停電に備える|何日分を想定するか、ポータブル電源を選ぶときに見る数字

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当サイトでは、紹介している製品の実機を検証していません。仕様・価格・保証条件は変更されることがあるため、購入前に必ずメーカー公式サイトでご確認ください。

結論:先に「何日分」を決める。道具はそのあと

停電対策の相談で一番多いのが「ポータブル電源は何Whを買えばいいか」という質問です。ただ、この質問には何日分の停電を想定するかその間に何を動かすかが決まっていないと答えられません。

順番は、①想定日数を決める → ②電気を使わずに済ませられるものを分ける → ③どうしても電気が要るものだけを電源でまかなう、です。この順で考えると、必要な容量はかなり小さくなります。

1. 何日分を想定するか

農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」には、こう書かれています。

過去の経験によれば、災害発生からライフライン復旧まで1週間以上を要するケースが多くみられます。また、災害支援物資が3日以上到着しないことや、物流機能の停止によって、1週間はスーパーマーケットやコンビニなどで食品が手に入らないことが想定されます。このため、最低3日分~1週間分×人数分の食品の家庭備蓄が望ましいといわれています。

さらに「自治体が作成するハザードマップなどを確認し、お住まいの地域の状況に応じて2週間分など多めに備えることも大切です」とあります。

食品についての記述ですが、「ライフライン復旧まで1週間以上」という部分は電気にもそのままかかります。まずは3日、余裕があれば1週間を目安に置いてください。

2. 停電で止まるもの、止まらないもの

停電したときに何が困るかは、住まいによって変わります。自宅の条件で確認してください。

項目確認すること
明かり各部屋に電池式のライトがあるか。スマホのライトで代用すると、肝心のスマホの電池を削ります
情報電池式ラジオがあるか。通信基地局も停電の影響を受けるため、スマホだけに頼らない
冷蔵庫開けなければしばらく保ちます。開閉を減らすほうが、電源をつなぐより効果的な場合があります
調理ガスコンロが電気を使う点火方式か。カセットコンロとボンベの在庫
給湯・暖房給湯器やエアコンは電気が要ります。石油ストーブも機種によっては電気が必要
集合住宅では、ポンプで各戸へ送水している場合、停電で水も止まります。自宅の建物がどうかは管理会社にご確認ください
出入りオートロック・エレベーターの停止。非常時の解錠方法を確認

この表を埋めると、電源が本当に要るのはどれかが見えてきます。多くの家庭で残るのは「スマホの充電」と「小さな明かり」、そして機器によっては「医療機器」です。

3. 電源を使わずに済むものから埋める

費用対効果でいえば、先に用意すべきはこちらです。

  • 電池式のライト(各部屋に1つ)と乾電池
  • 電池式ラジオ
  • カセットコンロとボンベ
  • 飲料水と食品(最低3日分〜1週間分×人数分)
  • モバイルバッテリー(スマホ数回分)

ここまでで足りるなら、ポータブル電源は不要です。「あると安心だから」ではなく、「これがないと止まるものがある」から買う、という順番にしてください。

4. ポータブル電源で見る数字

そのうえで必要だと判断した場合、カタログで見るのは次の項目です。

項目見方
容量(Wh)使いたい機器の消費電力(W)× 使いたい時間(h)で、必要な目安が出ます。実際には変換のロスがあるため、計算値より余裕を見ます
定格出力(W)同時に動かせる電力の上限。容量が大きくても、定格出力が足りなければその機器は動きません。ドライヤーや電子レンジなど発熱する機器は消費電力が大きく、ここで引っかかります
出力波形製品によって正弦波・擬似正弦波などの違いがあります。機器側が求める条件は機器の取扱説明書で確認してください
出力端子AC(コンセント)、USB、シガーソケットなど。USBだけで足りるならAC出力は要りません
充電方法と時間コンセント/車/ソーラー。停電してからでは充電できないので、普段どこに置いてどう充電しておくかまで決めます
重量持ち出し用か、家に置く用かで許容が変わります。大容量のものは片手で運べません
電池の種類とサイクル寿命何回充放電できるかの表記があります。数年に一度しか使わない前提なら、自己放電と定期的な充電のほうが現実的な問題です

消費電力は、機器本体の銘板シールか取扱説明書に「定格消費電力」として書かれています。買う前に、動かしたい機器の実際の数字を見てください。

5. 「PSEマークがあるか」では判断できません

ここは知っておいてほしい点です。

モバイルバッテリーは電気用品安全法の規制対象で、PSEマークの表示が必要です。ところがAC100Vを出力できるポータブル電源は、この区分の対象外とされています。経済産業省のFAQにこう書かれています。

Q.4 交流100Vも出力できる、いわゆるポータブル電源の扱いは?
A.4 蓄電池の出力は原理上直流に限られており、交流が出力できるポータブル電源は蓄電池に該当しないため、モバイルバッテリーとして扱わず、非対象。

つまり「PSEマークが付いているか」でポータブル電源を選別することはできません。(ここで言う非対象は、あくまで「モバイルバッテリー」という区分についての話です。製品に含まれる他の部分がどう扱われるかは、当方では確認できていません。)

では何を見るか。確認できる範囲では、次の項目です。

  1. リコール情報が出ていないか(製品名で検索する/NITEのサイトで確認する)
  2. 日本語の取扱説明書があるか
  3. 製造元・輸入元と、その連絡先が明記されているか
  4. 保証期間と、保証の窓口が国内にあるか
  5. 購入後に型番を控えておけるか(リコールが出たときに照合するため)

