サロンのチラシ・ショップカードをつくる前に|景品表示法で引っかかる表現と、入稿でつまずく点

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結論:刷ってしまうと直せません。刷る前に見るのは「表現」と「データ」の2つです

チラシやショップカードは、ウェブと違ってあとから直せません。しかも印刷会社は、あなたの原稿の誤字やレイアウトを直してくれません。いろぷりの記載です。

弊社ではデータ着信後、印刷が出来るデータかどうかチェックを実施いたします。ただし、文字の入力ミスやデザインおよびレイアウトなどに関しては、データチェックの対象とはなりません。

つまり、電話番号が1桁違っていても、そのまま刷られます。ここを前提に、2つの側面から確認します。

  • 表現:景品表示法に引っかからないか(刷ったあとで問題になる)
  • データ:そのまま印刷できる状態か(刷る前に差し戻される)

この記事の想定読者

  • サロンや小さな店舗でチラシ・ショップカード・メニュー表をつくる方
  • デザインは自分で、印刷だけ外注したい方
  • SNSで紹介投稿をお願いしようと考えている方

第1部 表現:景品表示法で引っかかるところ

1. 効果をうたうなら、根拠資料を出せるかどうか

消費者庁の記載です。優良誤認表示(景品表示法5条1号)は次のものを指します。

(1) 内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示
(2) 内容について、事実に相違して競争業者に係るものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示

ここで、サロンにとって一番効いてくるのが不実証広告規制です。

消費者庁長官は、商品・サービスの内容(効果、性能)に関する表示についての優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。事業者が資料を提出しない場合又は提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合は、当該表示は、措置命令との関係では不当表示とみなされ(7条2項)、課徴金納付命令との関係では不当表示と推定される(8条3項)。

読み替えるとこうなります。「効く」と書いた側が、根拠を出す立場になります。「嘘だと証明される」のではなく、「根拠を出せなければ不当表示として扱われる」という構造です。

チラシに効果を書くなら、その前に自問してください。

  • その効果を示す資料は手元にあるか
  • それはメーカーの販促資料ではなく、根拠と言えるものか
  • 期間を区切って提出を求められたとき、出せるか

出せないなら、書かないほうが安全です。当サイトでは、どこまでの資料が「合理的な根拠」に当たるかを判断できません。個別の表現の可否は、管轄の消費生活センターや専門家にご確認ください。

2. 価格とキャンペーンの書き方

有利誤認表示(5条2号)は、価格その他の取引条件についての不当表示です。消費者庁が挙げている例が具体的です。

例 当選者の100人だけが割安料金で契約できる旨表示していたが、実際には、応募者全員を当選とし、全員に同じ料金で契約させていた場合

例 「他社商品の2倍の内容量です」と表示していたが、実際には、他社と同程度の内容量にすぎなかった。

1つ目は、サロンでも起こりがちです。「先着20名様」と刷ったなら、21人目は通常料金である必要があります。実際には全員に同じ割引を適用するなら、最初からそう書くことになります。

2つ目の型は、他店との比較です。比較を書くなら、比較の根拠が必要になります。

3. 2023年10月から:紹介投稿を頼むなら「広告」と分かるように

紙のチラシからは少し離れますが、同じ販促の話なのでここに入れます。消費者庁の記載です。

令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことがいわゆる「ステルスマーケティング」です。

誤解されやすい点が3つあります。

よくある誤解消費者庁の記載
投稿した人が罰せられる規制の対象となるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)です。企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはなりません
SNSだけの話インターネット上の表示(SNS投稿、レビュー投稿など)だけでなく、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌等の表示についても対象です
お客様の投稿も全部アウト個人の感想等の広告でないものや、テレビCM等の広告であることが分かるものは対象外です

つまり責任を負うのは、頼んだ側のお店です。施術を無料にする、商品を渡す、原稿を指定する——こうした依頼・指示があるなら、投稿が広告だと分かる表示が要ります。

一方で、お客様が自分の意思で投稿した感想は対象外とされています。ここを混同して「口コミを書かないでください」と言う必要はありません。

第2部 データ:入稿でつまずくところ

ここからは、ネット印刷「いろぷり」のガイドに記載されている内容です(2026年9月12日確認)。各社で基準は異なるため、実際に発注する会社のガイドを必ずご確認ください。

4. 色:画面の色はそのまま出ません

印刷はCMYK、画面はRGBです。いろぷりの記載です。

CMYKはRGBに比べ、色の表現できる色の範囲が狭くなっています。(中略)特に「青」と「緑」、「ピンク」、「水色」の色の変化が大きいため、これらの色を使用する場合は注意が必要です。

そして見落としやすいのがここです。

Officeデータの色もRGBです。

WordやPowerPointでつくった原稿は、そのままだと印刷用の色ではありません。サロンのイメージカラーが水色やピンクなら、刷り上がりでくすむ可能性があります。

5. 塗り足し:上下左右3mmずつ外側に伸ばす

紙の端まで色や写真を入れるデザインの場合、必要になります。

『塗り足し』の指定の仕方は、仕上がりサイズより上下左右3mmずつ、計6mm外側に伸ばします。はみ出した状態で印刷し、断裁するサイズは元の仕上がりサイズとなります。

