ジェルネイルは硬化するときに60〜65℃になります|接着剤は170℃近くまで

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結論:セルフネイルのやけどは、光ではなく「化学反応の熱」で起きています

国民生活センターの商品テストから、2つの数字を先に出します。

何がどこまで熱くなるか公表
ジェルネイル(LEDライトで硬化させるとき)ネイルチップ裏側で60〜65℃2018年9月6日
瞬間接着剤・つけ爪用接着剤(ティッシュや衣類に染みこんだとき)最高170℃近く2024年6月19日

どちらも硬化するときに出る反応熱です。ライトが熱いのでも、火に近づけたのでもありません。

1. ジェルネイル:厚く塗ると、9秒で最高温度になります

消費生活センター等からの依頼で行われたテストです。相談内容はこうでした。

「通信販売で購入し、初めて使用するジェルネイルを硬化させるため、LEDライトを照射したところ、1、2秒で異常に熱くなり爪をやけどした。やけどする温度になるか調べてほしい。」

テストは、ネイルチップの半分に薄く、残り半分に厚くジェルネイルを塗って、LEDライトを照射する形で行われました。

テストの結果、厚く塗布した側のほうが、LEDライトを照射した直後から急激に発熱が始まり9秒後には最高温度となりました。照射開始後30秒が経過しても高い温度を維持していました。

また、厚く塗付した場合の硬化する際のネイルチップの裏側の温度を調べてみると、60〜65℃に達することが確認されました。

やけどになるかどうかの判断材料として、国際規格が引かれています。

「ISO 13732-1 温熱環境の人間工学-表面接触時の人体反応の評価法-」に、「プラスチック、木材の表面に1分接触時の熱傷閾値は60℃」と記載されていることを参考にすると、厚く塗付した場合はやけどにいたる可能性があると考えられます。

ポイントは塗る厚さです。薄い側では急激な発熱は確認されていません。「一度で仕上げたいから厚めに塗る」が、そのまま発熱量につながります。

当時の表示についても指摘があります。

当該品の添付書類、販売サイトにおいて、厚く塗付すると硬化時に高温になることについての表示は見られませんでした。

テスト結果を受けて、事業者は販売サイトと添付書類に発熱に関する注意表示を追加したと報告しています。

2. つけ爪用接着剤:ティッシュで拭くと170℃近くになります

2023年11月にPIO-NETに寄せられた事例です。

つけ爪用接着剤が手指に垂れ、ティッシュペーパーで拭き取ったところ、II度のやけどを負い、1カ月以上の通院を要するとの診断を受けたという事例

仕組みが説明されています。

瞬間接着剤の主成分には、一般的にシアノアクリレート系の物質が使用されています。シアノアクリレート系の物質は、空気中や接着面の水分と反応して重合し硬化する際に反応熱が発生します。特に、ティッシュペーパーや布などに染みこんで表面積が拡大すると、化学反応が急激に進み大きな反応熱が発生することがあり、その部分に触れるとやけどをするおそれがあります。

再現テストの結果です。

ティッシュペーパーや衣類などに染みこませた場合、最高170℃近くまで温度が上昇しました。
瞬間接着剤は、すぐに硬化するため、発熱時には、接着部分を容易にはがすことができませんでした。

相談事例には、「指がえぐれてしまった」というものもあります。

つまり、こぼしたときにやってはいけない対処が「ティッシュで拭く」です。これは多くの人が反射的にやる動作です。

表示の状況

つけ爪用接着剤には、発熱に関する注意表示がみられない銘柄もありました。
つけ爪用接着剤は家庭用品品質表示法の対象外ですが、同法で定める項目が全て表示されていると考えられたのは6銘柄中1銘柄でした。

モノ用の瞬間接着剤6銘柄とつけ爪用接着剤6銘柄が調べられています。つけ爪用は品質表示法の対象外という点は、覚えておく価値があります。

PIO-NETには、2019年度以降に瞬間接着剤によりやけど等をしたという危害情報が7件寄せられており、2024年5月には子どもにつけ爪用接着剤がかかりやけどをしたという事故も報道されています。

3. 国民生活センターが出しているアドバイス

  1. 瞬間接着剤はティッシュペーパーや衣類などの染みこみやすい繊維質のものに染みこむと短時間で発熱し、やけどをする場合があるので注意する
  2. 使用中に誤って付着させた場合の対処方法を覚えておく
  3. 使用前には商品の表示や取扱説明書を読み、ポリエチレン手袋を装着して扱う

業界・事業者への要望としては、シアノアクリレート系の物質を含む接着剤について、用途によらず成分名および発熱に関する取扱い上の注意を表示することが挙げられています。

4. セルフでやるときのチェックリスト

  1. ジェルは薄く、何回かに分けて塗る(厚塗りが発熱量を決めます)
  2. 照射中に熱いと感じたらライトから手を出す(9秒で最高温度、30秒経っても高温が続きます)
  3. 接着剤はポリエチレン手袋をして扱う
  4. こぼしたらティッシュや布で拭かない(170℃近くになります)
  5. 買う前に発熱に関する注意表示があるかを見る(つけ爪用は品質表示法の対象外です)
  6. 子どもの手が届くところに置かない

当サイトでは特定のネイル製品を推奨しません。やけどを負った場合は医療機関を受診してください。製品の不具合や事故については、消費者ホットライン188または最寄りの消費生活センターにご相談ください。

FAQ

ジェルネイルの硬化で熱いのは、ライトが熱いからですか。

いいえ。テストでは、厚く塗った側で照射直後から急激に発熱が始まり9秒後に最高温度となりました。硬化するときの発熱です。

何度くらいになりますか。

厚く塗付した場合、ネイルチップの裏側で60〜65℃に達することが確認されています。ISO規格ではプラスチック・木材の表面に1分接触時の熱傷閾値は60℃とされています。

薄く塗れば大丈夫ですか。

テストで急激な発熱が確認されたのは厚く塗布した側です。薄く塗ることは対策になりますが、熱さを感じたら照射を中断してください。

つけ爪用接着剤をこぼしたら、どうすればいいですか。

ティッシュペーパーや衣類で拭かないでください。染みこんで表面積が広がると化学反応が急激に進み、最高170℃近くまで上がります。国民生活センターは、使用前に誤って付着させた場合の対処方法を覚えておくことをアドバイスしています。

つけ爪用接着剤に注意表示は必ずありますか。

ありません。発熱に関する注意表示がみられない銘柄もあり、つけ爪用接着剤は家庭用品品質表示法の対象外です。

参照した一次情報

  • 国民生活センター「硬化時に発熱してやけどを負ったジェルネイル(相談解決のためのテストから No.123)」(2018年9月6日公表) kokusen.go.jp
    2026年9月19日確認。テストの方法と結果(9秒後に最高温度、30秒経過後も高温を維持、裏側で60〜65℃)、ISO 13732-1の熱傷閾値60℃、当該品の表示の状況と事業者の対応に関する記述はこのページに基づきます。報告書本文(PDF)の詳細は本記事では扱っていません。
  • 国民生活センター「瞬間接着剤の使用によるやけどに注意-つけ爪用接着剤にも使用されています-」(2024年6月19日公表) kokusen.go.jp
    2026年9月19日確認。相談事例(II度のやけど・1カ月以上の通院)、シアノアクリレート系物質の反応熱の仕組み、再現テストの結果(最高170℃近く)、表示の調査結果(6銘柄中1銘柄、家庭用品品質表示法の対象外)、消費者へのアドバイス、業界・行政への要望に関する記述はこのページに基づきます。報告書本文(PDF)の詳細、および要望後の対応状況は本記事では確認していません。

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