6. 発火のリスクは実際にあります

製品評価技術基盤機構(NITE)の注意喚起には、こう書かれています。

ポータブル電源には可燃性の電解液を含むリチウムイオン電池が複数個入っていて、一度発火すると複数個の電池が次々に発火して大きな火災につながるおそれがあります。お持ちの製品がリコール対象製品かどうか確認を行ってください。リコール対象製品をお持ちの場合は、異常が認められなくても直ちに使用を中止し、販売店や製造事業者に連絡してください。

置き場所も決めておいてください。燃えやすいものの近く、逃げ道をふさぐ位置は避けます。

7. 停電が「復旧したとき」の火災

停電対策で見落とされやすいのが、電気が戻ったときです。総務省消防庁の説明です。

地震火災とは、地震の揺れによる建物や設備の損傷が原因で発生する火災の総称です。電気に起因する火災が特に多く発生しています。地震直後だけでなく、停電後の復電時など時間が経ってから起こることもあります。

対策として消防庁が挙げているのが、避難する際にブレーカーを落とすことと、感震ブレーカーの設置です。

感震ブレーカーは、一定以上の揺れを感知すると自動で電気を遮断する装置です。地震時の電気火災を防ぐためには避難する際にブレーカーを落とすことが有効ですが、大規模地震時など自力でブレーカーを落とすことが難しい場合や、不在時に地震が発生することもあります。

感震ブレーカーは4タイプに整理されています。

タイプ内容電気工事
分電盤タイプ(内蔵型)内蔵センサーが揺れを感知して電力を遮断必要
分電盤タイプ(後付け型)分電盤に後付け。漏電ブレーカーが設置されている場合に設置可能必要
コンセントタイプそのコンセントからの電力供給のみを遮断必要なものと不要なものがある
簡易タイプおもりの落下やバネの力で物理的にブレーカーを落とす不要

また消防庁のページには、地方公共団体が住民の設置に対して補助を行っている場合があると記載されています。購入前にお住まいの自治体のサイトを確認してみてください。

8. 順番のまとめ

  1. 想定日数を決める(最低3日、できれば1週間)
  2. 停電したら何が止まるか、自宅の条件で書き出す
  3. 電気を使わない手段で埋められるものを埋める(ライト・ラジオ・カセットコンロ・水・食品)
  4. 残ったものの消費電力を実機の銘板で調べる
  5. その合計から、容量(Wh)と定格出力(W)を決める
  6. リコール情報・保証・連絡先を確認して買う
  7. 置き場所と、普段の充電のタイミングを決める
  8. 避難時にブレーカーを落とす手順を家族で共有する

7番と8番は買ったあとの話ですが、ここを飛ばすと、いざというときに残量ゼロの箱があるだけになります。

製品を探している方へ

以下は広告です。当サイトでは実機を検証していません。容量・定格出力・重量・保証条件は製品ごとに違うため、上の「4. ポータブル電源で見る数字」を手元に置いて、公式サイトの仕様表と突き合わせてください。

Jackery(ジャクリ)のポータブル電源

ポータブル電源以外の備えをまとめて用意したい場合は、セット品という選択肢もあります。セットは中身の重複と不足が出やすいので、手持ちと照らして確認してください。

防災士監修の防災グッズ44点セット

FAQ

ポータブル電源とモバイルバッテリーはどちらを買うべきですか。

動かしたいものによります。スマホの充電だけならモバイルバッテリーで足ります。コンセントが必要な機器を動かす必要がある場合に、ポータブル電源が選択肢に入ります。

何Whあれば安心ですか。

「安心な数字」は当方からはお答えできません。動かしたい機器の定格消費電力(W)×使いたい時間(h)を足し上げてください。その計算をしていない状態で容量だけ大きいものを買うと、重くて使わない結果になりがちです。

ドライヤーや電子レンジは使えますか。

製品の定格出力次第です。発熱する家電は消費電力が大きいため、容量(Wh)ではなく定格出力(W)が足りるかを先に確認してください。

ソーラーパネルは必要ですか。

想定日数が長いほど意味が出ます。ただし発電量は天候と設置条件に左右されます。当方では発電量の実測をしていないため、具体的な数値は示しません。

買ったあと、何もしなくていいですか。

いいえ。リチウムイオン電池は使わなくても残量が減ります。点検日を決めて残量を確認し、必要なら充電してください。あわせて、その時点でリコールが出ていないかも確認できます。

参照した一次情報

  • 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(1)食品の家庭備蓄のすすめ」 maff.go.jp
    2026年9月11日確認。備蓄日数の引用はこのページに基づきます。
  • 経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」(電気用品安全法) meti.go.jp
    2026年9月11日確認。ページには「最終更新日:2026年8月7日」と記載。Q.4の引用はこのページに基づきます。
  • 製品評価技術基盤機構(NITE)「ポータブル電源『1.リコール製品に注意』」 nite.go.jp
    2026年9月11日確認。発火に関する引用はこのページに基づきます。
  • 総務省消防庁「感震ブレーカー」 fdma.go.jp
    2026年9月11日確認。地震火災・感震ブレーカーの種類に関する引用はこのページに基づきます。

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