切れては困る文字や図柄は仕上がり部分より上下左右3mm程度内側(塗り足しから上下左右6mm内側)に配置します。

理由は、断裁が一度に何枚も重ねて行われ、微妙なズレが避けられないためと説明されています。ショップカードの端ぎりぎりに電話番号を置くと、切れる可能性があります。

6. 解像度:ウェブ用の画像はそのまま使えません

仕上がりイメージ解像度カラーモード
文字のみ、線画のみ(グレーなし)1200 dpi 程度モノクロ2諧調
白黒の写真やイラストがある600 dpi 程度グレースケール
カラーの写真やイラストがある350 dpi 程度CMYKカラー

そのうえで、こう書かれています。

インターネットなどの画像は、72dpiや96dpiあれば綺麗に見えますが、印刷に必要な解像度の5分の1程度しか密度がないため印刷すると粗くなってしまいます。

Instagramに載せた写真をそのまま持ってくると、粗くなります。撮影時の元データを使ってください。また「拡大すればいい」も通用しません。

拡大した場合は画像のサイズは大きくなりますが、pixel(dot)の数が変わらない為、解像度が低く粗くなります。

7. フォント:他人のパソコンに同じ書体はありません

同じフォントが無ければ正確に画面に表示する事はできません。また、使用しているフォントやソフトウェアにより全く読めない記号の羅列のように文字が化けてしまう場合もあります。

対処として挙げられているのが、Illustrator・InDesignでのアウトライン化(文字を図形に変換する)と、PDFのエンベッド(データの中にフォント情報を埋め込む)です。

PDFで入稿する場合の形式も指定されています。

PDF形式でのご入稿の場合は、PDF/X-4、PDF/X-1a準拠のデータでのご入稿をお願いします。

8. 誤字は誰もチェックしません

冒頭に挙げた点を、もう一度置きます。

文字の入力ミスやデザインおよびレイアウトなどに関しては、データチェックの対象とはなりません。

チェックの基準は弊社の必須チェック項目の規程に従います。その際、デザイン・画像の内容や、文章の内容などの問題はチェック対象になりません。

刷る前に、自分で確認するしかありません。最低限これだけは、印刷して声に出して読んでください。

  1. 電話番号(実際にかけてみる
  2. 住所・最寄り駅・駐車場の有無
  3. 営業時間と定休日
  4. 料金と、税込か税抜か
  5. キャンペーンの期間(開始日と終了日、年号)
  6. QRコードを実際に読み取る
  7. SNSのアカウント名(@以下を1文字ずつ)

9. 納期は「入稿した日」からではありません

いろぷりの記載では、データに問題があった場合はこうなります。

問題箇所を修正していただき、再度データの入稿をお願いいたします。再度入稿されたデータをチェックさせていただき、問題が無いと判断した時点で「受注確定日」の決定となります。

データチェックの目安は「営業日内の24時間以内」、冊子など頁数が多い場合は数日かかる場合があるとされています。また金曜と祝前日の営業時間外に入稿した場合は、翌営業日からのチェックになると記載されています。

そして、通ったあとは戻せません。

データチェックが完了した後でデータの差し替え・注文内容の変更につきましてはお受けいたしかねます。

イベントやキャンペーンに合わせるなら、1回で通らない前提でスケジュールを組んでください。

発注先を探す場合

以下は広告です。当サイトはこの会社を利用して品質を確認したわけではありません。上で引用したガイドの内容は、2026年9月12日時点でこの会社のサイトに記載されていたものです。料金・納期・入稿形式は変更されることがあるため、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。

【いろぷり】

ネット印刷は他にも複数あります。優劣を示すものではありません。用紙・部数・納期の条件は会社ごとに異なるため、同じ仕様で見積もりを比べてください。

FAQ

「当店比」と書けば比較を書いてよいですか。

当方では、その表記で足りるかを判断できません。消費者庁が挙げているのは「著しく優良/有利であると誤認される表示」かどうかという基準です。書く場合は、比較の根拠を残しておいてください。

お客様の口コミをチラシに載せてよいですか。

お客様が自分の意思で書いた感想であれば、消費者庁は「個人の感想等の広告でないものは対象外」としています。ただし、依頼や指示をして書いてもらったものは広告にあたります。また、口コミの内容が効果をうたうものであれば、優良誤認の問題は別に残ります。存在しない口コミを載せることは論外です。

無料の写真素材をチラシに使ってよいですか。

当方では各素材サイトの利用規約を確認していません。商用利用の可否、クレジット表記の要否、印刷物への使用可否はサイトごとに異なります。必ず利用規約をご確認ください。

スマホで撮った写真は使えますか。

撮影した元データであれば使える場合があります。ただしSNSにアップロードしたあとの画像は圧縮されていることがあり、解像度の目安(カラーなら350dpi程度)を満たさない可能性があります。元データから使ってください。

デザインも印刷会社に頼めますか。

当方では、いろぷりのデザイン代行の有無や料金を確認していません。各社のサービス内容をご確認ください。

参照した一次情報

  • 消費者庁「表示規制の概要」 caa.go.jp
    2026年9月12日確認。優良誤認表示・有利誤認表示・不実証広告規制の引用はこのページに基づきます。
  • 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」 caa.go.jp
    2026年9月12日確認。ステルスマーケティング規制に関する引用はこのページに基づきます。
  • いろぷり「データ作成時の注意」 iropuri.com
    2026年9月12日確認。CMYK・塗り足し・解像度・フォントに関する引用はこのページに基づきます。1社の基準であり、他社では異なる場合があります。
  • いろぷり「データチェック項目・注意点」 iropuri.com
    2026年9月12日確認。データチェックの範囲・受注確定日・PDF形式に関する引用はこのページに基づきます。

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