1日8,000歩は週23メッツ・時の言い換えです|歩行6,000歩+生活活動2,000歩

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結論:「1日8,000歩」は、週23メッツ・時を言い換えたものです

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人への推奨をこう書いています。

強度が3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上行うことを推奨する。具体的には、歩行又はそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上行うことを推奨する(1日約8,000歩以上に相当)。

よく見かける「1日8,000歩」は、このガイドの言い換えです。ガイド自身が理由を書いています。

推奨事項である「3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上」は、一般の方にとって理解しにくい可能性があるため、概ねこの推奨事項に相当する「1日60分以上の身体活動」「1日8,000歩以上」を推奨しましょう。

1. 8,000歩の内訳は「歩く6,000歩+家事などの2,000歩」

ここが誤解されやすいところです。ガイドの説明です。

3メッツ以上の身体活動・運動として、例えば毎日60分歩けば、ほぼ週23メッツ・時に相当します。60分の歩行は約6,000歩に相当します。また、3メッツ未満の(家事などの)生活活動は1日約2,000歩に相当します。このため、1日の合計は約8,000歩となります。

つまり「8,000歩を歩け」ではありません。意識して歩く分が約6,000歩、日常生活で自然に出る分が約2,000歩、という足し算です。歩数計の数字を見るときはこの前提で見ることになります。

2. 推奨はライフステージで3段階です

対象身体活動座位行動
成人3メッツ以上の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上/週23メッツ・時以上)座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する(立位困難な人も、じっとしている時間が長くなりすぎないよう、少しでも身体を動かす)
高齢者3メッツ以上の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上/週15メッツ・時以上)
こども
(身体を動かす時間が少ないこどもが対象)
中強度以上(3メッツ以上)の身体活動を1日60分以上。高強度の有酸素性身体活動や筋肉・骨を強化する身体活動を週3日以上座りっぱなしの時間を減らす。特に余暇のスクリーンタイムを減らす

ガイドは、「高齢者」「成人」「こども」を特定の年齢で区切ることはしていません。生活習慣・生活様式・環境要因の影響で個人差が大きいことが理由として挙げられています。

3. 成人には、歩数のほかに2つあります

成人の推奨事項は歩くことだけではありません。全部で5つです。

  1. 個人差を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む。今よりも少しでも多く身体を動かす
  2. 3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上(1日60分以上、約8,000歩以上)
  3. 3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上。具体的には息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上
  4. 筋力トレーニングを週2〜3日(週4メッツ・時の運動に含めてもよい)
  5. 座位行動(座りっぱなし)の時間が長くなりすぎないように注意する

2と3は別の項目です。歩く60分/日のほかに、息が弾む運動60分/週筋トレ週2〜3日がある、という構成になっています。

4. 「座位行動」がこのガイドで新しく入った考え方です

定義はこうです。

座位や臥位の状態で行われる、エネルギー消費が1.5メッツ以下の全ての覚醒中の行動(例えば、デスクワークをすることや、座ったり寝ころんだ状態でテレビやスマートフォンを見ること)

日本の状況について、ガイドはこう書いています。

平成25年の国民健康・栄養調査によると、平日1日の総座位時間に関して8時間以上と回答した男性は38%、女性は33%もいることが明らかになりました。世界20カ国における平日の総座位時間を調査した研究でも、日本人の総座位時間は世界的にみてかなり長いことが報告されています。

立って仕事をするのが難しい場合についても、立位困難な人も、じっとしている時間が長くなりすぎないように少しでも身体を動かすという形で推奨が書かれています。

5. 「20分続けないと意味がない」は否定されています

ガイドのQ&Aに、はっきりした回答があります。

Q 1回の身体活動で「20分以上継続しなければ効果がない」などの最短持続時間や「週3回以上実施しなければ効果がない」などの最低限実施しなければいけない頻度はありますか?
A ありません。短い時間の積み重ねでも健康増進効果は得られます。また、週に1回でも健康増進効果があることが報告されています。

まとまった時間が取れないことを理由に何もしない、という状態を想定した回答です。

6. 現状値と目標値を並べると、距離がわかります

「健康日本21(第三次)」の目標です。

区分現状値(令和元年)目標値(令和14年度)
1日の歩数(総数)6,278歩7,100歩
20〜64歳 男性7,864歩8,000歩
20〜64歳 女性6,685歩8,000歩
65歳以上 男性5,396歩6,000歩
65歳以上 女性4,656歩6,000歩
運動習慣者の割合(総数)28.7%40%

運動習慣者は「1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している者」という定義です。

7. メッツの計算は、覚えなくても使えます

一応、定義を書いておきます。

メッツとは、身体活動の強度を表し、安静座位時を1メッツとし、その何倍のエネルギーを消費するかという指標。(中略)身体活動によるエネルギー消費量(kcal)は、メッツ×時間(h)×体重(kg)で推定することが可能である。

ガイドの例では、体重50kgの人が歩行(3メッツ)を30分行った場合、3×0.5×50=75kcalと推定されます。歩行の強度は3メッツです。

8. 実務としてやること

  1. 今の歩数を1週間だけ測る(スマートフォンの機能で足ります)
  2. 8,000歩の内訳が歩行6,000+生活活動2,000であることを前提に見る
  3. 足りない分を通勤・買い物・家事に足せないか考える
  4. 息が弾む運動を週60分筋トレ週2〜3日を別枠で置く
  5. 座りっぱなしを切る(8時間以上が男性38%・女性33%という国です)
  6. 「20分続かないから意味がない」という前提は捨てる

当サイトでは個別の運動処方を行いません。持病がある方、治療中の方は、主治医にご相談のうえ取り組んでください。

FAQ

1日8,000歩、全部歩かないといけませんか。

いいえ。ガイドの説明では60分の歩行が約6,000歩家事などの生活活動が1日約2,000歩で、合計が約8,000歩という内訳です。

高齢者も8,000歩ですか。

高齢者の推奨は1日40分以上(約6,000歩以上、週15メッツ・時以上)です。ただしガイドは年齢で明確に区切っていません。

まとめて20分以上動かないと効果がないと聞きました。

ガイドのQ&Aで否定されています。短い時間の積み重ねでも健康増進効果は得られ、週に1回でも効果があると報告されているとされています。

歩けば筋トレは不要ですか。

成人の推奨には筋力トレーニングを週2〜3日が別項目として入っています。週4メッツ・時の運動に含めてもよいとされています。

デスクワーク中心で、歩く時間が取れません。

ガイドは、運動だけでなく家事や仕事などの生活場面で身体を動かすこと、すきま時間に体操などで身体を動かすことも効果的としています。加えて座位時間を少しでも減らすことが推奨されています。

参照した一次情報

  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(令和6年1月) mhlw.go.jp(PDF)
    2026年9月19日確認。成人・高齢者・こどもの推奨事項、8,000歩の内訳、座位行動の定義と総座位時間の調査結果、最短持続時間に関するQ&A、メッツの定義と計算式、健康日本21(第三次)の現状値・目標値に関する記述はこのガイドに基づきます。参考資料に掲載されている身体活動・運動の強度一覧、および慢性疾患を有する人向けの情報シートの内容は本記事では扱っていません。

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