治体の情報とあわせてご検討ください。

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